[7月2日18:30.天候:晴 静岡県富士宮市ひばりヶ丘 富士急静岡バス富士宮営業所]
(富士急静岡バス“やきそばエクスプレス”。UDトラックス・スペースアロー。撮影場所、大石寺第二ターミナル)
営業所前のバス停に1台の高速バスがやってくる。
富士宮市から東京へ向かう最終便である。
運転手が降りてきて、床下の荷物室のドアを開けた。
稲生:「すいませーん、荷物お願いします」
運転手:「はい、お預かりします」
乗車券を運転手に渡すと、JRバス時代は改札挟を模したスタンプだったが、富士急では『済』と書かれたハンコが押されるだけである。
予約制なので、運転手は乗客名簿を兼ねた座席表を持っている。
後になってからの予約だったのかどうかは不明だが、後ろの席が指定されていた。
3人で乗り込む。
営業所からの乗客は疎らだった。
イリーナ:「じゃ、センセは寝てるね。着いたら起こして」
稲生:「はい」
グイイイとイリーナは稲生達の前の席をリクライニングした。
マリア:「前の席をリクライニングさせなくする『ニーガード』というのがあるそうなんだけど、これを師匠に使ったらどうなるだろう?」
稲生:「そもそもバスが出発できなくなりますのでやめてください」
マリア:「分かった」
バスは数人の乗客を乗せて、次の停車場所である富士宮駅に向かった。
他の季節ならもう暗い時間であるが、夏場の今はまだ少し明るい。
営業所の前の狭い道を潜り抜けて、坂道を下りる。
その道すがら、右手には浅間大社が見えてくる。
また、最前列(特に1A席か1B席)に座ると、その坂の向こうの富士宮市街の夜景がかなり綺麗に見える。
大石寺の境内からでも一応夜景が見えないことも無いが、この辺は遮る物が無い上、更に街に近いということもあって、より鮮明に見えるのである。
稲生:「両親には夜に到着する旨、伝えてあります」
マリア:「いつも申し訳無いな」
稲生:「いえいえ。『宿泊代』として、先生の予知・予言がありますから」
イリーナ:「んん……それじゃ、今度はロト7の予想でもしようかねぇ……」
マリア:「師匠。ロト7の当選は、私達の生活費に使うのでは?」
イリーナ:「いや、そんな高くは要らないでしょ。稲生君がこっそり買ったミニロトの当選金で十分さね」
マリア:「は!?」
稲生:「すす、すいません……。この前のお使いの時に買っちゃいました……」
イリーナ:「うんうん。稲生君の予知能力も、少しずつ高まって来ているようだねぇ……」
マリア:「それ、当たるのか?……当たるんですか、師匠?」
イリーナ:「クカー……」
マリア:「いや、都合良く寝るなっての!」
[同日18:50.天候:晴 同市内・国道139号線上]
バスは富士宮市内全ての停留所に停車した。
次は最後の乗車場所である東名富士である。
その間はずっと国道139号線を突き進む。
途中、西富士道路を走ることになる。
これは国道139号線のバイパスで、2012年3月31日までは有料道路だった。
そういうこともあってか、並行する旧道も国道指定のままであったが、同年4月1日より無料開放されてからは、国道指定はこちらのバイパスに統一され、旧道は県道に降格されている。
とはいうものの自動車専用道路であることに変わりは無く、歩行者等の立ち入りはできない。
また、一部区間を除いて時速80キロ制限という点も変わっていない。
尚、タクシーでここを通る際、運転手は料金メーターを『高速』に切り替える。
高速道路に入った際に使用するもので、時間制がカットされ、距離制のみとなるものである。
一般道なら渋滞にハマっても抜け道を利用するなどの手があるが、高速道路ではそうはいかない。
また、高速料金は乗客負担なのだから、渋滞による時間料金加算はサービスしようという趣旨である。
この慣習は西富士道路が無料化されても続けられているようで、どこでまた通常または深夜帯だったら割増に切り替えるかは運転手の判断らしい。
当バイパスを抜けて、最初の赤信号などで止まった際に切り替える運転手もいる。
厳密に言えばバイパスを抜けた時点ですぐに切り替えなければならないが、表向きは『運転中に操作すると危ないから』ということになっている。
稲生はバスを追い抜いて行ったタクシーを見ながら、そんなことを考えていた。
それより稲生が思い出すのは西富士道路カーチェイス事件である。
ケンショーレンジャーが戦闘員(顕正会男子部調査室員)を使った正証寺支部登山妨害事件のことであるが、漁夫の利を得た“フェイク”と創価新報が大変喜んだ事件であるから、割愛しておこう。
『日顕宗と顕正会の醜い争い!』『修羅道サトーと畜生道坊主の悪道ぶり!』『西富士道路を半日通行止めにさせた迷惑集団!』なんて……。
[同日19:40.天候:晴 静岡県御殿場市深沢 足柄サービスエリア]
東名富士バス停で、だいたい窓側席が全部埋まり、稲生達のようなグループ客が通路側にも座るといったくらいの乗客数でバスは東名高速に入った。
最初は何も無い真っ暗な道路を進むといった感じだったが、しばらく走ってバスは唯一の休憩箇所に入った。
日本でも指折りの大規模サービスエリアで、入浴・宿泊施設まである。
が、高速バスは10分だけ休憩。
路線バス停車帯は他のJRバスなどで埋まっていた為、本当のバス専用駐車場に駐車する。
もっとも、上り線の場合はむしろこっちに止めてくれた方がトイレの場所が近かったりする。
稲生:「どれ、ちょっと降りてみますか」
マリア:「私も行く」
稲生:「先生は……」
イリーナ:「ZZZ……」
マリア:「邪魔してやるな」
稲生:「そ、そうですね」
稲生とマリアは他の乗客と一緒にバスを降りた。
運転手は降りる乗客の数を数えていた。
そうすることで、後で戻って来る数と照合する為である。
カチカチとカウンターを押していた。が!
ミク人形:「バイバイ」
ハク人形:「バイバイ」
運転手:「はいはい」
カチッ、カチッ!(いつもの調子でカウンターを押す)
運転手:「ん!?」
そこで異変に気付いた運転手。
稲生:「こら、勝手に降りたらダメだよ!」
マリア:「ユウタの方がトイレ先に出るだろう?このコ達にアイス買ってやって」
稲生:「この期に及んで……」
列車の車販だけでなく、高速道路のサービスエリアで売っているアイスクリームもマイブームになりつつあるミク人形とハク人形だった。
(富士急静岡バス“やきそばエクスプレス”。UDトラックス・スペースアロー。撮影場所、大石寺第二ターミナル)
営業所前のバス停に1台の高速バスがやってくる。
富士宮市から東京へ向かう最終便である。
運転手が降りてきて、床下の荷物室のドアを開けた。
稲生:「すいませーん、荷物お願いします」
運転手:「はい、お預かりします」
乗車券を運転手に渡すと、JRバス時代は改札挟を模したスタンプだったが、富士急では『済』と書かれたハンコが押されるだけである。
予約制なので、運転手は乗客名簿を兼ねた座席表を持っている。
後になってからの予約だったのかどうかは不明だが、後ろの席が指定されていた。
3人で乗り込む。
営業所からの乗客は疎らだった。
イリーナ:「じゃ、センセは寝てるね。着いたら起こして」
稲生:「はい」
グイイイとイリーナは稲生達の前の席をリクライニングした。
マリア:「前の席をリクライニングさせなくする『ニーガード』というのがあるそうなんだけど、これを師匠に使ったらどうなるだろう?」
稲生:「そもそもバスが出発できなくなりますのでやめてください」
マリア:「分かった」
バスは数人の乗客を乗せて、次の停車場所である富士宮駅に向かった。
他の季節ならもう暗い時間であるが、夏場の今はまだ少し明るい。
営業所の前の狭い道を潜り抜けて、坂道を下りる。
その道すがら、右手には浅間大社が見えてくる。
また、最前列(特に1A席か1B席)に座ると、その坂の向こうの富士宮市街の夜景がかなり綺麗に見える。
大石寺の境内からでも一応夜景が見えないことも無いが、この辺は遮る物が無い上、更に街に近いということもあって、より鮮明に見えるのである。
稲生:「両親には夜に到着する旨、伝えてあります」
マリア:「いつも申し訳無いな」
稲生:「いえいえ。『宿泊代』として、先生の予知・予言がありますから」
イリーナ:「んん……それじゃ、今度はロト7の予想でもしようかねぇ……」
マリア:「師匠。ロト7の当選は、私達の生活費に使うのでは?」
イリーナ:「いや、そんな高くは要らないでしょ。稲生君がこっそり買ったミニロトの当選金で十分さね」
マリア:「は!?」
稲生:「すす、すいません……。この前のお使いの時に買っちゃいました……」
イリーナ:「うんうん。稲生君の予知能力も、少しずつ高まって来ているようだねぇ……」
マリア:「それ、当たるのか?……当たるんですか、師匠?」
イリーナ:「クカー……」
マリア:「いや、都合良く寝るなっての!」
[同日18:50.天候:晴 同市内・国道139号線上]
バスは富士宮市内全ての停留所に停車した。
次は最後の乗車場所である東名富士である。
その間はずっと国道139号線を突き進む。
途中、西富士道路を走ることになる。
これは国道139号線のバイパスで、2012年3月31日までは有料道路だった。
そういうこともあってか、並行する旧道も国道指定のままであったが、同年4月1日より無料開放されてからは、国道指定はこちらのバイパスに統一され、旧道は県道に降格されている。
とはいうものの自動車専用道路であることに変わりは無く、歩行者等の立ち入りはできない。
また、一部区間を除いて時速80キロ制限という点も変わっていない。
尚、タクシーでここを通る際、運転手は料金メーターを『高速』に切り替える。
高速道路に入った際に使用するもので、時間制がカットされ、距離制のみとなるものである。
一般道なら渋滞にハマっても抜け道を利用するなどの手があるが、高速道路ではそうはいかない。
また、高速料金は乗客負担なのだから、渋滞による時間料金加算はサービスしようという趣旨である。
この慣習は西富士道路が無料化されても続けられているようで、どこでまた通常または深夜帯だったら割増に切り替えるかは運転手の判断らしい。
当バイパスを抜けて、最初の赤信号などで止まった際に切り替える運転手もいる。
厳密に言えばバイパスを抜けた時点ですぐに切り替えなければならないが、表向きは『運転中に操作すると危ないから』ということになっている。
稲生はバスを追い抜いて行ったタクシーを見ながら、そんなことを考えていた。
それより稲生が思い出すのは西富士道路カーチェイス事件である。
ケンショーレンジャーが戦闘員(顕正会男子部調査室員)を使った正証寺支部登山妨害事件のことであるが、漁夫の利を得た“フェイク”と創価新報が大変喜んだ事件であるから、割愛しておこう。
『日顕宗と顕正会の醜い争い!』『修羅道サトーと畜生道坊主の悪道ぶり!』『西富士道路を半日通行止めにさせた迷惑集団!』なんて……。
[同日19:40.天候:晴 静岡県御殿場市深沢 足柄サービスエリア]
東名富士バス停で、だいたい窓側席が全部埋まり、稲生達のようなグループ客が通路側にも座るといったくらいの乗客数でバスは東名高速に入った。
最初は何も無い真っ暗な道路を進むといった感じだったが、しばらく走ってバスは唯一の休憩箇所に入った。
日本でも指折りの大規模サービスエリアで、入浴・宿泊施設まである。
が、高速バスは10分だけ休憩。
路線バス停車帯は他のJRバスなどで埋まっていた為、本当のバス専用駐車場に駐車する。
もっとも、上り線の場合はむしろこっちに止めてくれた方がトイレの場所が近かったりする。
稲生:「どれ、ちょっと降りてみますか」
マリア:「私も行く」
稲生:「先生は……」
イリーナ:「ZZZ……」
マリア:「邪魔してやるな」
稲生:「そ、そうですね」
稲生とマリアは他の乗客と一緒にバスを降りた。
運転手は降りる乗客の数を数えていた。
そうすることで、後で戻って来る数と照合する為である。
カチカチとカウンターを押していた。が!
ミク人形:「バイバイ」
ハク人形:「バイバイ」
運転手:「はいはい」
カチッ、カチッ!(いつもの調子でカウンターを押す)
運転手:「ん!?」
そこで異変に気付いた運転手。
稲生:「こら、勝手に降りたらダメだよ!」
マリア:「ユウタの方がトイレ先に出るだろう?このコ達にアイス買ってやって」
稲生:「この期に及んで……」
列車の車販だけでなく、高速道路のサービスエリアで売っているアイスクリームもマイブームになりつつあるミク人形とハク人形だった。
御開扉終了の時点でヒュンダイ・ユニバースが投入されていれば、東京行き最終便に投入されることが無い。
エンジン音がうるさく、最前列席の横窓の眺望性の悪いユニバースはハズレ以外の何物でも無かった。
JRバスでは導入されていないので良かったが、それが撤退したのは大きな痛手だ。
日蓮仏法で説明するとどうなる?
過去世からの因果によるものだとか、ついに罪障が限界値を突破した為の罰だとなるか?
申し訳無いが、修羅河童の所業や氏んで欲しい自己愛連中を見ると、そのような気がしてならない。
例え修羅河童でも、日蓮仏法の1つの団体に所属しているという「だけ」であのように護られるというのなら、上記の日蓮仏法者の冷酷な思考は残念ながら正しいということになってしまう。
当作品の主要登場魔女、マリアンナは人間時代に壮絶な過去を経験をしたが、神に救いを求めても何のレスも無く、代わりに手を差し伸べて来たのが悪魔であった。
意外と人間に救いの手を差しのべてくれるのは、神でも仏でもなく悪魔なのかもしれない。
神の信者同士で戦争をしたり、神の名においてテロを起こしていることは多々あるが、悪魔信仰者同士で戦争したという話は聞かないし、テロ事件を起こしたという話も聞かない。
果たして、本当に神仏は世界に平和をもたらせるものなのかな?