[期日不明 時刻不明(夜) 天候:不明 ファンタジー世界スットン王国バッコン市郊外ダンジョン『蜘蛛の巣城』]
愛原「ペッペッ!蜘蛛の巣だらけじゃねーかよ!どこに『蜘蛛の女王』がいるんだよ!?」
すると、蜘蛛の巣だらけの洞窟の奥がボウッと光る。
蜘蛛の糸で織られたレースのカーテンの向こうには、戒律の厳しいイスラム圏の民族衣装を着た女性の姿が映った。
蜘蛛の女王「勇者マナブよ。後ろに気をつけなさい。私の『子供』が遊び相手を欲しています」
愛原「はぁ?」
私が後ろを振り向くと、タランチュラの化け物がこっちに向かって来ていた。
その大きさは、大型のダンプカーくらい。
愛原「おい、冗談じゃねーぞ!どういうことだ、これは!?」
蜘蛛の女王「時間をあげましょう。この間だけ……」
蜘蛛の女王は、テーブルの上に置いてある砂時計をひっくり返した。
砂時計が下に落ちている間、タランチュラの化け物は動きを止める。
但し、口はモゴモゴと動かしていたが。
愛原「マジかよ!」
銃があれば、撃ち殺してやることなど、造作も無いことだが。
綱渡りの如く、女王のいる空間へと足を進める。
ロープの下は奈落の底になっていて、ここからでも見えるほどの太い蜘蛛の糸が巨大な網をいくつも張られている。
そして、ここからでも見えるほどの大きさのジョロウグモだかコガネグモだかが、こちらに向かって前足を上げている。
こんな所から落ちたら、メスグモ達のエサになるのか……。
どうしてメスだと分かるかって?
ジョロウグモもコガネグモも、オスは黒一色の地味な色合いで、しかもメスより小さいのだ。
しかし、下にいる連中は全て警戒色の派手な色合いで、しかもデカい。
メスに決まっている。
クモ娘A「アタシお腹空いてるのォー!早くにこっちに来てー!」
クモ娘B「私の物よ!私だって何日も食べてないんだから!!」
愛原「え?」
下から人間の若い娘の声がした。
もう1度下を見ると、さっきのクモの化け物達が、何故か人間の姿をしていた。
但し、服装は警戒色の物を着ていて、牙は剥き出し、口から糸を吐いている。
愛原「萌え系になっとるーっ?!」
リサ「ダメ!先生はわたしが食べるんだから!!」
愛原「今、リサの声がしたぞ!?」
私が困惑していると、蜘蛛の女王が言って来た。
蜘蛛の女王「勇者よ。急がないと、タイムリミットですよ?」
いつの間にか、砂時計の砂がまもなく全て落ちる所だった。
愛原「でーっ!急がないと!」
私は上のロープと下のロープをつたって、女王のいる場所へ急いだ。
そうしているうちに、砂時計が切れ、タランチュラの化け物が追い掛けて来た。
愛原「つ、着いたーっ!」
私は蜘蛛の糸でできたカーテンを破った。
直後、タランチュラの化け物が追い付くが、カーテンより先には来られないらしい。
蜘蛛の女王「立ち去りなさい!」
女王に言われ、タランチュラの化け物はウジウジしながらも、元来た道を引き返して行った。
愛原「えーと……蜘蛛の女王ですね?……台本では、何て書いてあったっけ?」
蜘蛛の女王はブルカを脱いだ。
その下にあったのは……。
リサ「わたしとの結婚式だよ、先生?
」
愛原「り、リサぁ!?」
[期日不明 時刻不明 天候:不明 豪華客船“夢幻”号・医務室→カジノ]
愛原「……という夢を見たんです」
船医「それは大変でしたねぇ……」
気が付くと、私は病院の診察室のような所にいた。
私は患者用の丸椅子に座り、白衣を着た老齢の医師は診察机の前に座っている。
船医「お疲れのようですので、そちらの処置室のベッドでお休みになって大丈夫ですよ」
愛原「い、いや、ここも夢の中でしょう?ここはどこですか?」
船医「夢幻号の医務室ですよ」
愛原「夢幻号?また戻ってきちゃったのか……」
よく見ると、医師の顔は青白く、青い火の玉がいくつか飛んでいる。
愛原「ここに、私のようにまだ生きている人間は来ませんでしたか?80代くらいの男性で、眼鏡を掛けていますが……」
船医「来ましたよ。腰が痛いので、湿布を求めて来ましたが……」
愛原「湿布程度で済むとは、元気な爺さんだ」
船医「全く。羨ましい限りです。そこのカジノで遊ぶ余裕があったようですから」
愛原「カジノ!?カジノなんてあるんですか!?」
船医「ええ」
愛原「あー、まあ、豪華客船なんだからカジノくらいあるか。ありがとうございます。失礼します」
船医「あっ、ちょっと待って」
愛原「えっ?」
船医「外には恐ろしいモノがいます。私は奥の処置室にいますので、それからにしてください」
愛原「お、恐ろしいモノ?」
船医は椅子から立ち上がると、診察室隣の処置室へと移動した。
い、一体、何がいるというのだろう?
こんな時、銃が無いと不安だな。
いや、まあ、幽霊相手に銃は効かないか……。
私は恐る恐る医務室のドアを開けてみた。
その先の廊下は暗かった。
なるほど、これは幽霊がいてもおかしくない。
しかし、幽霊が幽霊を怖がるとは……。
悪霊「うふふふふ……あはははは……」
来たな!
廊下の向こうには、イブニングドレスを着た女性の悪霊がいた。
悪霊だと分かったのは、船長や船医の幽霊と違い、火の玉が赤かったからだ。
船橋エリアに現れたのは少女の悪霊だったが、こっちは成人女性の悪霊だ。
急いでスイッチを探さなければ!
愛原「あった!」
私はスイッチを入れた。
パッと廊下の照明が点く。
悪霊は憎々しそうな顔をしながら消えていった。
愛原「よしよし。本当に明かりに弱いんだな」
この廊下沿いに、カジノの入口があった。
ドアの所には、『OPEN』と書かれている。
私はカジノに入ろうとした。
愛原「ん?」
その時、パチッパチッ!と、何かが弾ける音がした。
その方向に目をやると、先ほどの照明スイッチから火花が出ていた。
ま、まさか、ショートしたのか!?
そのまさかのようで、ボンッという爆発音がしたかと思うと、再び廊下が停電した。
と、いうことは……。
悪霊「うふふふふふ……あははははは!!」
再び悪霊が現れた。
今度は私のすぐ背後に!
冷たい手が私の首に触れたと同時に、私はカジノ入口のドアを開け、そこに飛び込んだ!
愛原「ペッペッ!蜘蛛の巣だらけじゃねーかよ!どこに『蜘蛛の女王』がいるんだよ!?」
すると、蜘蛛の巣だらけの洞窟の奥がボウッと光る。
蜘蛛の糸で織られたレースのカーテンの向こうには、戒律の厳しいイスラム圏の民族衣装を着た女性の姿が映った。
蜘蛛の女王「勇者マナブよ。後ろに気をつけなさい。私の『子供』が遊び相手を欲しています」
愛原「はぁ?」
私が後ろを振り向くと、タランチュラの化け物がこっちに向かって来ていた。
その大きさは、大型のダンプカーくらい。
愛原「おい、冗談じゃねーぞ!どういうことだ、これは!?」
蜘蛛の女王「時間をあげましょう。この間だけ……」
蜘蛛の女王は、テーブルの上に置いてある砂時計をひっくり返した。
砂時計が下に落ちている間、タランチュラの化け物は動きを止める。
但し、口はモゴモゴと動かしていたが。
愛原「マジかよ!」
銃があれば、撃ち殺してやることなど、造作も無いことだが。
綱渡りの如く、女王のいる空間へと足を進める。
ロープの下は奈落の底になっていて、ここからでも見えるほどの太い蜘蛛の糸が巨大な網をいくつも張られている。
そして、ここからでも見えるほどの大きさのジョロウグモだかコガネグモだかが、こちらに向かって前足を上げている。
こんな所から落ちたら、メスグモ達のエサになるのか……。
どうしてメスだと分かるかって?
ジョロウグモもコガネグモも、オスは黒一色の地味な色合いで、しかもメスより小さいのだ。
しかし、下にいる連中は全て警戒色の派手な色合いで、しかもデカい。
メスに決まっている。
クモ娘A「アタシお腹空いてるのォー!早くにこっちに来てー!」
クモ娘B「私の物よ!私だって何日も食べてないんだから!!」
愛原「え?」
下から人間の若い娘の声がした。
もう1度下を見ると、さっきのクモの化け物達が、何故か人間の姿をしていた。
但し、服装は警戒色の物を着ていて、牙は剥き出し、口から糸を吐いている。
愛原「萌え系になっとるーっ?!」
リサ「ダメ!先生はわたしが食べるんだから!!」
愛原「今、リサの声がしたぞ!?」
私が困惑していると、蜘蛛の女王が言って来た。
蜘蛛の女王「勇者よ。急がないと、タイムリミットですよ?」
いつの間にか、砂時計の砂がまもなく全て落ちる所だった。
愛原「でーっ!急がないと!」
私は上のロープと下のロープをつたって、女王のいる場所へ急いだ。
そうしているうちに、砂時計が切れ、タランチュラの化け物が追い掛けて来た。
愛原「つ、着いたーっ!」
私は蜘蛛の糸でできたカーテンを破った。
直後、タランチュラの化け物が追い付くが、カーテンより先には来られないらしい。
蜘蛛の女王「立ち去りなさい!」
女王に言われ、タランチュラの化け物はウジウジしながらも、元来た道を引き返して行った。
愛原「えーと……蜘蛛の女王ですね?……台本では、何て書いてあったっけ?」
蜘蛛の女王はブルカを脱いだ。
その下にあったのは……。
リサ「わたしとの結婚式だよ、先生?

愛原「り、リサぁ!?」
[期日不明 時刻不明 天候:不明 豪華客船“夢幻”号・医務室→カジノ]
愛原「……という夢を見たんです」
船医「それは大変でしたねぇ……」
気が付くと、私は病院の診察室のような所にいた。
私は患者用の丸椅子に座り、白衣を着た老齢の医師は診察机の前に座っている。
船医「お疲れのようですので、そちらの処置室のベッドでお休みになって大丈夫ですよ」
愛原「い、いや、ここも夢の中でしょう?ここはどこですか?」
船医「夢幻号の医務室ですよ」
愛原「夢幻号?また戻ってきちゃったのか……」
よく見ると、医師の顔は青白く、青い火の玉がいくつか飛んでいる。
愛原「ここに、私のようにまだ生きている人間は来ませんでしたか?80代くらいの男性で、眼鏡を掛けていますが……」
船医「来ましたよ。腰が痛いので、湿布を求めて来ましたが……」
愛原「湿布程度で済むとは、元気な爺さんだ」
船医「全く。羨ましい限りです。そこのカジノで遊ぶ余裕があったようですから」
愛原「カジノ!?カジノなんてあるんですか!?」
船医「ええ」
愛原「あー、まあ、豪華客船なんだからカジノくらいあるか。ありがとうございます。失礼します」
船医「あっ、ちょっと待って」
愛原「えっ?」
船医「外には恐ろしいモノがいます。私は奥の処置室にいますので、それからにしてください」
愛原「お、恐ろしいモノ?」
船医は椅子から立ち上がると、診察室隣の処置室へと移動した。
い、一体、何がいるというのだろう?
こんな時、銃が無いと不安だな。
いや、まあ、幽霊相手に銃は効かないか……。
私は恐る恐る医務室のドアを開けてみた。
その先の廊下は暗かった。
なるほど、これは幽霊がいてもおかしくない。
しかし、幽霊が幽霊を怖がるとは……。
悪霊「うふふふふ……あはははは……」
来たな!
廊下の向こうには、イブニングドレスを着た女性の悪霊がいた。
悪霊だと分かったのは、船長や船医の幽霊と違い、火の玉が赤かったからだ。
船橋エリアに現れたのは少女の悪霊だったが、こっちは成人女性の悪霊だ。
急いでスイッチを探さなければ!
愛原「あった!」
私はスイッチを入れた。
パッと廊下の照明が点く。
悪霊は憎々しそうな顔をしながら消えていった。
愛原「よしよし。本当に明かりに弱いんだな」
この廊下沿いに、カジノの入口があった。
ドアの所には、『OPEN』と書かれている。
私はカジノに入ろうとした。
愛原「ん?」
その時、パチッパチッ!と、何かが弾ける音がした。
その方向に目をやると、先ほどの照明スイッチから火花が出ていた。
ま、まさか、ショートしたのか!?
そのまさかのようで、ボンッという爆発音がしたかと思うと、再び廊下が停電した。
と、いうことは……。
悪霊「うふふふふふ……あははははは!!」
再び悪霊が現れた。
今度は私のすぐ背後に!
冷たい手が私の首に触れたと同時に、私はカジノ入口のドアを開け、そこに飛び込んだ!