報恩坊の怪しい偽作家!

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“私立探偵 愛原学” 「異形との戦い」 2

2022-09-16 20:10:57 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[6月26日16:00.天候:曇 新潟県新潟市北区 ドライブイン“はんごろし”]

 ドライブインの上空に、BSAAのヘリが到着する。

 ヘリパイロット:「デルタチームからHQ!ハートエリアに現着!次の指示を願う!」
 HQ:「了解!デルタチーム、現場の状況を報告せよ!」
 ヘリパイロット:「了解。現場は凄惨なもよう!現在、2人の男がBOWと交戦している!尚、BOWは2体!うち1体はリサ・トレヴァー『2番』と思われる」
 HQ:「了解!『2番』は暴走中か?」
 ヘリパイロット:「2人の男側に付いているようなので、暴走はしていないもよう」
 HQ:「了解!降下準備を開始せよ!」
 ヘリパイロット:「了解!」

 愛原:「今頃、BSAA来たよ!」
 高橋:「遅ェんだ、あいつら!」

 リサの活躍により、化け物はいくつかの形態に変化した。
 今現在の形態は……とても恐ろしい。
 2足歩行なのだが、何だか“マタンゴ”に似ているような……?
 頭には傘の開いていない松茸のような物を何本も生やしているが、顔はのっぺらぼうである。
 因みに松茸のようなものは、ドレッドヘアをもっと太くしたような生え方である。
 そして、注目すべきは下半身。
 BOWは全裸である。
 基本的に、ボスとして立ちはだかるBOWは裸だと見てよい。
 初期形態はまだ人間だった頃の名残で服を着ている場合もあるが、最終形態は全裸である。
 しかも、ただ全裸というわけではなかった。

 リサ:「大きい……!」

 どうやらBOWは人間の男を改造したものらしく、奴のナニはもういきり立っていてしょうがない。
 善場主任の情報によると、BOW名としてはペニーワイズというらしい。
 正に、【お察しください】な名前だ。
 しかも、だ。
 このペニーワイズ、日本アンブレラで独自に開発されたBOWなのだという。
 ということは、この近くに研究所でもあるのだろうか?

 ペニーワイズ:「マグ……ワウ……!ハァ……ハァ……!」

 ペニーワイズは私達を見た。
 奴の狙いは、恐らくリサだろう。
 リサを犯すつもりだ。

 リサ:「私の貞操は先生のものだ!テメェになんかやるか!」

 第1形態から第2形態まで変化しているリサは、気も強くなり、口も悪くなる。
 ペニーワイズに向かって右手の中指を立てる。

 ペニーワイズ:「キクノ……ハナビラ……!ハァ、ハァ……」

 ん?菊の花びら???

 ペニーワイズ:「イケメン……ハァ……ハァ……」
 愛原:「え?」

 ペニーワイズの視線の先には高橋がいた。
 その隣のリサではない。

 ペニーワイズ:「ウシロノバージン……!」

 そして、高橋に突進してくる。

 愛原:「どうやら、オマエのケツの穴が目的らしいぞ?」
 高橋:「ざっけんな!クソ化け物が!!」

 高橋、マグナムを撃ち込む。
 1発は化け物に命中して怯んだ。
 だが、それ以上は発射されない。

 高橋:「しまった!弾切れっス!」
 愛原:「なにいっ!?」
 ペニーワイズ:「キクノ……ハナビラ……!」

 ペニーワイズは中途半端なダメージを食らっただけでは、すぐに回復してしまう。
 そこはリサと同じだ。
 弱点を一気に叩くしかない。
 だが……。

 愛原:「ん?」

 私の足元に、何かが転がって来た。
 どうやら、上空のヘリコプターから落ちて来たもののようだった。
 拾い上げてみると、それは電撃グレネードだった。
 爆発させると、相手を感電させるというものだ。
 ペニーワイズは電気に弱いのだろうか?
 私はグレネードのスイッチを入れて、ペニーワイズに投げつけた。
 大きな光が発生して、ペニーワイズは感電し、動きを止める。

 高橋:「先生、逃げましょう!」

 高橋はヘリを指さして私の手を掴んだ。
 私もヘリを見ると、そこから乗り出してロケットランチャーを構えている兵士の姿があった。
 な、なるほど!
 ロケランを当てる為に、私達に奴の動きを止める手伝いをさせたのか!

 愛原:「急げ!建物の反対側へ!」

 私達は建物の反対側に回り込んだ。
 と、同時に発射されるロケラン。
 大きな爆発が起きて、建物が大きく揺れる。
 爆風でガラスの割れる音も大きく響いた。

 高橋:「ひえー……!相変わらず奴ら、容赦無いっスね!」
 愛原:「……だな」

 と、とにかく、これで戦いは終わった。
 建物の表側に回ったわけだが、この時、いつの間にか警察がやってきていて、規制線を張っていた。

[同日20:00.天候:晴 同区内 新潟北警察署→JR豊栄駅]

 あの後、私達は警察とBSAA両方から事情聴取を受けることとなった。
 この場合、BSAAの方が権限が強いので、BSAAが優先ということになる。
 一応、何がしかのウィルスに感染したりしていないかの検査を受けて陰性だと判明してから事情聴取を受けた。
 BSAAの聴取は意外と簡単だっだが、警察の方はしつこかった。
 何しろ広域暴走族同士の抗争から始まり、しかも新潟連合の元総長が関わっていたとあらば、警察は特に高橋を追及するのは当たり前だった。
 それでも何とか、善場主任が仲裁してくれたおかげで、何とか夜には解放された。
 まあ、国家機関の圧力を警察に掛けたのかもしれない。
 件の警察署は豊栄駅から離れていた為、タクシーを呼んで、駅に向かった。

 高橋:「ったく、まさか見覚えのある刑事が北署に異動していたとは……」

 高橋は助手席の後ろに座り、憮然としていた。

 愛原:「何か言われた?」
 高橋:「『またオマエか!せっかく更生して上京したと思ってたのに……!そんなに総長の座が恋しいか!!』なんて言われましたよ」
 愛原:「それ、仲間内からも言われてなかった?」
 高橋:「俺は恋しくなんかないっスよ。超一流の名探偵である先生の弟子ができれば、それでいいんです」
 愛原:「ま、あの刑事さんに信じてもらう前に、善場主任が介入してきたことで、判定負けになったかな?」
 高橋:「判定勝ちです!」
 愛原:「あははははは!」

 善場主任という国家公務員が庇ってきたことが、何よりの証拠じゃないかと私は証言した。
 そんなことを話しているうちに、タクシーは豊栄駅に到着した。

 愛原:「すいません、領収証ください」
 運転手:「はい」

 タクシーを降りて、駅構内に入る。

 リサ:「お腹空いた……」
 愛原:「新潟駅で駅弁……買えるかなぁ……?」

 仙台駅なら何とか買えるが、新潟駅はどうだろう?

 豊栄駅にはヤマザキショップがあるが、残念ながら閉店してしまっていた。

 愛原:「取りあえず、帰りのキップを渡しておくよ」

 乗車券は『新潟市内』になっている。
 つまり、新潟市内である豊栄駅からでも乗れるということ。
 実際、自動改札機にキップを入れたらちゃんと通れた。

 高橋:「あの、ペニーワイズって化け物、どこから来たんスかね?」
 愛原:「分からん。極東戦線の連中なら知ってるだろうが、あの場にいた全員が死んだりゾンビ化しているから、誰も知らない」

 金田支部長は、『騙された』と言っていた。
 一体、彼らを『騙した』のは誰だったのだろう?
 白井伝三郎のような気もするが、しかし彼はもう……。
 それとも、今さら白井伝三郎みたいな存在が急浮上するというのだろうか?
 因みに斉藤元社長は、とっくにロシアだから、時系列が合わない。

 愛原:「ほら、リサ。取りあえず、ジュースで腹を誤魔化しとけ」
 リサ:「えー……」

 私は改札内コンコースにある自販機に立ち寄ると、それでリサにジュースを買ってあげた。
 もちろん、リサの腹はそんなものでは収まらない。
 しかし、新潟駅に着くまでの間、何とか誤魔化せれば良いのだ。

 高橋:「先生。次の電車は20時15分、1番線です」
 愛原:「ああ、分かった」

 私達は1番線に向かうと、予定の電車に乗った。
 E129系の4両編成であった。

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