「暮れてなお 命の限り 蝉しぐれ」
これは中曽根元首相の句で、5年に及ぶ自身の政権最後の夏に詠まれたものだそうです。
若い時は蝉の鳴き声を暑苦しいとか、うるさいなどと思う事もありましたが、六十を過ぎた今では、その生命力あふれる鳴き声をいとおしくさえ感じる様になって来ました。
しかし、近年は以前の夏とは違った異変が蝉におきているのでは、と気になっています。というのは8月に入りしばらくすると、蝉の死骸を庭や道端でよく見かけますが、今年の夏に私が見た死骸は全部クマゼミでした。以前はアブラゼミが多かった様に思います。
何かで読んだように思いますが、クマゼミは寒さに弱い種で、10年ほど前までは東京ではその声が聞かれる事はほとんどなかったそうです。しかし近年生息地域が北へ広がって来ているのか、東京でも時々見かけられる様です。
これは明らかに温暖化の影響だと思います。コンクリートやアスファルトの放射熱によるヒートアイランド現象等で、東京だけではなく私が住んでいる地方都市でも、子供の頃と比べても明らかに違いがわかるほど、温暖化が急速に進んでいます。
蝉の生態系に影響を及ぼす程の温暖化に、何となく不安を感じるのは私だけではないでしょう。いったん温暖化が進めばその回復はなかなか困難で、石化燃料を中心としたエネルギーを使い続ける限り、温暖化の進行を完全に食い止める事は出来ないでしょう。
そこで温暖化の進行を少しでも抑えようとする努力が様々な分野で行われていますが、自然エネルギーの不確実性など問題は山積です。
昼下がりの蝉しぐれの中、この様な事に色々と思いをめぐらしながら過ごしています。
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