日々是好日

身辺雑記です。今昔あれこれ思い出の記も。ご用とお急ぎでない方はどうぞ・・・。

医師が美容整形を行う不思議

2006-12-11 16:44:47 | 社会・政治
『抜歯』からの連想ゲームのようなものである。

テレビのトーク番組にある人気俳優が出ていた。男性で二枚目なのだが、悪役をこなすというので人気があるらしい。この男優はなにかの役作りに、かなりの本数の前歯を抜歯したと紹介されていた。ドラキュラにでもなったのだろうか。

ある戦前からの大女優も役作りのために抜歯したと聞き及んでいる。仕事熱心と云えばそうであるが、その様な小細工なしに演技で役柄をこなしてこそ、役者の名に値するのではなかろうか、と私は思ったりする。

ところで、この人気男性俳優が抜いた歯は全部が虫歯だったとは考えにくい。ほとんどが健全な歯ではなかったのか。とすると、健全な歯を抜歯した歯科医は他人の身体を傷つけたことになる。いくら本人の同意があろうとも、である。考えてみたら歯科医師とか医師の免許を持つだけで、正常な医療行為でないのに人体を傷つけて、何のお咎めがないとはおかしな話である。

美容整形医もおかしい。別に顔が崩れかけたわけでもないのに、わざわざメスを入れて造作に手を加える。美容整形と云うことで頭に思い浮かべるほとんどの手術は、通常の医療行為にはあたらないのではないか。いくら本人が同意しているとしても、傷害行為であることには間違いない。まともな医療ではないからもちろん健康保険は効かない。カリスマ美容整形医師などが出現して、身代金目当てに娘が誘拐されたりする。よほどボロ儲けをしていると思い込まれたのであろうか。医術=錬金術と揶揄されても仕方あるまい。

私学、国立を問わず、一人の医師の養成に巨額の国費が使われている。あくまでも国民の健康維持と増進のための医師の役割が期待されているからだ。国は美容整形医師が医療という本来の目的から逸脱した『犯罪行為』を咎めるべきであるのに、医師免許を与えて犯罪行為を後押ししている。どう考えても腑に落ちない。

美容整形(抜歯も含めて)のような本来の医療行為(たとえば健康保険が適用されうる医療、とでもしておこう)から逸脱した『傷害行為』は、法律で禁止すべきであろう。医師不足が叫ばれている折から、本来の医療に従事させるべきなのである。

しかしこの問題は簡単に解決しないだとうと思う。もし美容整形を禁止する法案が出て来そうだ、と噂が流れただけで、美容整形医の団体が国会議員に大型献金をして、法案潰しにかかること間違いなしだからである。ひょっとしてお世話になったのかな、と有権者に思われるのを警戒する女性議員による議員立法を期待したいものである。