日々是好日

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「新ATS」の「新」の意味は?

2005-11-02 22:13:15 | 社会・政治

新ATSに設定ミス、速度超過でも減速せず JR西日本 (朝日新聞) - goo ニュース

昨日の夕刊から各紙が「JR 西、新ATSの設定ミス」を報じた。この見出しを見て私は脱線事故後の福知山線に設置された新装置のことかなと思った。ところが記事を読み進むにつれてわけが分からなくなった。こういう箇所がある。「設計時にデータを取り違えたのが原因で、ミスは90年度以降に設置された計7路線で見つかり、本来の設定より35キロも高くなっていた個所もあった」

「ミスは90年度以降に設置された計7路線で見つかり」の部分を私はまずこのように読んだ。( )内は私なりの補足である。
「ミスは90年度以降に(ATSが)設置された計7路線(の新ATS)で見つかり」

「新」というからにはつい最近開発されたものだろう、という思いこみから、旧型のATSは既に90年度から設置されているものの、その7路線で最近設置された「新ATS」に設計ミスがあった、と読んだのである。

ところが記事を読み進んでいくと「最初のミスは、91年3月に新型ATSが導入された大阪環状線で発生した」の箇所にぶつかった。これはどうみてもこの「新ATS」なるものが91年3月(だから官公庁式では90年度内)に設置されたと読まざるを得ない。すなわち15年前にすでに「新ATS」が存在しているのである。

産経新聞にも「山陽線の制限速度四十五キロのカーブは八十キロでも通過できる設定になっていたほか、設置以来十五年間もミスが放置されていた場所もあった」とあるし、さらには「ATS-Pは、枕木に設置した地上子が列車の速度などを示す信号を車両側の車上子に発信。速度超過があると、自動的にブレーキを作動させる仕組み。JR西は平成二年から導入を始めたが、その際、地上子に誤った速度データを入力したとみられる」ともある。これに先立ち「新型列車自動停止装置(ATP-S)」とあるからすでに15年前に「新ATS」の導入が始まったとまず受け取って間違いは無かろう。これでは15年前に作られたものが未だに「新ATS」と呼ばれていることになる。

結婚したての妻を新妻と呼ぶが、15年も経てば悪妻、良妻、賢妻、愛妻、老妻、愚妻、荊妻と呼び名が変わってしまう。それがものの道理というもの。そこでげすの勘ぐりであるがJR西日本では少なくとも15年前の代物を「新ATS」と呼ばないといけないほど技術の進歩が停滞しているのだろうか。それとも15年ものでも新しく見えるほど機関車とか車両が遙かに齢を重ねているのだろうか。それともマスメディアの取材に足りないことでもあったのだろうか。

三球師匠じゃないが「新」の意味を考えていたら今夜は眠れそうにない。それに本論がどこかに飛んでいってしまった。