昨日歌った「小さな木の実」がビゼー作曲ということだったので、その出所を調べてみたら、4幕のオペラ・コミック「美しいパースの娘」(La jolie fille de Perth)のセレナードであることが分かった。14世紀スコットランドの内乱を背景にしたパース(エジンバラのまだ上にある)の女性をめぐる物語で、W.スコットの原作。
ビゼーは「真珠採り」の成功に引き続いて「美しいパースの娘」を作曲し、1867年に初演されたとのことである。
このセレナードがなんと私の手元にあるCDに収められていた。と云うよりiPodに移して何回も聴いていたのに、アラーニャの美声に酔ってしまったのか、二拍子に乗って歌われるセレナードが「小さな木の実」とまるで別物のように頭の中にインプットされていたようだ。
アラーニャは兄弟二人の奏でるギターを伴奏このセレナードを歌う。劇では愛しい人が顔をのぞかせて微笑みを投げかけてくれることを期待して窓の下で歌っているのに、窓は無情にも閉まったまま、物音一つもしない。空振りに終わったセレナードなのである。
その切々たる歌声をどうぞ。
一方、「小さな木の実」は1971年10月にNHKみんなのうたとして放送されている。愛する人に想いが届かない元歌のしんみりした曲調が、亡きパパの思い出にマッチしたようである。