[1月27日17時00分 天候:晴 東京都墨田区菊川2丁目 愛原家]
私は今、車で東京中央学園上野高校から帰って来たところである。
臨時のPTA役員会があったので、会長代行として参加してきたところだ。
こういう時、自営業で、しかも人を雇っている場合は有利である。
学校には高橋に迎えに来てもらった。
愛原「ただいまァ」
リサ「先生、お帰り。学校どうだった?」
愛原「オマエが保護者みたいな聞き方するなよw」
事務所には、リサが1人で留守番していた。
夕食はパールが作るから、高橋もいない場合はリサが留守番することになる。
尤も、今日は来客の予定は入っていないし、電話番くらいならリサにもできる為。
まあ、小林少年みたいに勝手に仕事の依頼を受けてくれなければ良い。
愛原「電話とか来客とかあった?」
リサ「間違い電話1件と、善場さんからの電話が1件」
愛原「善場主任から?」
リサ「明日の件、よろしくお願いしますだって」
愛原「それだけか?」
リサ「うん」
愛原「善場主任もマメな人だな」
リサ「そだねー。で、学校は?」
愛原「明日から再開だってさ」
リサ「明日!?」
愛原「また土曜日、臨時登校日だよ」
リサ「わたしはどうするの?」
愛原「オマエは休むしかないだろ。他にも明日、歯医者の予約とか、塾があるコは休むってよ。元々、学校は休みだったんだからな」
リサ「ふーん……」
私が学生の頃も、受験勉強の為に、学校の授業よりも塾の方を優先していた同級生とかがいたが、今も昔も変わらんもんだな。
東京中央学園がガチの進学校なら、そこまでする家庭もなかなかいないのだろうが、この学園は底辺校ではないが、かといって有名進学校か?と聞かれると、ちょっと微妙な所がある。
少なくとも、進学校としては有名ではないだろう。
まあ、中間校といったところか。
学力そのものは、日本版リサ・トレヴァー『1番』に乗っ取られた聖クラリス女学院には劣る。
比較的勉強が好きだった『1番』のおかげで学力が上がったというのは皮肉中の皮肉だろう。
日本版リサ・トレヴァーは概して独占欲が強く、リサもまた日本式プラーガを使って、東京中央学園のスケバン長になろうとしている。
東京中央学園がまだ幸いなのは、そこは共学校であるということ。
リサは私以外の男性を嫌悪しているので、例え寄生虫と言えども、男にはあまり寄生させたくないらしい。
その為、男子生徒がいる以上、女子生徒しかいない聖クラリスのように、乗っ取られる心配は無いわけである。
もっとも、リサの見た目の可愛さと持ち前の主導権掌握力に絆される男子生徒も多数いるのだとか。
愛原「もう3学期だってのに、まだ授業の遅れとかあるんだな」
リサ「多分、採点した実力テストを早く返して、答え合わせしたいだけだと思うよ」
愛原「そうかな?」
リサ「現国の教科書も、もう終盤に差し掛かってるからね」
愛原「そうか」
リサ「で、必ず教科書の中身全部やるわけじゃないから」
愛原「それもそうだな」
日本の学習指導要領の関係なのかもしれないが、確かに教科書の途中途中を飛ばして授業とかしていたな……。
リサ「だからまあ、休んでも大丈夫。そして何より……」
愛原「ん?」
リサ「土曜日は食堂やってない」
愛原「そっちか!」
リサ「注文したブルマは、月曜日に届くから……」
愛原「やっぱり1週間くらい掛かるんだな」
リサ「上の体操着とか、短パンと違って受注生産らしいからね」
愛原「……だろうなぁ」
リサ「やっぱり紺色のブルマは、テニス部とかダンス部とかのアンスコ用みたいだよ」
愛原「やっぱりか」
リサ「他にも、運動部がオーバーパンツ用に買ったりとかしてるみたい」
愛原「一応の需要はあるわけか……」
激しい運動をする時、実は布面積は少ない方が良いというのは知られている。
今でも女子陸上選手が、セパレート型のユニフォームを着るのはこの為である。
愛原「明日届くってなったらどうしようかと思ってたよ」
リサ「そうなると明日、学校には行かないといけないわけね。で、当然制服を着ていかなきゃいけないから、その足で歯医者か……。制服が血だらけになる?」
愛原「いや、ちゃんと血は吸引しながら抜くから、そういう心配はしなくてもいいだろうけど、焼肉とか食べるんだったら、匂いが染み付いてもいいよう、私服の方がいいよな」
リサ「確かに」
愛原「とにかく、学校には明日、リサは休むということにしてるよ。幸い、さっきも言った通り、何人かの親御さん、お子さんが歯医者とか、他に通院とかで休ませるらしいから」
リサ「普通の人間が休むならいいけど、わたしみたいなのが歯医者で休むってアリなのかな?」
愛原「まあ、ウソではないからな」
リサ「確かに」
リサは頷いた。
リサ「学校は綺麗になってた?」
愛原「清掃の費用が大変だったらしい。職員用トイレ以外のトイレが殆ど汚れてたから。中には、男子トイレに駆け込んだのもいたらしい」
するとリサ、目を丸くした後、ニヤッと笑った。
明日、抜く予定の牙が覗く。
これは絶対、良からぬことを考えている顔だ。
愛原「リサ、変なことはするなよ?」
リサ「もちろんだよ~。あっ、わたし、夕食まで部屋に戻るねぇ~」
リサはそう言って、エレベーターに乗って行った。
嫌な予感しかしないが、案の定その通りだった。
これは後で分かったことだがリサのヤツ、『魔王軍』のネットワークを使って、その時の状況を撮影していた男子生徒を検索したらしい。
『魔王軍』のメンバーの中には、1年生男子の弟を持つコがいて、そいつに当たったら、激しい下痢と嘔吐の症状を訴えて男子トイレに駆け込んできた女子生徒をスマホで撮影したのがいたという。
そして、その画像を押収して、『この画像を拡散されたくなかったら、お前もブルマを穿け(つまり、魔王軍に入れ)』と迫る目的があったようである。
リサにとっては他人の災難も、自己の欲望を満たす為のネタにしか過ぎないところは、やはり鬼型BOWか。
私は今、車で東京中央学園上野高校から帰って来たところである。
臨時のPTA役員会があったので、会長代行として参加してきたところだ。
こういう時、自営業で、しかも人を雇っている場合は有利である。
学校には高橋に迎えに来てもらった。
愛原「ただいまァ」
リサ「先生、お帰り。学校どうだった?」
愛原「オマエが保護者みたいな聞き方するなよw」
事務所には、リサが1人で留守番していた。
夕食はパールが作るから、高橋もいない場合はリサが留守番することになる。
尤も、今日は来客の予定は入っていないし、電話番くらいならリサにもできる為。
まあ、小林少年みたいに勝手に仕事の依頼を受けてくれなければ良い。
愛原「電話とか来客とかあった?」
リサ「間違い電話1件と、善場さんからの電話が1件」
愛原「善場主任から?」
リサ「明日の件、よろしくお願いしますだって」
愛原「それだけか?」
リサ「うん」
愛原「善場主任もマメな人だな」
リサ「そだねー。で、学校は?」
愛原「明日から再開だってさ」
リサ「明日!?」
愛原「また土曜日、臨時登校日だよ」
リサ「わたしはどうするの?」
愛原「オマエは休むしかないだろ。他にも明日、歯医者の予約とか、塾があるコは休むってよ。元々、学校は休みだったんだからな」
リサ「ふーん……」
私が学生の頃も、受験勉強の為に、学校の授業よりも塾の方を優先していた同級生とかがいたが、今も昔も変わらんもんだな。
東京中央学園がガチの進学校なら、そこまでする家庭もなかなかいないのだろうが、この学園は底辺校ではないが、かといって有名進学校か?と聞かれると、ちょっと微妙な所がある。
少なくとも、進学校としては有名ではないだろう。
まあ、中間校といったところか。
学力そのものは、日本版リサ・トレヴァー『1番』に乗っ取られた聖クラリス女学院には劣る。
比較的勉強が好きだった『1番』のおかげで学力が上がったというのは皮肉中の皮肉だろう。
日本版リサ・トレヴァーは概して独占欲が強く、リサもまた日本式プラーガを使って、東京中央学園のスケバン長になろうとしている。
東京中央学園がまだ幸いなのは、そこは共学校であるということ。
リサは私以外の男性を嫌悪しているので、例え寄生虫と言えども、男にはあまり寄生させたくないらしい。
その為、男子生徒がいる以上、女子生徒しかいない聖クラリスのように、乗っ取られる心配は無いわけである。
もっとも、リサの見た目の可愛さと持ち前の主導権掌握力に絆される男子生徒も多数いるのだとか。
愛原「もう3学期だってのに、まだ授業の遅れとかあるんだな」
リサ「多分、採点した実力テストを早く返して、答え合わせしたいだけだと思うよ」
愛原「そうかな?」
リサ「現国の教科書も、もう終盤に差し掛かってるからね」
愛原「そうか」
リサ「で、必ず教科書の中身全部やるわけじゃないから」
愛原「それもそうだな」
日本の学習指導要領の関係なのかもしれないが、確かに教科書の途中途中を飛ばして授業とかしていたな……。
リサ「だからまあ、休んでも大丈夫。そして何より……」
愛原「ん?」
リサ「土曜日は食堂やってない」
愛原「そっちか!」
リサ「注文したブルマは、月曜日に届くから……」
愛原「やっぱり1週間くらい掛かるんだな」
リサ「上の体操着とか、短パンと違って受注生産らしいからね」
愛原「……だろうなぁ」
リサ「やっぱり紺色のブルマは、テニス部とかダンス部とかのアンスコ用みたいだよ」
愛原「やっぱりか」
リサ「他にも、運動部がオーバーパンツ用に買ったりとかしてるみたい」
愛原「一応の需要はあるわけか……」
激しい運動をする時、実は布面積は少ない方が良いというのは知られている。
今でも女子陸上選手が、セパレート型のユニフォームを着るのはこの為である。
愛原「明日届くってなったらどうしようかと思ってたよ」
リサ「そうなると明日、学校には行かないといけないわけね。で、当然制服を着ていかなきゃいけないから、その足で歯医者か……。制服が血だらけになる?」
愛原「いや、ちゃんと血は吸引しながら抜くから、そういう心配はしなくてもいいだろうけど、焼肉とか食べるんだったら、匂いが染み付いてもいいよう、私服の方がいいよな」
リサ「確かに」
愛原「とにかく、学校には明日、リサは休むということにしてるよ。幸い、さっきも言った通り、何人かの親御さん、お子さんが歯医者とか、他に通院とかで休ませるらしいから」
リサ「普通の人間が休むならいいけど、わたしみたいなのが歯医者で休むってアリなのかな?」
愛原「まあ、ウソではないからな」
リサ「確かに」
リサは頷いた。
リサ「学校は綺麗になってた?」
愛原「清掃の費用が大変だったらしい。職員用トイレ以外のトイレが殆ど汚れてたから。中には、男子トイレに駆け込んだのもいたらしい」
するとリサ、目を丸くした後、ニヤッと笑った。
明日、抜く予定の牙が覗く。
これは絶対、良からぬことを考えている顔だ。
愛原「リサ、変なことはするなよ?」
リサ「もちろんだよ~。あっ、わたし、夕食まで部屋に戻るねぇ~」
リサはそう言って、エレベーターに乗って行った。
嫌な予感しかしないが、案の定その通りだった。
これは後で分かったことだがリサのヤツ、『魔王軍』のネットワークを使って、その時の状況を撮影していた男子生徒を検索したらしい。
『魔王軍』のメンバーの中には、1年生男子の弟を持つコがいて、そいつに当たったら、激しい下痢と嘔吐の症状を訴えて男子トイレに駆け込んできた女子生徒をスマホで撮影したのがいたという。
そして、その画像を押収して、『この画像を拡散されたくなかったら、お前もブルマを穿け(つまり、魔王軍に入れ)』と迫る目的があったようである。
リサにとっては他人の災難も、自己の欲望を満たす為のネタにしか過ぎないところは、やはり鬼型BOWか。
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