日々是好日

身辺雑記です。今昔あれこれ思い出の記も。ご用とお急ぎでない方はどうぞ・・・。

有権者を虚仮にした自民党と復党議員11名

2006-11-28 18:26:54 | 社会・政治
郵政反対派12人が復党願 自民、平沼氏受け入れぬ方針(朝日新聞) - goo ニュース

自民党への復党を申請した12名の国会議員のうち、平沼赳夫氏を除く11名が、中川秀直幹事長の求めに応じて誓約書を提出したそうである。《次のことを、自由民主党および有権者に対し誓約いたします。》ということで、誓約は三項目にわたるが、その三つ目が《一 前項の誓約に違反した場合は政治家としての良心に基づき議員を辞職いたします。》なのである。私はこの順番が間違っていると思う。これらの11名の国会議員は、まず議員を辞職するのが筋なのである。

この11名の議員は、去る9月の第44回衆議院議員総選挙では、郵政民営化法案反対を訴えて選挙戦に臨み、選挙区有権者の支援を受けて国会議員として復活したのである。しかし党公認候補に対立して選挙に臨んだことから、自民党の離党勧告を受けて離党した。

ところがこの造反再選議員たちは、第163特別国会で政府が再提出した郵政民営化法案に賛成票を投じることで、今度は有権者に対して造反しているのである。第44回衆議院議員総選挙で郵政民営化法案賛成を訴えた自民党が296議席を、与党の公明党が31議席を獲得して、その合計議席数が衆議院議員定数の3分の2を上まわったことを、「それが民意だ」と、変節の言い訳にしたのである。

この時点で既に11名の造反再選議員は、選挙区有権者の『郵政民営化法案反対』という意思を踏みにじったのであるから、元来はここで議員を辞職するのが筋なのである。『郵政民営化法案反対』を訴えて有権者の支持を得たにもかかわらず、選挙後一ヶ月も経たないうちに有権者を裏切ってしまったからである。

なるほど小選挙区の有権者が、『郵政民営化法案反対』だけでこれらの議員に投票したわけではないかもしれない。これらの議員は地縁を頼りの情にすがっての当選であったかもしれない。しかし郵政民営化法案に関して云えば、それに反対して支持を受けたとみるのが『筋』というものだ。今回あらためて《郵政民営化を含む第44回衆議院総選挙の政権公約2005の実現に邁進し》と誓約するのであれば、先ずは選挙区有権者に信を問うのが筋である。

中川幹事長は、『筋』を通すために、誓約書提出など復党に際して厳しいハードルを設けたと説く。造反再選議員たちが『民意』を免罪符代わりに、特別国会で郵政民営化法案に賛成したのは、ある意味では議員個人のレベルでの話であるから、個人個人が責任を負えばよい。しかし、自民党への復党条件が、造反再選議員の選挙区有権者への裏切りを条件としている以上、これは自民党そのものの意思ということになり、公党としての存在基盤を自ら否定することになる。

中川幹事長が国民のだれもが分かる形で筋を通したいのであれば、造反再選議員に対して、「あなた方は選挙区有権者の意思に反した行動を取ろうとするのだから、まずは選挙民に信を問うのが先決である。そのためには議員を辞職し、あらためて自らの変節の是非を選挙民に仰ぐべきである。復党希望はその後に審議する」と諭すのが筋というものだ。

もしこのまま復党問題がなし崩しに終わってしまうのであれば、有権者を虚仮にする自民党に対して、国民は次の選挙で厳しい判断を下さなければならない。

最新の画像もっと見る