日々是好日

身辺雑記です。今昔あれこれ思い出の記も。ご用とお急ぎでない方はどうぞ・・・。

不要な医療検査を断りましよう

2006-09-04 21:03:02 | Weblog
妻が朝食を抜いて病院に出かけた。四週間ごとに降圧剤を貰いに行くのだが、時々思い出したように血液検査をされるのである。私自身検査嫌い医者嫌いなので、妻が検査を受けるというと「止め止め」と言うのであるが、病院も儲けさせてあげないと、と院長の肩を持つのである。

今日は少し違っていた。院長に「アスベストが危ないからな」とレントゲン検査を言われて、さすがに妻も断ったのである。余計な検査などして貰うなよと私が日頃言っていることを思い出したのだろう。妻がレントゲン検査を断ると「死んでもしらんで」と言われたそうである。

この病院は一日あたりの外来患者が800人前後で入院患者も200人を超える大病院である。わが家とは半世紀以上の付き合いがあり、既に亡くなった名誉院長は私の高校時代の身元保証人であった。亡母の主治医でもあり、それが現院長に引き継がれて、今は妻の主治医でもある。極めて心やすいからこのようなやり取りが交わされたのである。

現院長は元大学教授でありあまり医者らしくない。実は検査なんど滅多にしないし注射もしない。ただ世間話を交わすだけ。だから妻も気に入っているのだが、時々院長としての職務に目覚めると「検査」と言うようである。

血液検査に尿の検査ぐらいならまだいい。ところが世間には隙あらば患者にあらゆる検査をさせようと虎視眈々の病院が如何に多いかを、人と話していて思い知る。レントゲン、CTスキャン、MRIなどなどをはじめ訳の分からない検査まで、高価な装置の費用回収や収益に患者が強制的に協力させられてしまう。医者に検査をと言われて断れるような患者が殆どいないからだ。不必要な医療検査でどれぐらいの医療費が無駄に使われていることやら、これを徹底的に調べて検査を減らすと、年間30兆円を超える国民医療費が大幅に削減されることは夢疑いがない。

亡母が座敷で転んだ。さっそく頭部のCTスキャンである。しばらく経ちまた検査すると言われて、母は本意ではなかったが医師に義理立てをして再検査を受けた。しかし柳歴三十年の母が次の一句を院長に呈したそうである。
  
     CTスキャン 私の心は 覗けまい

その後余計な検査はなくなったのは、母の意が通じたからなのだろうか。