報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
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 実際のものとは異なります。

“新アンドロイドマスター” 「ボーカロイド・フェスタ」

2015-10-30 15:29:08 | アンドロイドマスターシリーズ
[9月18日20:30.天候:晴 東北新幹線“やまびこ”197号10号車内 MEGAbyte(結月ゆかり、Lily、未夢)]

〔「……東北新幹線“やまびこ”197号、仙台行きと山形新幹線“つばさ”197号、山形行きです。次は、福島に止まります」〕

 “ボカロ・フェス”に参加する為、新幹線で移動する敷島エージェンシーのボカロ達。
 初音ミクなどの売れっ子達は9号車のグリーン車だが、まだ新人ユニットの3人は普通車である。

 大宮駅を発車直後、この3人ユニットに井辺無事の報がもたらされた。
 3人に搭載された通信機器を通して、敷島から直接伝えられたのと、

『虚構新聞ニュース 国際ロボット・テロ組織KR団の総帥エリオット・フォン・スミス容疑者を宮城県で逮捕。東京都内で誘拐された芸能プロデューサーも救出された』

 というニュースが車内の電光表示板で流れた。
「良かったですぅ……プロデューサー……」
 ゆかりは涙を流して喜んだ。
「ダメだよ、ここで泣いちゃ……」
 Lilyがゆかりの肩を抱いた。
 だが、いつもはクールなLilyも目に涙を浮かべている。
「でも、あいにくと“ボカロ・フェス”には来られないかもね」
 未夢はユニットの年長者らしく、もう少し冷静だった。
「社長の話では病院に運ばれて、色々と検査とかもしなきゃいけないわけだから……。本当は来てもらいたいんだけど……」
 すると、ゆかりは涙を拭いて答えた。
「いいんです。プロデューサーさんが無事なら、それで……」
「だけど、よくあんなテロ組織の総帥の所に拉致されて無事だったよねぇ……」
 と、Lily。
「社長なら普通に無双してそうだけど、まさかプロデューサーも?」
「意外とそうかもね」

 KR団総帥エリオット・フォン・スミス。病院に搬送されるものの、3時間後に死亡が確定。死因、バージョン3.0の転倒による圧死。致命傷、多臓器の破裂……。

[9月19日14:00.宮城県宮城郡利府町・セキスイハイムスーパーアリーナ 一海と井辺翔太を除く敷島エージェンシーの面々]

「いよいよこれから『ボカロ・フェス』が行われる。色々と紆余曲折あったわけだけども、これから3日間、全力で頑張ってほしい。キミ達の調整は既に万全だ。プログラム通りに動けば、ほぼ完ぺきにこなせるようになっている」
 敷島は所属するボカロ達を前に話を始めた。
「本来ならここに井辺君という優秀なプロデューサーがいるはずなんだけども、皆も知っての通り、彼は今、病院で検査入院中だ。ここに来られないのは残念だけども、その代わり、ビデオレターを預かっている」
「ええっ!?」
 敷島の最後の言葉にざわつくボカロ達。
「シンディ」
「はい」
 シンディは控室内にあるテレビとDVDデッキを引っ張り出すと、それでDVDを再生させた。

〔「えー、皆さん。この度は大変、ご心配とご迷惑をお掛けしました。私はおかげさまで、この通り、無事です。……」〕

 病室で撮影された井辺が映し出される。
「プロデューサーさん……」
「はい」
 また泣き出しそうになるゆかりに、ミクがティッシュを渡した。
「ありがとうございます……」

[同日16:00.同場所・バックヤード 敷島孝夫&3号機のシンディ]

 ステージは予定通りに始まった。
 他にボカロを抱える芸能事務所との共同ライブなので、トップバッターは違う事務所のボカロだったが。
 敷島は電話片手に、鷲田警視とのやり取り。
{「キミの所のロボットの映像を見たが、マシンガンを撃ち過ぎだ。全く。おかげでこっちは大事な被疑者が死んだんだぞ」}
「ああでもしないと、うちの社員が殺されるところだったんですよ。だいたい、階段を転げ落ちたのは、うちのシンディのせいじゃないでしょう?」
{「押収した妖精型のロボットだが、もう少し預かることになりそうだ」}
「何かやってました?」
{「今のところは何も。だが、動力などがさっぱり分からん。どうして今まで、あんなロボットが存在しなかったんだ?」}
「体が小さ過ぎて、逆に難しいんだそうですよ。だからエミリーやシンディなど、大きなモデル体型みたいになってるでしょう?」
 アルエットがマルチタイプでロリ化小型化・軽量化に成功していることで、学界では大騒ぎだったのはその為。
{「誰が製作したのかの解析を進めているが、井辺氏から情報は取らせてもらえないか?」}
「大丈夫なんじゃないですか?彼も結構したたかなもので、研究施設から記憶媒体いくつか持ち出してるみたいですから」
{「なにぃっ!?何故それを早く言わんのだ、バカモノ!!」}
「……どのお巡りさんも、事情聴取しに来ないんですもの……」
 敷島は唇を尖らせて答えた。
 とは言いつつも、
(コピーして平賀先生達に流してたから。てへてへw)
 が、正直な答えだったようである。

 そんなこんなで1日目、2日目ともイベントは成功した。

[9月21日10:00.JR仙台駅在来線ホーム ???]

〔本日もJR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございます。1番線に停車中の列車は、10時5分発、普通、利府行きです。発車まで、しばらくお待ちください〕

 かつては寝台特急“北斗星”などが停車していたホーム。
 長大編成の列車に合わせ、ホームもその長さに合わせているのだが、それが実に勿体ないほどに短い編成の電車がポツンと停車している。
 その電車に、1人の男が乗り込んだ。

〔「ご案内致します。この電車は10時5分発、東北線下り、普通列車の利府行きです。東仙台、岩切、新利府、終点利府の順に止まります。松島、小牛田(こごた)方面には参りませんので、ご注意ください。……」〕

 たった2両の電車に乗り込んだ男は、詰めれば10人以上は座れる長い座席に腰掛けた。
 ダイヤは乱れていないので、定刻通りに発車し、定刻通りに到着できるだろう。

[同日10:45.セキスイハイムスーパーアリーナ 一海を除く敷島エージェンシーの面々]

「ホームへ降りてく〜♪人の織り成す波に〜♪ただ1人♪浮かんでたあのコ♪……」
 巡音ルカがソロで歌う持ち歌の調整をしている。
 と、
「すいません、敷島エージェンシーの控室はこちらでよろしかったですか、巡音ルカさん?」
「えっ?……ああっ、井辺プロデューサー!?隣の部屋です」
「どうも」
「あっ、てか……井辺プロデューサー?今日一杯まで、入院だったのでは?」
「先生に無理してお願いして、何とか外出許可だけでもらいました。おかげさまで、明日の午後に退院が伸びそうですが……」
「ええっ?」
 ルカの案内で控室に入る井辺。
「みんな!井辺プロデューサーが来られたわよ!」
 クールなルカが、ライブ以外で珍しく大声を上げた。
「ぶっ!」
 オイルを経口補給していた鏡音リンはびっくりして吹いたし、口腔内を整備していたKAITOはドライバーを咥えたまま走って来た。
「プロデューサーさん!」
 1番驚いたのはMEGAbyteの3人。
「皆さん、大変なご心配とご迷惑をおかけしました。せめてライブの最終日はこの目で見たいとの思いで、何とかやってきた次第です。私は……」
「あの、プロデューサー」
 そこへMEIKOが話の腰を負った。
「何ですか?」
「因みにプロデューサーがここに来るって話、社長は知ってるの?」
「いえ。社長とは連絡が付かなかったので……」
「て、ことは……」

 バンッ!とドアがいきなり開けられる。
 右手をマシンガンに換装したシンディが飛び込んで来た。
「そこまでだ!侵入者!!」
「わーっ!侵入者じゃありません!プロデューサーさんですぅ!!」
「シンディ、違うから!」
「銃を下ろしてくださいぃぃぃぃっ!」
 ゆかりとルカ、ミクで取り押さえる。
「なまじっかセキュリティ強化し過ぎると、こうなるのよねぇ……」
 MEIKOはちらっと井辺を見ながら言った。
「申し訳、ありません」
 井辺は右手を頭にやった。

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2 コメント

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つぶやき (作者)
2015-10-30 18:42:00
 山門入り口さんが顕正会員との攻防戦を繰り広げられているが、悉く山門入り口さんに破折されている。

 いいぞ!もっとやれ!

 ……しかし、バリバリの顕正会員だった頃の私も、さすがに山門入り口さんにはケンカ売らないなぁ……。
 もし件の顕正会員が体験発表するなら、色々と捏造したりすることだろう。
『不敬にも浅井先生に対し、誹謗中傷を繰り返す有り様で、この罪障は海よりも深く……』(誇張)とか、『功徳は頂くものではないと、耳を疑う発言をしたのです』(改竄)とか、『正本堂における宗門の過ちを全く反省しないその態度には、正直身震いを禁じ得ませんでした』(誤魔化し)とか書きそうだ。
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つぶやき 2 (作者)
2015-10-30 19:27:44
 ポリ銀さんのブログでは在日朝鮮人に対する記事がブームとなっているが、もしかしたらケンショー・ブルーもそんな気がしてきた。
 ケンショーレンジャーはポテンヒットさんの発案だが、どうもブルーの性格がそれっぽいのだ。
「ああっ!?」って、火病だよね?
 同じエロキャラなのに、グリーンとの違いも凄い。
 恐らくグリーンは生粋の日本人なのだろう。
 それと比べれると、どうもサトーのあれは……。

 新潟もだいぶ在日の多い地域だと聞く。
 何しろ、かつては万景峰号の入港地だったくらいだ。
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