報恩坊の怪しい偽作家!

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 実際のものとは異なります。

“私立探偵 愛原学” 「仕事一段落の週末」

2024-01-05 11:36:16 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[2月10日15時30分 天候:晴 東京都墨田区菊川2丁目 愛原学探偵事務所2階]

 リサ「ただいまぁ」

 リサが学校から帰って来た。

 愛原「お帰り。今日も無事だったな」
 リサ「わたしがいる限り、学校は平和」

 リサ、大きく頷く。

 高橋「恐怖政治だろ、どうせw」
 リサ「ム!

 バチッ

 高橋「いっでっ!」

 リサ、高橋に静電気を放つ。

 リサ「それより先生」
 愛原「何だ?」

 リサはスカートを捲り上げた。
 その下は緑色のブルマを穿いている。
 今日は体育でも、あったのだろうか。

 リサ「ブルマのここに、自分の名前入りの刺繍を入れるってアリかな?」

 リサはブルマのタグの下辺りを指さしながら言った。

 愛原「リサ、お前……」
 リサ「前にエレンが送って来たブルマがあったでしょ?あれ、エレンの名前が刺繍されてた。自分専用って感じがしていい。一応、聞いてみた」
 愛原「一応って何だよ?」
 リサ「先生の動画、履歴に『名前入り刺繍ブルマ』と『ブルマの名前の刺繍を入れてみた』とか色々あったから、興味あるかなぁと思って」
 高橋「先生……」
 パール「さっきから刺繍って、そういうことでしたか」
 愛原「ち、違ーう!!」
 リサ「先生、無理しなくていいんだよ」

 リサはニヤけた笑いを浮かべた。
 口元からは牙が覗いている。

 リサ「わたしもエレンのブルマを見て、『こういうのもアリか』って思ってたからね」
 愛原「そ、そうか……。それしても、どうして絵恋はそうしたんだろうな?」
 リサ「元々沖縄中央学園だと、ブルマやジャージに自分の名前……苗字入りの刺繍をすることになってたみたいだよ。今のジャージにもそうしてるって」

 愛原「そうなんだ」
 リサ「『しかもその方が、リサさんにあげたブルマ、私のだってすぐに分かるでしょお?』だって」
 愛原「あー、まあ確かに。それでリサも真似したくなったってわけだ」
 リサ「それと、先生が好きそうだからw」
 愛原「それはもういい!」
 高橋「あー……先生の御命令なら承りますよ」
 パール「わ、私も先生の御命令とあらば……。御嬢様からも、そのように言い付けられておりますし……」
 愛原「無理はしなくていいよ」
 高橋「いえ、大丈夫っス」
 パール「私もです。どうせ週末は、今のところ予定も無いですし」
 リサ「まずはこのブルマに刺繍入れて」
 高橋「洗ってからにしろ!」
 愛原「リサ。東京中央学園では、体操服に刺繍を入れないだろ?」
 リサ「入れないね」
 愛原「それは学校の体育で使っているものだろう?それなら、それに刺繍は止めといた方がいいんじゃないかな?」
 高橋「そ、そうか……」
 愛原「お前がプライベートで穿いているヤツにしとけよ」
 リサ「分かった」

 リサは大きく頷いた。

 愛原「悪いがリサの為だ。何とか頼めないか?」
 高橋「分かりました。先生の為です」
 パール「確かリサさんのブルマ、学校用以外だと3着くらいありましたか」
 愛原「紺色が2着、エンジが1着だな。サイズが合わなくなって穿かなくなったヤツは除いていいぞ」
 高橋「分かりました」
 愛原「ということでいいな、リサ?」
 リサ「うん!」
 愛原「悪いけど、明日空いてる時間でよろしく」
 高橋「了解です」

 その時、玄関のインターホンが鳴った。
 パールが応対する。

 パール「はい。愛原学探偵事務所です」
 郵便配達員「郵便です。レターパック1通お願いします」
 パール「少々お待ちください」
 高橋「俺が行ってくるよ」
 パール「あ、そう」
 愛原「リサも部屋に戻ったら?テスト勉強しないといけないだろ?」
 リサ「そうだった」

 高橋とリサは、一緒に階段の方に向かった。
 高橋は1階に下りたし、リサは4階まで上っただろうか。

 高橋「先生……」

 しばらくして、高橋が戻って来た。
 手には、受け取りの際に受領印を必要とする赤いレターパックプラスがある。

 愛原「どうした?」
 高橋「何かこれ……。差出人が先生の伯父さんになってるんスけど……」
 愛原「は?!」

 私は高橋からレターパックを受け取った。
 宛先この事務所の私宛。
 そして、差出人は確かに公一伯父さんになっていた。
 しかも、手書きである。

 愛原「ま、マジか!」

 私はすぐに善場主任に電話を掛けた。
 この時間なら、まだデイライトは就業時間中だからである。

 善場「はい、善場です」
 愛原「善場主任、愛原です」

 私は今しがた、公一伯父さんからレターパックが届いたことを伝えた。

 善場「本当ですか!?すぐ、そちらに伺います!まだ、開封はしないでください!」

 とのことだった。

[同日16時30分 天候:晴 愛原学探偵事務所2階]

 そろそろ外も暗くなろうかという時、善場主任がやってきた。
 防犯カメラを見ると、1階のガレージに黒塗りのアルファードが入庫してきたのが分かった。

 善場「愛原所長、善場です」
 愛原「はい、どうぞ。エレベーターで上がってきてください」

 善場主任が単独でエレベーターに乗って来た。
 そして、2階の事務所にやってくる。

 善場「所長、レターパックというのは?」
 愛原「これです!」

 私は主任にレターパックを渡した。
 まずは表面を見る。

 善場「手書きですか。これは容疑者の字で間違い無いですか?」
 愛原「恐らくは……。実はあまり、伯父さんの筆跡をあまり見たことがなくて……。伯母さんなら、よく分かるかもしれません」
 善場「分かりました。それでは、開封しても宜しいですか?」
 愛原「どうぞ。一応、品名はSDカードとありますね」
 善場「恐らく、何かの画像もしくは動画データを送って来たのでしょう」

 善場主任はレターパックを開封した。
 中にはプチプチで梱包されたSDカードが入っていた。
 すぐに私が事務所のパソコンで、その中身を確認するることにした。
 そこにあったのは、動画だった。
 何の動画だったかというと……。

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