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俳人杉田久女(考)、旅行記&つれづれ記、お出かけ記など。

愛新覚羅社

2011年06月17日 | つれづれ

5月19日のブログ記事でふれた、愛新覚羅社についてもう少し書いてみようと思います。

愛新覚羅社は下関市綾羅木本町の中山神社の敷地内にあります。このお社に祀られているのは、元満州国皇帝の弟の愛新覚羅溥傑氏とその妻の浩夫人、長女の慧生さんです。妻の浩夫人は嵯峨侯爵家出身で中山神社は嵯峨家ゆかりの神社という縁で、お三人がこのお社に祀られているのだそうです。

Photo 愛新覚羅社>

ご夫妻の事は7、8年前にTVドラマ「流転の王妃・最後の皇弟」が、竹野内 豊、常盤貴子主演で放送され、話題を呼んだので憶えていらっしゃる方も多いと思います。

Photo_2<ご夫妻婚礼写真>

日満親善の美名のもと、、日本の軍部の仕組んだ政略結婚により結ばれたご夫妻ですが、日本の敗戦で満州国崩壊、溥傑氏は中国で監獄へ、浩夫人は一年以上の流転の末に日本に帰国され、離れ離れに。お二人が再会されたのは十六年後の昭和36年だったそうです。(上の婚礼写真はネットより拝借)

その後ご夫妻は北京で幸せな老後を過ごされたそうですが、浩さんが昭和62年、溥傑氏が平成6年に亡くなり、長女の慧生さんとお三人をこの地にお祀りしたのが中山神社の中に境内摂社として造られた愛新覚羅社です。

中山神社の宝物殿にはお二人の遺品や遺墨が展示されていましたが、特に溥傑氏の立派な書体の屏風や浩夫人とお二人で書かれた掛け軸等が目を引きました。

Photo_3 <合作掛け軸>

浩夫人が婚礼に着られた十二単衣もここに展示されているとの事でしたが、私が行った時は展示はなかったようでした。

政略結婚により結ばれたご夫妻でしたが、仲睦まじいご夫婦であり、日中の架け橋として生きていきたいという強い意志を持っておられた様です。神社や社は普通、東か南向きに建てるのだそうですが、この愛新覚羅社はご夫妻の日中友好の志を踏まえ、中国大陸を望む西へ向けて建っています。

お社の左手には浩夫人の和歌が刻まれた歌碑がありました。

Photo_4 <歌碑>

  “中日親善の為に”  

      「ふた国の永久のむすびのかすがいに

                なりてはてたき我がいのちかな」

                             愛新覚羅 浩

 

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