日々是好日

身辺雑記です。今昔あれこれ思い出の記も。ご用とお急ぎでない方はどうぞ・・・。

男子マラソンが「八百長レース」であることを実証した福岡国際マラソン

2010-12-08 15:34:15 | Weblog
日曜日(12月5日)に以前の記事マラソンにも政界にもペースメーカーは不要へのアクセスが急増していた。その日行われた福岡国際マラソンで、ペースメーカーが「暴走」してレースがおかしくなったことに多くの人の関心が向いたのであろう、「ペースメーカー」のキーワードで検索サイトからのアクセスが増えたようである。asahi.comはその状況を次のように伝えた。

ペースメーカー速過ぎ、追えたのは1人 福岡マラソン

 ペースメーカーのキプタヌイ(ケニア)が契約違反の「快走」でレースを動かした。

 15キロ過ぎにペースを急激に上げて飛び出し、20キロまでの5キロは14分15秒。追ったのは優勝したガリブひとりだけで、30キロで制止されるまで独走した。

 レースの担当者は1キロ3分のペースを設定し、遅れても1キロごとのペースは設定以上にしないよう指示。ところが走り終えたキプタヌイは「スタートラインで、後ろの選手から2時間5分で走りたいと言われた。15キロ地点で遅いと思い、自分の判断でペースを上げた」と話した。 (後略)
(2010年12月6日0時40分)

上のブログ記事で私はさらに5年遡る2005年3月14日の記事から次のような引用をしている。

注文ついでにもう一つ、あのペースメーカーは止めて欲しい。

ペースメーカーはいわば兎の目の前にぶら下げられたにんじん役であろう。ペースメーカーが引っ張るかたちでレースが展開していく。気がついてみるといつの間にか日本でのマラソンレースに『にんじん』が登場してしまった。私は気にくわない。マラソンこそ走る選手のまさに一人勝負ではないのか。だからこそ月桂冠が燦然と輝くのである。もちろんそれまでの練習は監督、コーチをはじめとする支援グループとの共同作業的性格があるだろう。しかし本番で走り出したらもう選手の独壇場である。ペースの配分も含め走りの組み立てるのは自分の体調をもっとも良く知る選手個人である。

選手のその自己完結性に水をさすのがこの『にんじん』である。走りの最初を『にんじん』に引っ張らせて、という発想が間違っている。もっとも肝心なペース作りを選手が『にんじん』に委ねる怠惰さは、マラソン競技の高貴さとは相容れない。日本で率先して使用禁止として、外国の範となるべきなのである。

そして2010年1月31日の大阪国際女子マラソンではペースメーカーが姿を消していることに気がついてそれを喜んだのである。ところがペースメーカーを止めたのは女子マラソンだけで、男子マラソンでは依然としてペースメーカーが走っていたのである。その辺りの事情がMSN産経ニュースの記事で分かった。

【甘口辛口】人を食ったペースメーカー、もう廃止しては…

 マラソン、ラグビー、ゴルフにアマ相撲…。テレビのスポーツ中継にかじりついた5日の日曜日。中でも面白かったのは福岡国際マラソンでのペースメーカー(PM)の“暴走”だった。途中から急激にペースを上げて完全な独走態勢で、解説の瀬古利彦さんの「何を考えているんでしょう」の一言には笑った

 この契約違反のPM、エリウド・キプタヌイ(ケニア)は、ことし5月のプラハ国際で2時間5分39秒の好タイムで優勝した21歳のバリバリの若手。1キロ3分、5キロを15分~15分10秒前後で30キロまで先頭集団を引っ張る、という契約だったそうだ。

 ところが、15キロから猛然と飛び出し20キロまでの5キロは14分15秒。30キロで係員に制止されたが、余力十分でそのまま走れば“優勝”は間違いなかった。よほど調子がよかったのか、若さで闘争本能に火がついてしまったのか。ひとのために走るPMは枯れた“職人肌”のランナーの方が向いている。明らかな人選ミスといえた。

 「あのペースなら2時間6分台は出た。ペースメーカーが赤子の手をひねるがごとく走ってしまう。ある意味、世界の現実を思い知らされた」と解説でおなじみの金哲彦さん。順大時代、箱根駅伝山上りの3年連続区間新で名をはせた今井正人も5位に終わった。箱根の“山の神”をもってしても、世界の高嶺は雲の上だ。

 国内の女子は「ペースは自分で作り、揺さぶりにも対応できるように」と金さんが陸連の女子強化部長時代にPMを廃止した。今回、3位で日本勢トップの松宮隆行はPMに惑わされず自分のペースを守った。こんな人を食ったPMにかき回されるくらいなら、男子もそろそろ考え直した方がいい。(サンケイスポーツ 今村忠)
(2010.12.7 14:19 )

ペースーメーカーの走るマラソンがまさに「八百長レース」であることを実証した福岡国際マラソンの意義は大きい。あのまま走らせていたらぶっちぎりのトップになっていただろうと思われるペースメーカーの走りを途中で止めさせたのである。八百長とは《相撲や各種の競技などで、一方が前もって負ける約束をしておいて、うわべだけの勝負を争うこと。なれあい勝負》(広辞苑 第五版)をいうが、まさにこの定義に当てはまるではないか。「三百代言」がどう言いくるめようとしても、私の常識では福岡国際マラソンは間違い無く「八百長レース」である。その「八百長レース」の主催者が(財)日本陸上競技連盟に加えて、あの高校野球を朝日新聞社 テレビ朝日 九州朝日放送であることに注目しておこう。その点、赤字で強調したが女子マラソン界の対応は当たり前のこととは立派である。それにしてもなんとも脳天気な瀬古利彦さん、「何を考えているんでしょう」の一言を瀬古さんに返したい。言うべきことが他にあるだろうに。麒麟も老いぬれば駑馬に劣るか(失礼!)。

私の主張は今も変わらない。