報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
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 実際のものとは異なります。

“大魔道師の弟子” 「添書登山」

2019-05-28 16:48:49 | ユタと愉快な仲間たちシリーズ
[5月13日10:40.天候:晴 静岡県富士宮市上条 日蓮正宗大石寺・登山事務所]

 BGM:“ZUN’s Music Collection”より、“蓬莱伝説”。
 https://www.youtube.com/watch?v=sm4bd7d9N9c

 

 稲生と鈴木を乗せた登山バスが大石寺に到着する。

 

 鈴木:「いやあ、総本山から眺める富士山は格別ですなぁ」
 稲生:「いや、全く」
 鈴木:「顕正会じゃ、富士山すら見えない」
 稲生:「ま、そりゃそうだろうね」

 バスから降りて、他の登山者と同様、添書を手に登山事務所へ向かう2人。

 御僧侶:「……それでは2000円の御開扉御供養をお願いします」
 稲生:「はい」

 創価学会破門前は券売機で行っていた御供養と内拝券のやり取り。
 破門直前は大人1600円、子供800円だった。
 効率的だが、何だか味気ないように思える。
 現在は登山事務所において、カウンター越しに係の御僧侶から直接御供養と内拝券をやり取りする。
 末寺で発行された添書を係の御僧侶に渡し、御供養も渡す。
 すると内拝券が発行されるので、それを手に背後の記帳台に移り、鉛筆で教区番号と所属寺院名を記入する。
 券の上にはパンチで開けた穴があって、そこに紐を通して結び、首から下げられるようになっているのだが、稲生と鈴木は既に内拝券入れを持って来ていた。
 これはその名の通り、内拝券用のパスケースである。
 これも首から掛けられる。

 御僧侶:「本日は報恩坊にて布教講演がございますので、ご参加ください」
 稲生:「報恩坊さん?ですか?」
 御僧侶:「はい」
 稲生:「分かりました」

 ※現実には5月13日、報恩坊では布教講演は行われていない。あくまで、フィクションです。

 鈴木:「先輩、行きましょう」
 稲生:「ああ、うん。(登山事務所から遠くない?)」

 2人は登山事務所を出ると、北の方にある塔中坊に向かった。

[同日11:20.天候:晴 大石寺・報恩坊]

 

 稲生:「えーと……。ここだな」
 鈴木:「奉安堂から近いですね」
 稲生:「うん、まあね。それにしても、広い境内だ」
 鈴木:「これでも広宣流布が来たら、手狭になるんですよね」
 稲生:「らしいね。広宣流布後の大石寺がどんなものなのか、それは想像つかないけど……」
 鈴木:「夏と冬のコミケ会場に行けば、だいたい分かりますよ。きっと、あんな感じなんだなって」
 稲生:「コミケか!さすがにコスプレして、大御本尊様の前には出れないよ?」
 鈴木:「先輩、あくまでもコスプレはサブであって、メインではないですからね?」

 とはいえ、今の鈴木の発言はコスプレイヤーの半分を敵に回す発言でもある。
 が、それに反論すると、今度は薄い本メインの参加者の反感を買うという……。

 鈴木:「塔中坊では漏れなく正座形式なんですね。末寺だと椅子席が半分くらいありますけど……」
 稲生:「そうみたいだね」

 元顕の2人は正座には慣れているが、鈴木だけ何だか煌びやかな正座椅子を使っている。
 これも顕正会時代から使っているものだという。

 進行係:「それでは御題目三唱を致します」

 布教講演が始まる前、奉安堂に向かって御題目三唱をする。
 大広間で行われると、実質的に報恩坊の本堂にも向かって三唱することにもなる。

[同日12:00.天候:晴 大石寺・売店(仲見世商店街)]

 布教講演が終わると、鈴木は報恩坊にも御供養を置いて行った。

 稲生:「さすがは鈴木君だね」
 鈴木:「顕正会でもだいぶ金を使っていたんですよ。恥ずかしい話です」
 稲生:「結局は浅井ファミリーの生活費に消えるもんね。ここは違う」
 鈴木:「そうそう。昼飯、何食べます?」
 稲生:「まあ、やっぱり“なかみせ”だろう」

 平日なので登山者数は少なかったが、日本人よりも外国人の方が多い感じだ。
 それも、アジア系が。

 

 稲生:「やっぱこれだな」
 鈴木:「先輩、カレー好きなんですか?」
 稲生:「まあね。芙蓉茶寮のカレーも美味かったけど、これに匹敵するものがここにあった」
 鈴木:「芙蓉茶寮、確かに味は悪くなかったんですけどねぇ……。特盛なんか、『御飯が止まらなーい!』なんて言って、なかなか芙蓉茶寮から出なかったものです」
 稲生:「徳森茂雄さんですか。愛称、『特盛さん』。あの人も塔中坊所属なんですって?」
 鈴木:「そうなんですよ。彼女と一緒に御受誡したらしいんですが、一体どこの所属なんだか……」
 稲生:「妙観講?それともさっきの報恩坊?」
 鈴木:「いや、妙観講では無かったと思いますねぇ。あいつ、妙観講員にボコボコにされてましたから」
 稲生:「は!?」
 鈴木:「あ、いや何でも……。エリもエリで、『オメーラ、フザけんじゃねぇ!何が妙観講だ!ヒック!』なんて」
 稲生:「酔っぱらってたんかい!」

[同日12:45.天候:晴 大石寺・大日蓮出版販売所]

 昼食が終わった後で、同じ並びにある大日蓮出版の販売所に向かう。

 鈴木:「んー、これこれ。“妙教”と“大日蓮”。こういう機関誌もよく読んでおかないとですね」
 稲生:「僕は“大白法”と“慧妙”がせいぜいだなぁ……」
 鈴木:「先輩、“慧妙”読んでるんですか?」
 稲生:「一応ね。最近は顕正会に対する破折記事が多いから、そういった意味では“大白法”より使えるかもね」

 但し、顕正会の中では“慧妙”は日蓮正宗の機関紙というより、妙観講単体の機関紙というイメージが強い為(間違ってはいない)、受け取りを拒否られる場合もある。
 顕正新聞は押し付けて来るくせに……。

 鈴木:「六巻抄も買って行こう」
 稲生:「結構、勉強熱心なんだね?」
 鈴木:「顕正会には御書が無いでしょう?でも何故か六巻抄はありました」
 稲生:「あったね!」
 鈴木:「しょうがないので、それで教学の勉強をしていたつもりなんですが、日蓮正宗で出しているものも読んでみたかったんですよ。そして、顕正会との違いをここでも見出してみようかと思いまして」
 稲生:「なるほどね。破折に使えるってわけか」

 因みに頒価も同じであるが、それの意味するところは【お察しください】。

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1 コメント

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あとがき (雲羽百三)
2019-05-28 18:22:04
 もう1度書きますが、5月13日は作者の添書登山日であり、報恩坊にて布教講演は行われていないことは承知しています。これはあくまでも、フィクションです。
 最後の鈴木の行動と言動は、いおなずんさんのものを参考にしました。
 御協力ありがとうございます。
 但し、あの時は大日蓮出版販売所ではなかったですがw
 稲生は鈴木に引っ張って来れられた体ですので、少しテンションが低いですね。
 マリアが同行していたら、そうでもなかったのでしょうがw
 
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