日々是好日

身辺雑記です。今昔あれこれ思い出の記も。ご用とお急ぎでない方はどうぞ・・・。

日本学生野球憲章第十三条を廃止すべし

2007-05-04 19:49:20 | Weblog
昨日は祝日であったにもかかわらず、私のブログサイトへのアクセスが多い。「野球特待生のどこが悪い?」のページにアクセスが集中した結果である。Googleで「特待生 どこが悪い」をキーワードに検索するとこのページがトップに出て来たのが原因のようだ。



東京新聞(5月4日)によると《日本高校野球連盟は3日、全加盟校を対象にした日本学生野球憲章に違反するスポーツ特待制度実態調査の最終集計結果を発表、憲章違反の申告校は高知を除く46都道府県で計376校(軟式の8校は硬式と同一校)に上り、適用を受けていた部員も判明しているだけで7971人となった。》とのことである。

注目すべきはこの376校のうち公立校は1校のみで、残りは全て私立校であり、これは高野連に加盟している私立校773校の48.5%になるという事実である。公立校に野球特待生制度はもともと馴染まない。と云うことは、野球特待生を採用しても世間の目が不思議とは思わない私立校のほぼ半分が日本学生野球憲章を無視して総数が8000人近くの特待生を採用していたのである。私は「特待生のどこが悪い?」で、このような規制を虚仮にすることを勧めたが、なんのことはない、とっくの昔に日本学生野球憲章第十三条は虚仮にされていたのだ。

蓋を開けてみたら半分しか守っていなかった、なんていう規則は規則の名に値しない。どこかに無理があるから守られないのである。この現実を目にすれば、無理に気付き、現実に守られるものに改めよう、というのが常識的な反応であると思う。しかし朝日新聞が伝える日本高野連・脇村春夫会長の反応は《非常に数が多く驚いている。憲章が各校で十分理解されていなかったことは、連盟としても指導不足を反省しないといけない。憲章の見直しはしないが、今後、意見を聞きながら解釈についての基準作りを進めていきたい。》と云うことで、完全に現実離れしている。

「非常に数が多く驚いている」とは、私のような野球に素人が云うなら許されるだろう。しかし学生野球憲章13条がどのような経緯で作られてきたか、その意図を熟知すべき立場にあり、またその決まりが守られることを厳正に監視すべき立場にある脇村高野連会長の言葉としては信じがたい脳天気ぶりである。だからこそ熟慮することもなく「憲章の見直しはしない」などの言葉を気軽に口に上ってくるのであろう。私は第十三条は見直しの必要すらない、ただただ廃止すべき性質のものであると思う。その理由を私の記事特待生制度を認めない日本学生野球憲章の怪で述べているので、お目通しを頂ければ幸いである。

同じ東京新聞に「西武裏金調査委員長インタビュー 実名公表なら球界壊滅 夏の甲子園もできない」の見出しでインタビュー記事が掲載されている。高校野球とかかわる内容だけを取り上げてみる。

アマ指導者らへの金銭供与が発覚したことに関連して、西武裏金調査委員長池井優氏は関係者の実名公表を控えたことについて、
《「(中間報告までに調査委で)一致していた。公表したら夏の甲子園なんてできない。日本球界が壊滅しかねなかった」》といとも率直に問題の大きさを語っている。世間並みの常識を備えている人なら素直に分かる話である。

また調査で驚いた点は、と聞かれて
《「裏の常識がまかり通っていたのが第一。第二に『必要悪だ』と罪悪感が見られない。非はプロばかりにあるのではなく、アマにもおいしい汁を吸おうとする人たちがかなり存在することが分かった」》と述べている。ではその様な問題を無くすためにどうすればよいのか。私は西武金銭問題 何が悪いのか?ですでに解決法を提案している。

裏金撲滅に提言を、と聞かれて
《「第一に制度改正。ドラフトは完全ウエーバーにすることで裏金がある程度阻止される。第二にアマ指導者の待遇改善。学生野球憲章も見直してもらわないと困る。あまりにも古過ぎる。いかに日本のプロ野球を魅力あるものにするか、みんなで知恵を絞らないと」》と、日本学生野球憲章の見直しを提言している。私にしてみれば、もし学生野球憲章13条を即刻廃止しないのなら、関係者の実名を公表し夏の甲子園大会をできなくしてやるぞ、とぐらいは云って欲しかったと思う。それぐらい学生野球憲章13条の廃止は急務なのである。