日々是好日

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参議院選民主党大敗の責任を菅執行部に押し付けるのは理に合わない

2010-07-12 19:50:12 | 社会・政治
これは毎日新聞東京夕刊の記事からである。

選挙:参院選 民主大敗 責任論が噴出、幹事長の処遇焦点--44議席、自民は51

 11日投開票された第22回参院選は12日朝、改選121議席の当選者がすべて確定し、民主党は44議席にとどまり、51議席の自民党を下回る大敗となった。菅直人首相は同日午前、首相公邸で仙谷由人官房長官、枝野幸男民主党幹事長らと会談し、今後の対応を協議。参院選神奈川選挙区で落選した千葉景子法相を9月の民主党代表選まで続投させ、内閣改造も代表選まで行わない方針を確認した。しかし、党内には、小沢一郎前幹事長に近いグループを中心に首相と枝野氏ら党執行部の責任を問う声も強まっている。(中略)

 仙谷氏は会談後、定例の記者会見で、千葉法相を続投させる方針を決めたことに関して「9月中には党代表選があり、参院の執行部体制も新しく作られる。行政の継続性という観点から続けることが望ましい」と説明した。また枝野氏の交代論について「私のところにはそういう話はない」と語り、続投を支持する考えを強調した。首相はすでに枝野氏を続投させる方針を表明している。

 首相は、千葉氏や枝野氏の交代に伴う内閣改造や党役員人事に踏み切れば、小沢氏に近いグループとの間で党内に混乱が起きることを懸念しているとみられる。しかし、与党内では幹事長交代を求める声が強まっており、枝野氏の処遇が当面の焦点になりそうだ。
(毎日新聞 2010年7月12日 東京夕刊)

私が強調した部分は、要するに選挙に負けた責任を枝野幹事長が取るべきだ、ということだろうが、どのような理屈でそのような声が出てくるのか理解に苦しむ。

そもそも鳩山前内閣の支持率が急落したのは、小沢前幹事長と鳩山前代表の「政治とカネ」の問題と普天間基地問題の不手際な処理のせいである。そして急遽菅執行部があたふたと作られたが、そのおかげで下図(産経新聞 2010/07/05 21:54 から)のように、68.7%の高支持率で出発したものの末期に19.1%まで下落した鳩山前内閣の支持率が、菅内閣の発足により時に57.3%まで回復したのである。ところが選挙が始まり、菅首相の消費税問題とそれに伴う一連の発言で支持率を急速に減らし選挙前の7月3、4日現在で支持率を43.6%まで減らした。その結果が改選121議席のうちの44議席獲得をもたらしたのである。


もし鳩山前内閣の下で選挙を行っておれば、今回の結果を遙かに下回る惨敗に終わったことは間違い無い。それをこの程度?の退潮で止めることが出来たのはあくまでも菅執行部の功績ではないか。確かに菅首相の選挙を目前にしての消費税発言はある意味では唐突であり、国民に理解を求めるには準備不足ではあった。しかし民主党が国民の支持を失ったのは発足以来8ヶ月に及ぶ鳩山前内閣の失政によることは衆目の一致するところで、消費税問題による支持率の低下は、最初の高支持率の揺れ戻しに過ぎないと思えば済むことである。民主党内部で菅執行部責任論を口にする人たちが誰に繋がり、何を意図しているのかよく観察するのが肝腎である。

それにしても今回の衆参ねじれ国会の再現は、民意の反映が相反するという矛盾そのもので、私が従来から

  総選挙雑感(2) 『風見鶏のヤス』の子は不肖の子
  『ずっこけ風見鶏』は参議院廃止論に拍車をかける
  今こそ参議院廃止を声高に唱えよう!

などで主張している参議院の廃止に拍車をかけるものであって欲しいと思う。しかし当面は衆議院の解散・総選挙で直近の民意に沿った政局を出現させるしか仕方があるまい。その点でも菅総理の動きを見守りたい。


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