[1月20日12:00.天候:曇 千葉県銚子市 ニューグランドホテル犬吠・旧館1F→B1F]
2個目のメダルを台座に嵌め込むと、今度は鉄格子が開いた。
その先には扉があるが、鍵が掛かっている。
しかも鍵穴も閂も無い。
どうやら3個目のメダルを嵌めて、やっと扉が開く仕掛けのようだ。
高橋:「先生!」
エレベーターのドアをこじ開けて、そいつは姿を現した。
タイラント:「…………」
身長はざっと2mはある。
顔はまるで石膏像のように白く、眉毛などは生えていない。
ただ、灰色の瞳をこちらに向けるだけ。
表情も全く変えず、無表情のまま。
そして、一言も喋らない。
ドスッドスッと足音を立てて、私達の所へ歩いて来る。
愛原:「逃げるぞ高橋!」
高橋:「はい!」
私達はタイラントから逃げた。
奴は走って追い掛けて来ることは無かった。
ただ大股に歩いて向かって来る。
大柄な体と革靴から発せられる足音が不気味だ。
ゾンビと違うのは、奴らはドアをブチ破ることしかできないが、タイラントは鍵の掛かっていないドアは普通に開けて出入りできる知能は持ち合わせているということだ。
高橋:「先生、電気室はどこですか!?」
愛原:「さっきのトイレのもっと奥の階段だ!」
私は途中にある防火戸を閉めた。
トイレを探索する前、隙間風で何かの呻き声に聞こえたあの防火扉だ。
タイラント:「…………」
重厚な防火戸ではあったが、鍵は付いていない。
タイラントにとってはただの衝立程度のもので、片手で簡単に開けてきた。
だから、ほんの一瞬の足止めにしかならなかったわけだ。
愛原:「あっちだ」
高橋:「はい!」
大浴場に行く途中に非常階段があり、私達はその階段室に飛び込んだ。
普段使いはしていなかったのか、階段室側から内鍵を掛けられるようになっていた。
私達はその内鍵を閉めた。
そして、地下1階への階段を駆け下りた。
ガチャガチャ!……ドン!ドンドンドン!!
愛原:「ヤバい!タイラントがドアをブチ破ろうとしてる!」
高橋:「急いで電気室に!」
私達は電気室までやってきた。
しかし、ここも鍵が掛かっていた。
これもフロントで手に入れたマスターキーで解錠した。
そして中に入ると、また鍵を掛けた。
愛原:「よし、これでしばらくは大丈夫だろう」
タイラントは私達がここに入った所を見ていない。
高橋:「何で俺達を追うんですかね?」
愛原:「タイラントにとっては、俺達は侵入者だからな。それも、旧アンブレラの秘密施設を探そうって賊だ。そういう奴らがいたら殺せと命令されているんだろう。リサの方が上位種みたいだから、リサがいれば言う事聞かせられるんだがな」
高橋:「今更無理ですよ」
愛原:「まあな。とにかく、早いとこメダルを探そう」
高橋:「はい」
見取り図によると、メダルのある場所は……。
愛原:「自家発電機の上らしいな」
と、その時だった。
ドンドンドンと階段を駆け下りて来る足音が聞こえて来た。
高橋:「先生!」
愛原:「シッ!」
私は静かにドアの所へ移動した。
そして電気室内の電気を消す。
非常階段の僅かな非常灯の明かりだけが、うっすらとドアの隙間から差し込んでくるだけだ。
ガチャガチャガチャ!
愛原:「!!!」
高橋:「!!!」
ドンドンドン!!
愛原:「…………」
慌てるな。
ヤツにはここに入ったことを見られていない。
恐らく下から順に探すつもりなのだろう。
リサが前に言っていた。
タイラントは人の気配を敏感に感じ取って、その対象者をいつまでも追い掛けるのだと。
ということは、気配を消して、それを感じ取られなければ大丈夫だ。
すると、しばらくして階段を登る音が聞こえて来た。
どうやら助かったようだ。
私は再び室内の照明を点灯した。
愛原:「よし、上手いこと撒いたようだ」
高橋:「さすが先生です」
愛原:「“クロックタワー”シリーズの主人公になった気分だな。えーと……自家発電機はどこだ?」
高橋:「あれです、先生」
愛原:「おおっ」
しかし大きな発電機だ。
高さはタイラントくらい……いや、それより少し高いくらいだ。
愛原:「さて、どうやって上に上がる?」
高橋:「脚立がありました」
高橋が脚立を持って来た。
愛原:「やっぱり用意されていたか」
私は脚立を登って、自家発電機の上を見た。
愛原:「ああ、あった」
埃被っていたが、間違い無く今まで入手したメダルと同じものであった。
愛原:「よし。これであの隠し通路の仕掛けが解けるぞ!早いとこ戻ろう!」
高橋:「はい!」
高橋は電気室のドアをそっと開けて、外の様子を伺った。
高橋:「先生、大丈夫です。ヤツはいません」
愛原:「よし。まだ近くにいるかもしれないから、別のルートを通って行こう」
高橋:「別のルート?」
愛原:「2階から行くんだ」
私達は非常階段を2階に向かって昇った。
途中、無残に壊された1階の階段室扉が踊り場に転がっていた。
一応試しに、その階段室から1階の廊下を覗いてみる。
愛原:「!!!」
そして、すぐに顔を引っ込めた。
高橋:「どうしました!?」
愛原:「タイラントの後ろ姿だよ」
高橋:「マジっスか!」
やはりタイラントは1階にいたようだ。
どうやら私の『2階から行った方が良い作戦』は利口のようだな。
どうして2階から行こうとしたのかというと、あのエントランスホールには2階に上がる吹き抜け階段があったからだ。
つまり、2階から行ってあの吹き抜け階段を下りても良いということだな。
私達は2階に出ると、そこからエントランスホールに向かった。
2階は1階や5階よりも荒れていて、あちこちガラスが割れ、その破片が散乱していた。
こっちは靴を履いているから、それを踏んだくらいでケガすることは無いのだが、踏むとどうしてもガラスがパリッと割れ、それをタイラントが聞きつけて追い掛け来そうな恐怖感があった。
愛原:「あっ!」
そしてエントランスホールまで来た時、私は絶望した。
高橋:「マジかよ……」
何があったと思う?
1:タイラントが待ち構えていた。
2:ゾンビが5〜6匹ほど徘徊していた。
3:別のクリーチャーが待ち構えていた。
4:彫像が倒れていた。
2個目のメダルを台座に嵌め込むと、今度は鉄格子が開いた。
その先には扉があるが、鍵が掛かっている。
しかも鍵穴も閂も無い。
どうやら3個目のメダルを嵌めて、やっと扉が開く仕掛けのようだ。
高橋:「先生!」
エレベーターのドアをこじ開けて、そいつは姿を現した。
タイラント:「…………」
身長はざっと2mはある。
顔はまるで石膏像のように白く、眉毛などは生えていない。
ただ、灰色の瞳をこちらに向けるだけ。
表情も全く変えず、無表情のまま。
そして、一言も喋らない。
ドスッドスッと足音を立てて、私達の所へ歩いて来る。
愛原:「逃げるぞ高橋!」
高橋:「はい!」
私達はタイラントから逃げた。
奴は走って追い掛けて来ることは無かった。
ただ大股に歩いて向かって来る。
大柄な体と革靴から発せられる足音が不気味だ。
ゾンビと違うのは、奴らはドアをブチ破ることしかできないが、タイラントは鍵の掛かっていないドアは普通に開けて出入りできる知能は持ち合わせているということだ。
高橋:「先生、電気室はどこですか!?」
愛原:「さっきのトイレのもっと奥の階段だ!」
私は途中にある防火戸を閉めた。
トイレを探索する前、隙間風で何かの呻き声に聞こえたあの防火扉だ。
タイラント:「…………」
重厚な防火戸ではあったが、鍵は付いていない。
タイラントにとってはただの衝立程度のもので、片手で簡単に開けてきた。
だから、ほんの一瞬の足止めにしかならなかったわけだ。
愛原:「あっちだ」
高橋:「はい!」
大浴場に行く途中に非常階段があり、私達はその階段室に飛び込んだ。
普段使いはしていなかったのか、階段室側から内鍵を掛けられるようになっていた。
私達はその内鍵を閉めた。
そして、地下1階への階段を駆け下りた。
ガチャガチャ!……ドン!ドンドンドン!!
愛原:「ヤバい!タイラントがドアをブチ破ろうとしてる!」
高橋:「急いで電気室に!」
私達は電気室までやってきた。
しかし、ここも鍵が掛かっていた。
これもフロントで手に入れたマスターキーで解錠した。
そして中に入ると、また鍵を掛けた。
愛原:「よし、これでしばらくは大丈夫だろう」
タイラントは私達がここに入った所を見ていない。
高橋:「何で俺達を追うんですかね?」
愛原:「タイラントにとっては、俺達は侵入者だからな。それも、旧アンブレラの秘密施設を探そうって賊だ。そういう奴らがいたら殺せと命令されているんだろう。リサの方が上位種みたいだから、リサがいれば言う事聞かせられるんだがな」
高橋:「今更無理ですよ」
愛原:「まあな。とにかく、早いとこメダルを探そう」
高橋:「はい」
見取り図によると、メダルのある場所は……。
愛原:「自家発電機の上らしいな」
と、その時だった。
ドンドンドンと階段を駆け下りて来る足音が聞こえて来た。
高橋:「先生!」
愛原:「シッ!」
私は静かにドアの所へ移動した。
そして電気室内の電気を消す。
非常階段の僅かな非常灯の明かりだけが、うっすらとドアの隙間から差し込んでくるだけだ。
ガチャガチャガチャ!
愛原:「!!!」
高橋:「!!!」
ドンドンドン!!
愛原:「…………」
慌てるな。
ヤツにはここに入ったことを見られていない。
恐らく下から順に探すつもりなのだろう。
リサが前に言っていた。
タイラントは人の気配を敏感に感じ取って、その対象者をいつまでも追い掛けるのだと。
ということは、気配を消して、それを感じ取られなければ大丈夫だ。
すると、しばらくして階段を登る音が聞こえて来た。
どうやら助かったようだ。
私は再び室内の照明を点灯した。
愛原:「よし、上手いこと撒いたようだ」
高橋:「さすが先生です」
愛原:「“クロックタワー”シリーズの主人公になった気分だな。えーと……自家発電機はどこだ?」
高橋:「あれです、先生」
愛原:「おおっ」
しかし大きな発電機だ。
高さはタイラントくらい……いや、それより少し高いくらいだ。
愛原:「さて、どうやって上に上がる?」
高橋:「脚立がありました」
高橋が脚立を持って来た。
愛原:「やっぱり用意されていたか」
私は脚立を登って、自家発電機の上を見た。
愛原:「ああ、あった」
埃被っていたが、間違い無く今まで入手したメダルと同じものであった。
愛原:「よし。これであの隠し通路の仕掛けが解けるぞ!早いとこ戻ろう!」
高橋:「はい!」
高橋は電気室のドアをそっと開けて、外の様子を伺った。
高橋:「先生、大丈夫です。ヤツはいません」
愛原:「よし。まだ近くにいるかもしれないから、別のルートを通って行こう」
高橋:「別のルート?」
愛原:「2階から行くんだ」
私達は非常階段を2階に向かって昇った。
途中、無残に壊された1階の階段室扉が踊り場に転がっていた。
一応試しに、その階段室から1階の廊下を覗いてみる。
愛原:「!!!」
そして、すぐに顔を引っ込めた。
高橋:「どうしました!?」
愛原:「タイラントの後ろ姿だよ」
高橋:「マジっスか!」
やはりタイラントは1階にいたようだ。
どうやら私の『2階から行った方が良い作戦』は利口のようだな。
どうして2階から行こうとしたのかというと、あのエントランスホールには2階に上がる吹き抜け階段があったからだ。
つまり、2階から行ってあの吹き抜け階段を下りても良いということだな。
私達は2階に出ると、そこからエントランスホールに向かった。
2階は1階や5階よりも荒れていて、あちこちガラスが割れ、その破片が散乱していた。
こっちは靴を履いているから、それを踏んだくらいでケガすることは無いのだが、踏むとどうしてもガラスがパリッと割れ、それをタイラントが聞きつけて追い掛け来そうな恐怖感があった。
愛原:「あっ!」
そしてエントランスホールまで来た時、私は絶望した。
高橋:「マジかよ……」
何があったと思う?
1:タイラントが待ち構えていた。
2:ゾンビが5〜6匹ほど徘徊していた。
3:別のクリーチャーが待ち構えていた。
4:彫像が倒れていた。