報恩坊の怪しい偽作家!

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“私立探偵 愛原学” 「かつて『仙台の奥座敷』と呼ばれた場所で」

2024-02-05 11:57:32 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[2月25日15時00分 天候:曇 宮城県仙台市青葉区作並元木 鷹泉閣岩松旅館]

 作並駅から送迎バスで旅館に着いた私達。
 名前は旅館であるが、規模はホテルである。
 チェックインの時間まで少し間があったので、ロビーで待つことにした。
 その間、リサはトイレに行く。

 リサ「トイレ、きれいだったよ」
 高橋「寄生虫まみれにすんじゃねーぞ!」
 リサ「ちゃんと死骸と瀕死のヤツらは水に流したよぉ~」
 愛原学「ちょうど時間だ。フロントに行くぞ。高橋も来てくれ」
 高橋「うっス!」

 私と高橋はフロントに向かった。
 高橋を連れて行ったのは、部屋が別々の為。
 予約は私1人の名義だが、今回、高橋とパールはツインルームに泊まってもらう。
 だからである。

 高橋「何か、世話になってサーセン」
 学「いや、いいんだよ。どうせ支払いは……栗原家の奥日光の施設からガメてきた商品券だからw」
 高橋「はははっ!それもそうっスね!」

 私達は鍵を受け取ると、エレベーターで客室フロアに向かった。

 学「じゃあ、後でな」
 高橋「うっス!」
 パール「プールでお待ちしています」
 学「うん!」
 愛原父「こんな真冬にプールとは……」
 学「温水プールだから冬でも入れるんだよ。熱帯魚の水槽に入るようなもんだ」
 愛原母「表現の仕方!」
 リサ「おー!熱帯魚!エンゼルフィッシュ!?グッピー!?」
 学「食えないからな?……オマエの場合、ピラニアだろう」
 リサ「ちょっと!」

 リサの抗議を無視し、客室に入る。

 学「えーと……ここだな」
 リサ「おー!広い!」
 母「あらまっ、ちょっと!和洋室じゃないの!こんな高そうな部屋……」
 学「いや、いいんだよ。俺からの親孝行だ。取っといてくれよ」

 まあ、費用は仕事で得た副産物であるがw

 学「父さん達は、そっちのベッドで寝てくれよ。俺達はそっちの和室で布団で寝るから」
 母「いいの?」
 リサ「布団で寝る機会も、あんまり無いですからね」

 修学旅行ならワンチャンあるかもしれなかったが、これから行く高校の修学旅行はホテルのベッドである可能性が高い。

 リサ「おー、トイレも広くてキレイ!これならタイラント君も呼べるなぁ~」
 学「いや、呼ぶなよ!てか、タイラントってあんな化け物なのに、そんなにトイレのキレイさを気にするほどの潔癖なんだ?」
 リサ「アメリカのヤツは、『警察署や研究所のトイレが汚い!』ってキレ散らかしてたらしいよ?」
 学「トイレが汚いだけで、レオンやクレアは追い回されてたのかい?……日本のホテルのトイレは、基本キレイだから大丈夫だろ」
 リサ「というか、日本のタイラント君は……」
 学「ん?」
 リサ「わたし達、リサ・トレヴァーが一緒だと、何故かトイレで寝ようとするから……」

 タイラント「私の如き、下賤の者はトイレで十分です。お嬢様方」
 『1番』「何なの、このコ!?」
 『2番』(愛原リサ)「いや、ちょっと!こんな所で寝ないで!」
 『4番』「キモッ!!」

 学「何それ?そんなの逆に気を使うだろ!」
 リサ「ねー?わたしもそう言ったんだけど」
 学「もしかして、お前が研究所のトイレで『トイレの花子さん』やらされてた理由って、それだったりする?」
 リサ「! そういうことだったのか!あのクソ研究員!!」

 リサ、一気に人間形態から鬼形態へと変化する。

 学「リサ、落ち着け!両親が一緒だぞ!!」
 リサ「おっと!」
 母「ちょっと!トイレで何を騒いでるの?」
 学「な、何でもない!何でも無いんだ!」
 リサ「いや~、キレイなトイレですね~!」

 リサ、慌てて角を引っ込める。
 長く尖った爪は急には引っ込められないので、手を後ろ手に組んで隠した。
 と、そこへ客室の電話が鳴る。

 学「電話だ!はいはい!」

 私は急いでトイレから出ると、客室の電話を取った。

 学「はい、もしもし?」
 高橋「あ、先生。高橋っスー」
 学「おー、どうした?」
 高橋「俺ら準備万端なんスけど、プール行きますか?」
 学「おー、そうだったな!こっちも急いで準備する!」
 女将「失礼します。御挨拶の方、宜しいでしょうか?」
 父「おー、1泊だけですが、よろしく」

[同日15時30分 天候:曇 同旅館・プール]

 両親は温泉に入りに行き、私達はプールに向かった。

 リサ「さすがにスク水は持ってきてないよ?スク水は夏になってから、学校のプールでね」
 学「今日はプライベートなんだから、もっとかわいい水着を着ていいんだよ」
 リサ「それを聞いて安心!」
 学「でもまだ新しい水着を買ってないから、昨年来たヤツだろ?」
 リサ「そうだね。わたしの水着姿、先生は好きなだけ見ていいからね?」
 学「それはありがたい」

 逆に言えば、他の女のは見るなというわけだ。

 学「ん?」

 プールの更衣室まで来た時、私のスマホが着信音を鳴らした。
 画面を見ると、善場主任になっていた。

 学「善場主任からだ」
 リサ「えー?今日は休みなのに……」
 学「何かあったのかもしれないな。お前達は先に入っててくれ」
 高橋「はい」
 パール「かしこまりました」

 3人はそれぞれ更衣室に入って行き、私はその入口横で電話を取った。

 学「お待たせしました。愛原です」
 善場「善場です。お休みのところ、申し訳ありません」
 学「とんでもないです。今、作並温泉です。両親への親孝行兼慰安旅行中です」
 善場「そうでしたか。GPSが山に近い所を指していたのですが。それはますますお邪魔してしまいましたね」
 学「いえいえ。それより、何かありましたか?」
 善場「そちらに愛原公一容疑者はおりますか?」
 学「えっ?いいえ、いませんけど?」
 善場「そうですか」
 学「今この旅館にいるのは、私やリサを含む事務所のメンバーと、私の両親だけです」
 善場「その中に愛原公一容疑者はいないと?」
 学「はい。公一伯父さんがどうかしましたか?」
 善場「BSAAが仙台に調査に向かったのですが、どうも公一容疑者が愛原所長の御実家に潜んでいた疑いがあるのですが、何か御存知ありませんか?」

 何故にバレたし!?

 善場「しかも“青いアンブレラ”の目撃情報まであるのですが、もしかして、高野芽衣子こと、エイダ・ウォンコピーまでいたりしませんでしたか?」

 もしかして、高野君のせい!?

 学「あ、あの……その……」

 私の選択肢は!?

 ➀あくまでシラを切り通す。
 ②正直に話す。
 ➂電波が遠いフリをする。
 ④キャンベル大佐のモノマネをする。
 ⑤御題目を唱える。

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