報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“愛原リサの日常” 「バイオハザードは突然に」

2020-04-16 11:34:16 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[3月15日10:00.天候:曇 埼玉県さいたま市中央区 某ガソリンスタンド前]

 愛原:「オーマイガッ!おーまいがっ♪オーマイガッ♪おーまいがっ!あー、そーれ!それそれそれ!さーの、よいよい!」
 リサ:「一体、何が起きた?」
 愛原:「うーん……」

 バタッと倒れる愛原。
 高橋が引き起こした大事故に対する責任の怖さから錯乱し、そしてついに泡を吹いて倒れた愛原に代わり、リサ視点での物語に急きょ切り替える。

 リサ:「先生、しっかりして……!」
 霧崎:「御嬢様、大丈夫ですか!?」
 新庄:「御嬢様!」

 ジャックナイフ現象を引き起こしたトレーラーは、コンテナ部分が歩道に乗り上げて来た。
 幸い巻き込まれた歩行者等はおらず、コンテナも絵恋の手前で止まった。
 ガソリンスタンドで給油を終え、今度は洗車場で洗車していた新庄が慌てて走って来る。

 霧崎:「マーサー、貴様ぁっ!!」

 霧崎がメイド服のスカートの中、具体的には左足に装着した鞘の中からアーミーナイフを取り出して高橋に向ける。

 高橋:「真珠、俺は無事だったぞ!?だから俺と付き合え!」
 霧崎:「バカッ!!」

 と、その時だった。
 トレーラーのコンテナから、何か音がした。
 内側に何かがいて、そこから外へと出ようとしている感じ。
 そして、コンテナの後ろの観音扉がこじ開けられた。
 その中から出て来たのは……。

 リサ:「は、ハンター!?」

 旧アンブレラが開発・製造したハンターが3匹現れた。
 赤いコブが頭に付いていることから、それはハンターβだと思われる。

 高橋:「は、ハンターだと!?」

 高橋は急いでマグナムを取り出した。
 ハンターβの一匹は事故発生で集まった野次馬達を襲う!
 もう一匹は愛原の所にやってきた。

 ハンターβA:「ガァーッ!」

 大きな爪が特徴の腕を振り上げて、リサ諸共首狩りをしようとする。
 が、リサが目と口だけ第一形態になった。
 赤く鈍く光る眼でハンターβAを睨み付け、ハンターに負けずとも劣らない鋭い牙を剥ける。

 リサ:「喰われたいのか?」
 ハンターβA:Σ(゚Д゚)
 ハンターβB:(リサ・トレヴァー様!?)
 霧崎:「!」

 霧崎がリサに怯んだハンターβの隙をついて、Bにアーミーナイフで切りつける。
 さすが元殺人犯、的確にハンターβBの首を掻き切った。

 ハンターβB:「!」

 そこからどす黒い血が噴水のように噴き出す。
 が、すぐにまるで水道の蛇口を閉めるかのように、見る見るうちに止血していった。
 と、すかさず高橋が手持ちのマグナムをBに撃ち込む。
 大型拳銃のドゴン!という発砲音が響いた。

 高橋:「ハンターはナイフくらいじゃ倒せねーよ!俺に任せろ!」

 ハンターβは初期のハンターαと同じ、爬虫類を改造したBOWであるが、その改良版である。
 具体的には俊敏性を強化され、銃で撃たれてもそれを交わすくらいに素早さがアップした。
 但し、引き換えに攻撃力はややダウンしたらしく、得意技の即死攻撃(敵の首を一気に刎ね飛ばす、通称『首狩り』)が出にくくなっている(αが本当に首を跳ね飛ばすのに対し、βは首を掻き切るのが精一杯。もちろん、それとて命に関わるので即死攻撃ではある)。
 また、片手が弱体化した為、αと違って両手で攻撃はしてこない。
 あくまでも俊敏性でもって敵を翻弄させつつ、しかし戦力も削ぐ為に開発されたものだと分かる。

 霧崎:「さっきから当たって無いじゃんよ!?」
 高橋:「ピヨらせねーとダメみてーだ!さっきのは真珠がピヨらせてくれたから良かったんだよっ!」

 これがゲームだと、閃光手榴弾で怯ませ、または高圧電流で感電させて動きを封じてから銃で攻撃して倒すのがセオリーのようだ。

 霧崎:「新庄さん、まずは御嬢様の避難を!車を出して!」
 新庄:「いや、無理だ!事故ったトレーラーがスタンドの出入口を塞いでいる!」
 リサ:「サイトー、あの中に隠れよう!」
 絵恋:「う、うん!」

 リサはガソリンスタンドの店内を指さした。
 あくまでも暴れているのはハンターβが3匹だけであり、別にゾンビの大群が押し寄せているわけではない。

 リサ:「運転手さん、愛原先生を!」
 新庄:「分かりました!」

 新庄は気絶した愛原を担いだ。
 それからガソリンスタンドの店内に向かって走り出す。
 が!

 ハンターβA:「ガァァァァッ!」

 怯みが回復したハンターβAが走って来て、回り込んできた。
 しかも、周りにある車を薙ぎ払って。
 中には給油中の車もあった。
 そこからガソリンが漏れ出して……。

 新庄:「ば、爆発します!早く道路に!」

 今度は道路側に逃げる。

 新庄:「トレーラーの影に隠れましょう!」
 ゾンビA:「アァア……」
 ゾンビB:「ウウ……!」
 ゾンビC:「アウゥッ!」

 しかし、道路側からはゾンビがやってきた。
 どうやらハンターβに攻撃されたことでゾンビウィルスに感染し、ゾンビ化した野次馬の成れの果てだろう。

 高橋:「邪魔だ、テメーラ!」

 高橋は銃を構えた。

 霧崎:「バカッ!こんな所で撃ったら爆発するよ!」
 高橋:「くっ……!」
 ゾンビA:「アァーッ!」

 ゾンビAが霧崎に飛び掛かって来る。
 しかし、霧崎は迷わずアーミーナイフでゾンビの首を掻き切った。
 ゾンビの首から血が噴き出す。
 今度はハンターβのように、血が止まることはなく、ゾンビAはその場に倒れた。
 だが、完全に死んだわけではないようで、血だまりを作りながらも、這ってでも追おうとする。

 高橋:「でやぁーっ!」

 高橋は近くに落ちていた鉄パイプを拾うと、それで残りのゾンビを攻撃した。
 そして、トレーラーの向こう側に行くと、大きな爆発音がした。
 これでガソリンスタンドにいたハンターβ2匹は死んだだろうが、こちら側は……。

 ハンターβC:「!」

 リサ達に気づいたハンターβCが血糊の付いた大きな腕を振り上げて、こちらに向かってきた。
 だが、そのハンターはリサ達に攻撃することはできなかった。
 何故ならBSAAのヘリコプターがやってきて、そこから集中砲火を浴びたからである。
 同時にその装甲車やトラックもやってきて、そこからBSAAの隊員達が降りて来た。

 隊員:「αチームからHQ、スペードエリアに現着!これより生存者の救出並びにBOWの掃討を開始する!」
 HQ:「HQよりαチーム、現場には上級BOW『リサ・トレヴァー』もいるとの情報あり。ヤツの暴走も考えられる。十分に警戒せよ」
 隊員:「αチーム、了解!」
 リサ:「はーい、リサ・トレヴァーでーす」
 隊員:「ファッ!?」
 高橋:「生存者ならここにいる。早いとこ救出してくれ」
 絵恋:「ちょっと!リサさんは暴走なんてしてないからね!」
 隊員:「あ、αチームからHQ!生存者数名とリサ・トレヴァーを同時発見。リサ・トレヴァーは暴走していないと主張!」
 HQ:「……了解。暴走していないのであれば、直ちに確保せよ。生存者も救出せよ」
 隊員:「りょ、了解!……では、こちらへ」

 リサ達はBSAAのトラックに誘導された。

コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« “私立探偵 愛原学” 「10... | トップ | “私立探偵 愛原学” 「よう... »

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
つぶやき (雲羽百三)
2020-04-16 16:44:31
https://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/politics/20200416-567-OYT1T50217.html

 『絶体絶命都市』の全国パンデミック版か。
 十羅刹女の謗法罪障掃討作戦はキツいですなぁ、トチロ~さん?
 ビックカメラに昨日行ったが、大宮駅西口に顕正会員もエホバもいなくなっていた。
 宗教関係者が逃げ出すくらいだ。
 こりゃ本格的に家から出ない方がいいかもなぁ。
返信する

コメントを投稿

私立探偵 愛原学シリーズ」カテゴリの最新記事