日々是好日

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総選挙で小泉自民党が圧勝 政治の世界にも英雄が生まれた?

2005-09-12 17:08:57 | 社会・政治
ヨアヒム・フェスト著「ヒトラー 最後の12日間」を読み終えたばかりでもあったので、昨日の総選挙結果で地滑り的な圧勝を遂げた自民党を率いる小泉首相にヒトラーとゲッベルスの合体したかようなカリスマを感じた。小泉首相の力強くて熱っぽくて格好いい演説は、ヒトラーの獅子吼よりもはるかに洗練されていると思った。迫力においてこれに匹敵するのが鈴木宗男氏の演説、こちらは田中角栄氏を彷彿とさせるあくまでも日本的スタイルで、両者に『ヒトラー プラス ゲッベルス』と『田中角栄』の対比を見た。

いくら小泉首相が演説巧者であっても馬耳東風の聴衆が相手なら糠に釘、圧勝が生まれるはずもない。聴衆、有権者に小泉首相を受け入れる素地があったからこそこの結果となったのである。その素地というのが大衆の『英雄待望論』であった。

民主主義教育の第一期生である私だからこそより強く意識すのだが、その教育では『平等』が異様に強調された。例えば『優等賞』。私は出来のいい児童であったようで国民学校の一年生から四年生まで終業式の日には『優等賞』を授けられた。しかし敗戦を境に成績優良なるものを表彰する行為が影を潜めてしまった。試験をする以上点数による順位はつく。しかしその上位の者を表彰することは『人間は平等』に反するとかなんとか議論でもあったのだろうか『優等賞』がなくなってしまった。そして『英雄』も『偉人』も影が薄くなり、東郷元帥や乃木将軍は歴史からも忘れられた存在に成り下がっていた。

しかし『異能人間』を賛美しまたそれに引き寄せられるのは人間の性(さが)、気がつけばそれも早い時期にプロ野球や大相撲をはじめとするスポーツの世界で数々のヒーローの誕生を民衆は喝采して迎えていた。ビジネスの世界にもヒーローが生まれている。そして、政治の世界にもやっとヒーローが生まれたというのが私の実感である。

これだけ政治を分かりやすくした小泉純一郎首相の功績は日本の政治史上不滅である。政策の立案・遂行とはまた別の大きな業績である。しかし国民が究極に望むのは日々の生活の充足で、その欲求に最大限応えるのが真の政治家の使命あり有権者はそれを小泉首相に託したのがこの総選挙であった。

総選挙は国民が直接に参加する最も公(おおやけ)な政治的イベントである。有権者はこれから4年間の日本国の政治の担い手として国会議員を選出した。これに比べると自民党の総裁選挙はいわば私的な『家庭内の出来事』に過ぎない。小泉首相の任期を決めるのが国民なのか自民党という政党なのか、国民に直接信を問う賭をものにした小泉首相の去就に目を向けざるを得ない。国民は真のヒーローを期待しているのである。

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