市民劇場4月例会でこまつ座版の一人芝居、「化粧」を観ました。
この芝居は井上ひさしさんが1982年に書いた一人芝居の傑作と言われている作品で、海外公演も行われたそうです。今回は2010年に死去した彼の追悼公演として上演されたようです。
マンションへの建て替えで閉鎖が決まっている、うらぶれた芝居小屋の楽屋で舞台の準備をする大衆演劇の女座長を描いた一人芝居で、化粧をし舞台装束に着替える姿を観客に見せながら女座長五月洋子の半生を描いています。
一人での芝居という制約がある中で、五月洋子役の平淑子さんは何人もの見えない登場人物を表現し、1時間半、一人でしゃべり続ける。しかも鏡がそこにある設定で観客に向かって鏡を見ないで顔を塗ったり、着替えもする、それにテンポが速い。これは演じる側にはなかなか難しい芝居だと思いますが、観客に充分伝わりよい舞台に仕上がっていたと思います。
演劇鑑賞団体市民劇場のおかげで、地方に住む私でも定期的に在京劇団の芝居を観る事が出来るので、年7回の例会を楽しみにしています。見たい芝居がなかなか例会に選ばれない事も多いですが...。
<パンフレット>