日々是好日

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安倍首相は中国残留孤児訴訟に政治的決着を

2006-12-12 15:34:58 | 社会・政治
中国残留孤児訴訟で国が控訴 (産経新聞) - goo ニュース

神戸地裁が中国残留孤児の側に立った判決を出してよかった、と思ったのに、国が控訴する。なんとも残念なことである。

控訴を決定したのは官僚の一員、職務上原告と対決しなければならないからだろう。国が被告となる裁判で負ければなにがなんでも控訴する。官僚とはその様なもので、裁判の結果がどうなろうと、またどれだけ裁判が長引こうとも、ご本人は痛くもかゆくもない。月給はちゃんと保証されているし、一定の期間が経つと別の部署に移って担当が外れる。担当期間は事務的な処理をそつなくこなしておればいい。判決が生活を大きく左右する原告と、この点が基本的に異なっている。官僚主導型の対応が続いている限り裁判が長引き、中国残留孤児の多くが生存しているあいだには、この問題は解決しない。安倍内閣が小泉前首相の改革路線の基本を踏襲するというのなら、この問題を政治主導で解決すべきだ。

安倍首相が北朝鮮拉致問題に積極的に取り組んでいる姿勢は大いに評価できる。私にはその安倍首相が、《中国残留邦人の被害性質は、平時に北朝鮮の国家犯罪で拉致された被害者と同一視はできない》との政府側の説明を是としているとは信じられないのである。かって旧満州国で要職を占め、満州移民の推進に深いかかわりのある母方の祖父、岸信介元首相を介して、中国残留孤児を生んだ旧満州国とは、他の政治家にはない深い繋がりがあるではないか。北朝鮮とのかかわりとの比ではない。この問題を解決する政治家として安倍首相こそ最適の人物である。

中国残留孤児訴訟で、相反する判決が出されている。原告側の主張がまったく一方的なものではないことの証である。躊躇することはない。今からでも原告の利益になる控訴断念の決定を安倍首相が下せば、多くの国民の支持を得ることだろう。小泉前首相が発足間もない時期にハンセン患者訴訟で控訴断念を決定したことが、どれだけ多くの国民に深い感銘を与えたか、それに思いを致すべきである。

安倍内閣の支持率が早くも50%を割った。安倍首相の顔が見えてこないからである。別に人気とりを勧めるのではないが、中国残留孤児訴訟に政治的決着をつけることで、少しはその存在を国民にアピールしてはどうだろう。



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