日々是好日

身辺雑記です。今昔あれこれ思い出の記も。ご用とお急ぎでない方はどうぞ・・・。

『男系男子』は見て分かる 女系では要DNA鑑定

2006-01-29 15:39:48 | 社会・政治

精子と卵子が融合して受精が起こる。受精卵は分裂を繰り返して胎児となり、出産により新しい人間が生まれる。生まれたのが男か女かは性染色体の組み合わせで決まってくる。精子は半数がY(性)染色体をもち、残りの半数がX(性)染色体を持つのに対して、卵子はX染色体だけを持つ。従って受精で出来る性染色体の組み合わせはXXXYで前者が女で後者が男になる。

第一世代の男性の性染色体をXYで表し、女性の性染色体をXXとすると、第二世代の生まれたのが男の子ならXYで女の子ならXXとなる。すなわちYXこにこだわらなければ男子女子とも父親の『血筋』を受け継いでいることになる。第二世代の男子が結婚して出来た第三世代の孫が男子ならXYで女子ならXXとなり、男子は紛れもなく第一世代祖父のY染色体を継承していることが分かる。ところが孫が女子なら早くも祖父の染色体は無くなっている。唐様で書く三代目ではないが、例え男系でも三代目の女子はもはや一代目男性の『血筋』を受け継いでいないことになる。

第二世代のXXの染色体を持つ女子が結婚して生まれたのが男子なら、その性染色体はXYである場合とXYである場合とがある。女子でもXXもしくはXXで、男女いずれの場合も第一世代祖父のX染色体を1:1の確率でもっている。

第一世代祖父の『血筋』を伝えることだけが大切であれば、YであれXであれそのいずれかが伝わっておればいいのである。その意味では男系女系に優劣はない。だがただ一つ、女系では厄介なことがある。女系第三世代の男女とも第一世代の『血筋』を伝えているのは確率的にその半分なのでありこれが厄介なのである。

コインを投げて裏表を決める場合に裏、表の出る確率は半々である、と云われる。コインを投げる回数が多いほど裏表の出る数が等しくなる。たとえば1000回投げると裏が498、表が502というようなことである。しかし投げる回数が10回ぐらいだとひょっとすると裏が10回続けて出ることもあり得る。第三世代の男子が一人だけだったとするとXを持っている可能性は確率的には半々でも、現実には持っていないのかも知れない。男子が二人だとたまたま次男がXをもっているが長男がもっていないこともある。第三世代の女子についても同じことが云える。いずれにせよ女系の第三世代は誰が『血筋』を伝えているのか見た目には分からない。

『血筋』を確実に伝えるためにはXをもっている男子もしくは女子を確定しなければならない。平成のご時世ではDNA分析の技術で可能であろう。しかし分析したからといって現存する第三世代の男子女子が『血筋』を伝えているという保証にはならない。

一方男系の場合ははっきりしている。その世代いかんにかかわらず男であること自体が第一世代の祖父のY染色体を継承していることの証になるからだ。DNA鑑定なんぞお呼びではない、『見れば分かる』のである。

わが皇室が男系男子の相続で『血筋』を絶やすことなく伝えてきたことは世界史の奇跡である。それもDNA分析技術はもちろんのこと『遺伝』の概念すらなかった大昔から、ただ『見れば分かる』男系男子による継承にこだわることでこの奇跡が存在し続けているのである。男系男子による継承は確実に天皇の血筋を伝えるための絶妙な知恵であったといえる。(女性側に不倫のなかったことを大前提としている)

人間の知恵・発想の素晴らしさはある意味では科学以上である。すでにブログに記したことであるが体細胞由来のクローン孫悟空が400年もさかのぼる昔の人智の発想にあったぐらいだから。男系男子の相続で皇統の『血筋』を伝える、これは日本が世界の誇れる独自の発想なのである。

「染色体の組み合わせ」図で第一世代を皇太子ご夫妻とし第二世代の女子を愛子内親王とする。仮に愛子内親王が女帝となられると次の第三世代でこれまで伝わってきた世界に誇れる『血筋』が完全に消滅する恐れが半分の確率で存在する。その上繰り返しになるが『血筋』を確認するのにDNA 分析という現代人の後知恵に頼らざるを得ない。そこまでしないといけないことなのか。私は反対である。

男系男子により『血筋』を『神代』から継承している天皇家は日本が世界に誇る無形の『世界遺産』であり、それを可能にしたのが『見れば分かる』という只それだけの、だからこそ絶妙な仕組みなのである。『女帝』容認はそれを破壊してしまう。

つづく

おことわり 前稿を修正しました。


最新の画像もっと見る