税理士 倉垣豊明 ブログ

東京武蔵野市(三鷹)の税理士 相続税、贈与税等資産税対策、法人・個人向け税務・会計・会社法のブログ

破産法8(破産債権の額)共同債務者

2008-06-16 07:29:18 | 税金一般
おはようございます。税理士の倉垣です。

今日は破産法8(破産債権の額)で、共同債務者(連帯債務や不可分債務)のように各債務者が債務の全額を負担しているような債務で、その共同債務者につき破産があった場合の破産債権の額について調べてみました。

例えば、債権者Aは1000万円をB、C、Dに対して貸付け、B、C、Dは連帯して返済を約束していたところ、Bについて破産手続きが開始した。
この場合、債権者Aは債権の全額1000万円につきBの破産手続きに参加できます。

もし、その破産手続前にCが200万円の返済を行っていれば、債権者AがBの破産手続きに参加できる金額は800万円(=1000万円-200万円)ということになります。
破産手続開始後の債務の一部返済額は破産債権の額には一切影響を与えません。(現存額主義)

以下に破産法の条文を書いておきます。
「数人が各自全部の履行をする義務を負う場合において、その全員又はそのうちの数人若しくは一人ついて破産手続開始の決定があったときは、債権者は、破産手続開始の時において有する債権の全額についてそれぞれの破産手続に参加することができる」(破産法104条1項)

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自己株式(Treasury Stock:Par Value Method)

2008-06-13 08:25:23 | 会計
おはようございます。 税理士の倉垣です。

自己株式の買い取りとその再発行の英文会計での処理をみてみます。その処理方法は2つありますが、前回は[Cost Method](原価法)でしたが今回は[Par Value Method](額面法)です。
例題を通して見ていきます。

ABC company originally issues 1,000 shares of $50 par common stock, for$60. The original entry is:
ABC会社は1,000株(額面株式、額面$50)を1株$60で発行した場合の仕訳は
Cash 60,000
Common Stock 50,000
Paid-in Capital in Excess of Par 10,000
Common Stock $50×1,000株=$50,000
Paid-in Capital in Excess of Par ($60-$50)×1,000株=$10,000


It then buys back 200 shares at $55. The entry is:
自社株を200株,1株$55で買い戻した場合の仕訳は
Treasury Stock 10,000
Paid-in Capital in Excess of Par 2,000
Cash 11,000
Paid-in Capital from Treasury Stock 1,000
発行時の仕訳を戻す
Treasury Stock $50×200株=$10,000 
Paid-in Capital in Excess of Par ($60-$50)×200株=$2,000
差額は利益ではなく資本剰余金(Paid-in Capital from Treasury Stock)で処理
Paid-in Capital from Treasury Stock ($10,000+$2,000)-$11,000=$1,000

Later it decides to buy back 200 shares at $90. The entry is:
その後200株を$90で買い戻すときの仕訳は
Treasury Stock 10,000
Paid-in Capital in Excess of Par 2,000
Paid-in Capital from Treasury Stock 1,000
Retained Earnings 5,000
Cash 18,000
発行時の仕訳を戻す
Treasury Stock $50×200株=$10,000 
Paid-in Capital in Excess of Par ($60-$50)×200株=$2,000
差額は損失ではなく資本剰余金(Paid-in Capital from Treasury Stock)勘定残高で処理し、不足分は利益剰余金(Retained Earnings)で処理する。
Paid-in Capital from Treasury Stockが貸方残高で$1,000あるのでますこれを取崩す。
Retained Earnings $18,000-$10,000-$2,000-$1,000=$5,000

It then resalls 50 shares at $70. The entry is:
50株を1株$70で再発行
Cash 3,500
Treasury Stock 2,500
Paid-in Capital in Excess of Par 1,000
Treasury Stock $50×50株=$2,500
Paid-in Capital in Excess of Par $70×50株-$2,500=$1,000


Finally , it resalls another 100 shares at $40. The entry is:
100株を1株$40で再発行
Cash 4,000
Retained Earnings 1,000
Treasury Stock 5,000
Treasury Stock $50×100株=$5,000
Retained Earnings $5,000-$40×100株=$1,000

以上のように、Treasury Stockは資産ではなく、資本勘定として処理されます。
また、この[Cost Method]方では、Treasury Stockの取得や売却においてその額面金額を用います。

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自己株式(Treasury Stock:Cost Method)

2008-06-12 08:24:09 | 会計
おはようございます。 税理士の倉垣です。

今日は英文会計で自己株式(Treasury Stock)の会計処理を例題を通してみていきます。
自己株式の買い取りとその再発行の英文会計での処理をみてみます。その処理方法は2つありますが、今回は[Cost Method]です。

ABC corporation originally issues 1,000 shares of $100 par common stock for $150. The original entry is:
ABC会社は1000株(額面$100、普通株式)を1株$150で発行した。仕訳は
Cash 150,000
Common Stock 100,000
Paid-in Capital in Excess of Par 50,000
Common Stock $100×1,000株=$100,000
Paid-in Capital in Excess of Par ($150-$100)×1,000株=$50,000


It then buys back 200 shares at $120. The entry is:
200株自社株として1株$120で買い戻したときの仕訳は
Treasury Stock 24,000
Cash 24,000
買い戻し価額でTreasury Stock勘定で処理する

The corporaion then resalls 100 shares at $130. The entry is:
会社は1株$130で100株再発行した場合の仕訳は
Cash 13,000
Treasury Stock 12,000
Paid-in Capital from Treasury Stock 1,000
Treasury Stock $120×100株=$12,000
Paid-in Capital from Treasury Stock ($130-$120)×100株=$1,000

Finally it resalls another 100 shares at $70. The entry is:
残りの100株を1株$70で再発行した場合の仕訳は
Cash 7,000
Paid-in Capital from Treasury Stock 1,000
Retained Earnings 4,000
Treasury Stock 12,000
Treasury Stock $120×100株=$12,000
Paid-in Capital from Treasury Stock 前回の再発行でこの勘定残高が$1,000あるのでますそれを取崩す。
Retained Earnings $12,000-$7,000-$1,000=$4,000

Treasury Stockは資産ではなく、資本勘定として処理されます。
また、この[Cost Method]方では、Treasury Stockの取得や売却においてその取得価額を用います。当初の株式の発行価額ではありません。

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公正証書遺言(証人と撤回について)

2008-06-11 08:28:49 | 相続税・贈与税
おはようございます。税理士の倉垣です。

遺言は、民法に定める方式に従わなければその効力を有しません。そして普通の遺言として3つの方式を定めています。自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3つです。

公正証書遺言は、公証人のもとで遺言者と証人2人以上の立会により遺言書の作成を行います。

1.証人の欠格事由(民法974条)
次の者は遺言の証人となることができないこととされています。
イ、未成年者
ロ、推定相続人及び受遺者並びにこれらの配偶者及び直系血族
ハ、公証人の配偶者、四親等内の親族、書記及び使用人

2.遺言の撤回
遺言の撤回はいつでもできます。(民法1022条)
遺言者は遺言の撤回権の放棄もできません。(民法1026条)
なお、公正証書遺言の撤回を自筆証書遺言で撤回することも可能です。

税務相談者からの質問内容をヒントに本日のブログは作成しました。
今後相続に関する民法や税金などはブログに掲載を予定しています。

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破産法7(破産債権)

2008-06-10 08:29:10 | 税金一般
おはようございます。税理士の倉垣です。

今日は破産法7で破産債権について簡単にまとめてみました。

破産手続開始決定後は、各債権者は破産者に対して個別に権利行使ができなくなり、破産財団から配当を受けるだけとなります。この配当を受けることができる債権を破産債権といいます。債権者のどのような債権が破産債権なるのか破産法でみていきます。

1.破産債権の定義
破産債権とは、破産者に対し破産手続き開始前の原因に基づいて生じた財産上の請求権である。(破産法2条5号)

2.期限の付いた破産債権
破産債権が期限付きでその期限が破産手続き開始後に到来すべきものであるときは、破産手続開始の時において弁済期が到来したものとみなされる。(破産法103条3項)

3.条件の付いた破産債権
破産債権が破産手続開始の時において条件付債権であるときでも、その破産債権者は、その破産債権を持って破産手続きに参加することができます。(破産法103条4項)

3.将来の請求権
破産債権が破産手続開始の時において将来の請求権であるときでも、その破産債権者は、その破産債権を持って破産手続きに参加することができます。(破産法103条4項

(1)保証人の破産の場合
債権者の保証人に対する請求権は、主たる債務不履行の場合の将来の請求権です。
したがって、債権者は主たる債務者が債務不履行になる前は保証人に対する請求はまだできないはずです。しかし、保証人について破産手続開始の決定があったときは、債権者は、破産手続開始の時において有する債権の全額について破産手続きに参加できます。(破産法105条)

(4)求償権
保証人は主たる債務者の債務を支払った後、主たる債務者に対して求償権を有することとなります。したがって、保証人がその保証している債務を支払う前は主たる債務者に請求をできないはずです。
しかし、主たる債務者が破産した場合には保証人は将来の求償権全額につき破産手続きに参加できます。(破産法104条3項)


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居住用建物の賃借権の承継

2008-06-09 08:31:10 | 税金一般
おはようございます。税理士の倉垣です。

今日は居住用建物の賃借権の承継について調べてみました。

1.賃借人に相続人がいる場合
建物の賃借権は当然相続の対象になりますので、一般の財産と同じように相続人によって相続されます。

2.賃借人に相続人がいない場合
賃借人に相続人はいないが、同居していた内縁の妻がいた場合はどうなるか。
これは「借地借家法」で同居人に賃借権を承継させることとしています。
「居住の用に供する建物の賃借人が相続人なしに死亡した場合において、その当時婚姻又は縁組の届出をしていないが、建物の賃借人と事実上夫婦又は養親子と同様の関係にあった同居者があるときは、その同居者は、建物の賃借人の権利義務を承継する。ただし、相続人なしに死亡したことを知った後1月以内に建物の賃貸人に反対の意思を表示したときは、この限りでない。」(借地借家法36条)

賃借人と同居していた内縁の妻などが、賃借人の死亡によりその住まいとしていた建物から不法占拠者とて賃貸人から立ち退きを迫られないように借地借家法が手当てをしています。

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合有(組合契約)

2008-06-06 08:32:48 | 税金一般
おはようございます。税理士の倉垣です。

民法の勉強をしていて、組合契約の組合員のその出資財産に対する関係が理解しずらいのでここで条文に基づき再確認してみました。
組合契約とは「各当事者が出資をして共同の事業を営むことを約することにより、その効力を生ずる」(民法667条1項)と規定されています。
組合員のその出資財産に対する関係は「合有」であると解説書で説明されています。
そしてその「合有」とは組合財産に対する「潜在的持分」であるというように説明されています。

1.潜在的でも「持分」があるということ
組合の解散時の残余財産の分配を、各組合員の出資額に応じて分配する。(民法688条3項)

2.持分が「潜在的」であること
イ、組合員は、組合財産についてその持分を処分したときは、その処分をもって組合及び組合と取引をした第三者に対抗することができない。
ロ、組合員は、清算前に組合財産の分割を求めることができない。(民法676条)

共有物は、各共有者は、いつでも共有物の分割を請求することができる(民法256条)と規定されていますが、この組合契約の「合有」は分割が清算時までできないのが相違点ですね。

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Accounting for Merger

2008-06-05 08:25:07 | 会計
おはようございます。税理士の倉垣です。

今日はAccounting for Mergerです。合併には吸収合併と新設合併がありますが、今日は前者の会計処理をみていきます。

B社がA社を吸収合併した場合の会計処理。A社の合併直前の貸借対照表と資産の時価は次のようになっています。
A社 B/S(被合併会社)
Cash $10,000 Accounts Payable $30,000
Accounts Receivable 50,000 Bonds Payable 60,000
Inventory 80,000 Common Stock(@$10) 200,000
Building 100,000 Additional Paid-in Capital 20,000
Land 150,000 retained Earnings 80,000
$390,000 $390,000

BV FMV
Building 100,000 130,000
Land 150,000 160,000
その他の資産負債は簿価と時価は同じ

1.合併の対価が$375,000の場合の仕訳
借方 貸方
Cash 10,000
Accounts Receivable 50,000
Inventory 80,000
Building 130,000
Land 160,000
Goodwill 35,000
Accounts Payable 30,000
Bonds Payable 60,000
Cash 375,000
A社の資産負債を時価で受け入れ、貸借差額はGoodwillで処理する。

2.B社株式(普通株式25,000株)(額面$10,市場価額$15)を発行した場合。
借方 貸方
Cash 10,000
Accounts Receivable 50,000
Inventory 80,000
Building 130,000
Land 160,000
Goodwill 35,000
Accounts Payable 30,000
Bonds Payable 60,000
Common Stock 250,000
Additional Paid-in Capital 125,000
Common Stock $10×25,000株=250,000
Additional Paid-in Capital ($15-$10)×25,000株=125,000

3.もし対価がA社の純資産額の時価より少なければ、差額は貸方に利益として計上します。

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Consolidated F/S(Date of Acquisition)2

2008-06-04 08:24:00 | 会計
今日はConsolidated F/S(Date of Acquisition)2で、期中に買収を行った場合の、支配獲得日における企業結合の会計処理ですが、100%の買収ではなくて少数株主が存在するときの会計処理です。

支配獲得日の企業結合の会計処理は、両社の貸借対照表を合算したあと、親会社の投資勘定と子会社の資本勘定のうち親会社の持分割合に対応する部分を相殺消去します。

6月1日にP社はS社株式の80%を現金$260,000で取得した。被支配持分の公正価値は$45,000である。取得日におけるS社の貸借対照表と資産の公正価値は以下の通り。
P社の企業結合の仕訳と連結修正仕訳を示す。

S社 B/S
Cash $30,000 Accounts Payable $20,000
Accounts Receivable 70,000 Bonds Payable 60,000
Inventory 80,000 Common Stok(@$10) 160,000
Machinery 150,000 Additional Paid-in Capital 10,000
Accumulated Depreciation (50,000) Retained Earnings 30,000
$280,000 $280,000

BV FMV 差額
Inventory 80,000 85,000 5,000
Machinery 150,000 170,000 20,000
Accumulated Depreciation (50,000) (60,000) (10,000)

1.P社の企業結合の仕訳
借方 貸方
Investment in S Company 260,000
Cash 260,000

2.連結修正仕訳
<STEP1>
親会社の投資勘定(Investment in S Company)と子会社の資本勘定のうち親会社持分割合80%を相殺消去し、その差額をDifferentialとする。
借方 貸方
Common Stock 128,000
Additional Paid-in Capital 8,000
Retained Earnings 24,000
Differential 100,000
Investment in S Company 260,000
Common Stock $160,000×80%=$128,000
Additional Paid-in Capital $10,000×80%=$8,000
Retained Earnings $30,000×80%=$24,000

<STEP2>
子会社の資本勘定のうち少数株主分20%をNoncontrolling Interest勘定へ振替
借方 貸方
Common Stock 32,000
Additional Paid-in Capital 2,000
Retained Earnings 6,000
Noncontrolling Interest 40,000
Common Stock $160,000×20%=$32,000
Additional Paid-in Capital $10,000×20%=$2,000
Retained Earnings $30,000×20%=$12,000


<STEP3>
STEP1で発生したDifferentialを子会社の資産負債と非支配株主持分を公正価値へ評価替えして、それでも差額があればそれをGoodwillと処理する。
借方 貸方
Inventory 5,000
Machinery 20,000
Goodwill 90,000
Differential 100,000
Accumulated Depreciation 10,000
Noncontrolling Interest 5,000

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Consolidated F/S(Date of Acquisition)

2008-06-03 08:32:59 | 会計
おはようございます。税理士の倉垣です。

今日はConsolidated F/S(Date of Acquisition)で、期中に買収を行った場合の、支配獲得日における企業結合の会計処理についてまとめてみました。

支配獲得日の企業結合の会計処理は、両社の貸借対照表を合算したあと、親会社の投資勘定と子会社の資本勘定を相殺消去します。

6月1日にP社はS社株式の100%を現金$260,000で取得した。取得日におけるS社の貸借対照表と資産の公正価値は以下の通り。
P社の企業結合の仕訳と連結修正仕訳を示す。

S社 B/S
Cash $30,000 Accounts Payable $20,000
Accounts Receivable 70,000 Bonds Payable 60,000
Inventory 80,000 Common Stok(@$10) 160,000
Machinery 150,000 Additional Paid-in Capital 10,000
Accumulated Depreciation (50,000) Retained Earnings 30,000
$280,000 $280,000

BV FMV 差額
Inventory 80,000 85,000 5,000
Machinery 150,000 170,000 20,000
Accumulated Depreciation (50,000) (60,000) (10,000)

1.P社の企業結合の仕訳
借方 貸方
Investment in S Company 260,000
Cash 260,000

2.連結修正仕訳
<STEP1>
親会社の投資勘定(Investment in S Company)と子会社の資本勘定を相殺し、その差額をDifferentia勘定で処理します。
借方 貸方
Common Stock 160,000
Additional Paid-in Capital 10,000
Retained Earnings 30,000
Differential 60,000
Investment in S Company 260,000
<STEP2>
上記の差額Differentia勘定で子会社の資産負債勘定を公正価値で再評価してもまだ差額があればそれをGoodwillで処理します。
借方 貸方
Inventory 5,000
Machinery 20,000
Goodwill 45,000
Differential 60,000
Accumulated Depreciation 10,000

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