[1月7日19:30.天候:晴 東京都渋谷区代々木 ホテルサンルートプラザ新宿1Fレストラン]
サンルートホテルチェーンの中では、高級の部類に属するホテル。
しかし、世界の富豪から報酬を得ているイリーナにとっては、そこでの料金もはした金なのだろう。
ホテルのレストランで夕食を取った時、コース料理を注文した。
イリーナ:「こういうのを食べてると、そろそろ屋敷に帰るんだって思うよね」
勇太:「そうですね。明日の朝です」
マリア:「朝早いから朝食は無しか」
勇太:「うん。朝食が7時からで、乗る電車が8時じゃね……。日本人だけなら早食いして、何とかなるところだけど……」
マリア:「時間的余裕は無さそうだ。私にはこの他に、師匠を起こすという任務もある」
イリーナ:「うんうん、頑張ってね」
マリア:「師匠が自主的に起きて下されば、私のこのミッションはキャンセルされます」
イリーナ:「5分の延長くらい、いいじゃない」
マリア:「それを1時間以上も繰り返すから、タチが悪いと言っているのです」
イリーナ:「気をつけまーす……」
勇太:「まあまあ、マリア。先生は、これからエステを受けに行かれるから……」
マリア:「そうだったな」
最後にデザートや食後のコーヒーを飲んで、それからレストランを出た。
イリーナ:「一旦、部屋に戻りましょうか。入浴してから行きたいわ」
勇太:「そうしましょう」
[同日20:30.天候:晴 同ホテル客室(イリーナとマリアの部屋)]
ソファ付きのツインに入っているマリアとイリーナ。
イリーナはバスルームに入り、マリアはソファに寝転がってテレビを観ていた。
衛星放送でアメリカの番組を観ている。
そこで、面白いものを見つけたからだ。
イリーナ:「ふぅ~、サッパリしたぁ~。あとはマリア、自由に使っていいわよ」
マリア:「…………」
イリーナ:「なぁに?それとも、勇太君の部屋のバスルームでも使う?w」
マリア:「…………」
イリーナ:「どうしたの?何かリアクションしてよ」
マリア:「これ……」
イリーナ:「ん?」
マリアがテレビ画面を指さすと、それはアメリカの公開生放送のスタジオだった。
スーツ姿の司会者がいて、ゲストは……魔道士のローブを着ていた。
見た目はイリーナと同じ年恰好の女性。
マリアやエレーナよりも白に近い金髪をしていた。
マリア:「どうやら超能力を披露するようです」
イリーナ:「超能力……」
〔「それでは、初めて頂きましょう!まずは、あの壁に掛けられている絵画をこのテーブルの上まで飛ばして頂きます!それでは、どうぞ!」〕
司会者の言葉は英語です。
読者の皆様の為、自動的に翻訳しております。
けして、作者の英語力がゼロだからではありません。
イリーナ:「多分、上手く行く」
マリア:「そうですか」
スタジオの魔道士……というかエスパーと思わしき女性は、右手を差し出すと、絵画に向かって指さした。
因みに絵画はごく普通の静物画で、花瓶に生けられた赤い薔薇が描かれているだけである。
大きさはA1ほど。
すると、絵画が壁から外れてスーッと浮かび、そして女性がクイクイと呼び寄せるような仕草をすると、絵画はそれに従うようにして飛んできた。
そして、テーブルの上を指さすと、絵画はテーブルの上に降り立った。
〔「Amazing!今の御覧頂けたでしょうか!?もちろん、このようにタネも仕掛けもございません!今度は、ここにございますマネキン人形を歩かせて頂きましょう!この通り、タネも仕掛けも無いですよ!」〕
イリーナ:「……あー、思い出した。エバート組のクリスだわ。クリスティーナ・エバート」
マリア:「同門の人でしたか!」
イリーナ:「アタシと同じ、クロックワーカー(時を紡ぐ者)だわ。……うん、確かアメリカで仕事してるって言ってたわ。前に会ったのは……第2次世界大戦後……だったかな?いや、冷戦終結前に会ってたかも……」
マリア:「『戦争の 火種で稼ぐ ダンテ流 ロシアと中国 利権が沢山』って、前に勇太がそんな『魔道士短歌』を詠んでましたが……」
イリーナ:「おー!勇太君も段々うちの法門が分かって来たみたいね!もっとも、そこまで知っちゃったら、もう辞めれないわよ」
マリア:「確かに……。それにしても、あんなに目立つことしちゃっていいんですか?」
イリーナ:「魔法をどのように売るかは、魔道士それぞれだからね。アタシは占いで稼いでいるし、クリスみたいに、ああやってエンターテイメントで稼ぐ人もいるってことよ」
マリア:「でも何だか、演出が嘘くさいですねぇ?」
イリーナ:「エンターテイメントなんだから、それでいいのよ。もし何かあっても、『実は演出でちたw てへてへw』で逃げれるし」
マリア:「何だか、魔法を安っぽく売られてるみたいで……」
イリーナ:「だから、ボッタクリ商売するか、薄利多売するかは、人それぞれだから」
イリーナは絶対前者であろう。
イリーナ:「ああ見えても、階級はアタシと同じ、グランドマスター(大魔道師)だからね」
マリア:「でしょうね!今何か、『これから時間移動します』なんて言ってますけど、本当にそれができるの、クロックワーカーで尚且つグランドマスターだけですからね!」
イリーナ:「……おっと!こんなことしてる場合じゃないわ。そろそろ予約の時間。アタシはエステに行ってくるからね。まあ、22時過ぎまでは掛かるでしょうね」
マリア:「はい、行ってらっしゃい」
マリアは着替えが終わったイリーナを見送った。
そして、水晶玉を使って、イリーナの後ろを追う。
イリーナがエレベーターに乗ったのを確認してから、水晶玉の映像を切った。
今度は、室内の電話機に手を伸ばす。
それで、勇太の部屋に内線を掛けた。
マリア:「……あ、もしもし?勇太?師匠、エステに行ったよ。……うん。戻るの、22時過ぎだって。だからさ……うん。勇太の部屋、行ってもいい?……うん。今から行くね」
電話を切ると、マリアはいそいそと勇太の部屋に行く準備を開始した。
サンルートホテルチェーンの中では、高級の部類に属するホテル。
しかし、世界の富豪から報酬を得ているイリーナにとっては、そこでの料金もはした金なのだろう。
ホテルのレストランで夕食を取った時、コース料理を注文した。
イリーナ:「こういうのを食べてると、そろそろ屋敷に帰るんだって思うよね」
勇太:「そうですね。明日の朝です」
マリア:「朝早いから朝食は無しか」
勇太:「うん。朝食が7時からで、乗る電車が8時じゃね……。日本人だけなら早食いして、何とかなるところだけど……」
マリア:「時間的余裕は無さそうだ。私にはこの他に、師匠を起こすという任務もある」
イリーナ:「うんうん、頑張ってね」
マリア:「師匠が自主的に起きて下されば、私のこのミッションはキャンセルされます」
イリーナ:「5分の延長くらい、いいじゃない」
マリア:「それを1時間以上も繰り返すから、タチが悪いと言っているのです」
イリーナ:「気をつけまーす……」
勇太:「まあまあ、マリア。先生は、これからエステを受けに行かれるから……」
マリア:「そうだったな」
最後にデザートや食後のコーヒーを飲んで、それからレストランを出た。
イリーナ:「一旦、部屋に戻りましょうか。入浴してから行きたいわ」
勇太:「そうしましょう」
[同日20:30.天候:晴 同ホテル客室(イリーナとマリアの部屋)]
ソファ付きのツインに入っているマリアとイリーナ。
イリーナはバスルームに入り、マリアはソファに寝転がってテレビを観ていた。
衛星放送でアメリカの番組を観ている。
そこで、面白いものを見つけたからだ。
イリーナ:「ふぅ~、サッパリしたぁ~。あとはマリア、自由に使っていいわよ」
マリア:「…………」
イリーナ:「なぁに?それとも、勇太君の部屋のバスルームでも使う?w」
マリア:「…………」
イリーナ:「どうしたの?何かリアクションしてよ」
マリア:「これ……」
イリーナ:「ん?」
マリアがテレビ画面を指さすと、それはアメリカの公開生放送のスタジオだった。
スーツ姿の司会者がいて、ゲストは……魔道士のローブを着ていた。
見た目はイリーナと同じ年恰好の女性。
マリアやエレーナよりも白に近い金髪をしていた。
マリア:「どうやら超能力を披露するようです」
イリーナ:「超能力……」
〔「それでは、初めて頂きましょう!まずは、あの壁に掛けられている絵画をこのテーブルの上まで飛ばして頂きます!それでは、どうぞ!」〕
司会者の言葉は英語です。
読者の皆様の為、自動的に翻訳しております。
けして、作者の英語力がゼロだからではありません。
イリーナ:「多分、上手く行く」
マリア:「そうですか」
スタジオの魔道士……というかエスパーと思わしき女性は、右手を差し出すと、絵画に向かって指さした。
因みに絵画はごく普通の静物画で、花瓶に生けられた赤い薔薇が描かれているだけである。
大きさはA1ほど。
すると、絵画が壁から外れてスーッと浮かび、そして女性がクイクイと呼び寄せるような仕草をすると、絵画はそれに従うようにして飛んできた。
そして、テーブルの上を指さすと、絵画はテーブルの上に降り立った。
〔「Amazing!今の御覧頂けたでしょうか!?もちろん、このようにタネも仕掛けもございません!今度は、ここにございますマネキン人形を歩かせて頂きましょう!この通り、タネも仕掛けも無いですよ!」〕
イリーナ:「……あー、思い出した。エバート組のクリスだわ。クリスティーナ・エバート」
マリア:「同門の人でしたか!」
イリーナ:「アタシと同じ、クロックワーカー(時を紡ぐ者)だわ。……うん、確かアメリカで仕事してるって言ってたわ。前に会ったのは……第2次世界大戦後……だったかな?いや、冷戦終結前に会ってたかも……」
マリア:「『戦争の 火種で稼ぐ ダンテ流 ロシアと中国 利権が沢山』って、前に勇太がそんな『魔道士短歌』を詠んでましたが……」
イリーナ:「おー!勇太君も段々うちの法門が分かって来たみたいね!もっとも、そこまで知っちゃったら、もう辞めれないわよ」
マリア:「確かに……。それにしても、あんなに目立つことしちゃっていいんですか?」
イリーナ:「魔法をどのように売るかは、魔道士それぞれだからね。アタシは占いで稼いでいるし、クリスみたいに、ああやってエンターテイメントで稼ぐ人もいるってことよ」
マリア:「でも何だか、演出が嘘くさいですねぇ?」
イリーナ:「エンターテイメントなんだから、それでいいのよ。もし何かあっても、『実は演出でちたw てへてへw』で逃げれるし」
マリア:「何だか、魔法を安っぽく売られてるみたいで……」
イリーナ:「だから、ボッタクリ商売するか、薄利多売するかは、人それぞれだから」
イリーナは絶対前者であろう。
イリーナ:「ああ見えても、階級はアタシと同じ、グランドマスター(大魔道師)だからね」
マリア:「でしょうね!今何か、『これから時間移動します』なんて言ってますけど、本当にそれができるの、クロックワーカーで尚且つグランドマスターだけですからね!」
イリーナ:「……おっと!こんなことしてる場合じゃないわ。そろそろ予約の時間。アタシはエステに行ってくるからね。まあ、22時過ぎまでは掛かるでしょうね」
マリア:「はい、行ってらっしゃい」
マリアは着替えが終わったイリーナを見送った。
そして、水晶玉を使って、イリーナの後ろを追う。
イリーナがエレベーターに乗ったのを確認してから、水晶玉の映像を切った。
今度は、室内の電話機に手を伸ばす。
それで、勇太の部屋に内線を掛けた。
マリア:「……あ、もしもし?勇太?師匠、エステに行ったよ。……うん。戻るの、22時過ぎだって。だからさ……うん。勇太の部屋、行ってもいい?……うん。今から行くね」
電話を切ると、マリアはいそいそと勇太の部屋に行く準備を開始した。
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