久野康成公認会計士事務所/株式会社東京コンサルティングファーム(TCF)の 【国際化支援ブログ】

東京コンサルティンググループ(TCG)は、日本企業の収益改善・国際化をトータルサポート!!

なぜ、独立したのか?

2006年01月30日 | 受験生・応募者の皆様へ
私が独立したのは、1998年7月。今から丁度、7年7ヶ月前です。

独立したときの理念は、日本の中小・中堅企業に、正しい経営管理を導入し、経営力をアップさせて、国際競争力を高めるためと、本気で考えていました。


当時と今と比較すると、中小企業でも管理会計が進んできており、ある程度の進展はあったと思います。

なぜ、このように思ったかというと、
日本の企業は、QCやTQCなど、工場における品質管理という面では優れていたが、経営レベルでの品質という意味では、米国と比較してかなり遅れていると思ったからです。

また、その中で大きなビジネスチャンスがあるとも思っていました。


私がPWを退社した1998年は、まさに、不況のど真ん中で、「こんなときに独立するとは」とも言われましたが、今思うと、独立というものは、その人が「思ったとき」こそ適時であり、景気動向はあまり関係ないように思えます。

むしろ、自分自身で道を切り開こうとする情熱こそが全てです。


一人で事業を始めるのは、非常に大変なことです。
もっとも、苦労したのは、営業よりもスタッフの確保です。

PW時代、自分が如何に恵まれていたか初めて分かりました。
自分の部下は全員が会計士だったのです。
後になって思えば、監査法人ほど部下に恵まれるところはないのかもしれません。当時は、全くそのようには思えませんでしたが・・・


今の理念は、人材育成に傾いてきています。顧客に良いサービスを行うためには、サービスする人が重要だからです。




さて、
私も、実務家をセミリタイアして、約2年が経ちました。
この間に6名であったスタッフが今日現在、215名と大きく変わりました。

これほど変われば、社内管理体制にひずみも出てきますが、それは、走りながら修正するしかありません。管理体制を強化するために、アクセルを緩めれば、その時点でベンチャー企業は崩壊し始めます。


あと、特記すべき事項としては、生まれて初めて、銀行に借金の申しこみをしてしまいました。当社の場合、仕入れ控除があまりないので、消費税が非常に多額になることと、納税資金のためです。短期プライムレートで借りれそうです。


当社の社長も、生まれて初めて借金の連帯保証人になってしまい、ちょっとビビッてました。

倒産させないようにがんばりましょう。



(みんな誤解するといけないので・・・本当は、借り入れは、単なる銀行とのお付き合いです。事務所のグローバル化に備えての布石です。この夏、名古屋・大阪支社の次は、海外進出します。)







【仕事ができる人 できない人】【会社が放り出したい人 一億円積んでもほしい人】

2006年01月29日 | 最新ビジネス書評

【仕事ができる人できない人】(堀場製作所会長 堀場雅夫著)

【会社が放り出したい人1億円積んでもほしい人】(ドリームインキュベータ社長 堀 紘一)

テーマは、同じなので2冊同時に読んでみました。

 

実のことをいうと・・・

久野事務所の行動指針である「できる人10か条」は、堀場会長のこの著書を参考にしました。といっても、中身は今読んだところです。

私自身、堀場会長が非常に好きで、というより、言っていることがまるで自分を見ているようです。

本の中身は読まずに、私なりのできる人を10条に解説もつけて書いてみました。自分がもっとも大切と思って仕事をしてきたテーマです。会長の本を先に読んでしまうと、中身が引きずられてしまうといけないので、当時は読みませんでした。

10か条を私が書いたのは、今から5年前ですが、昨日、古本屋でこの本を見つけたので、改めて買って読みました。

後輩を育てようとする情熱が伝わってきます。




もう一冊は、
元ボストン・コンサルティング東京支社長であった堀さんの本です。

堀さんも、人材育成に熱心です。

この本のエピローグにこんなことが書いてありました。
「ドリームインキュベーターに集えるのは、最低7年は修行する覚悟のある人、または、ベンチャーの社長に限られている。」

実に敷居が高い会社である。
少数精鋭で大変良いと思う。また、最低7年修行というのは、入ってくる社員に対して大いに期待しているということだ。


私の会社は、堀さんの会社とは、全く逆である。
入り口を広げ、より多くの人にチャンスを与える。しかし、与えられたチャンスを物にできるかいなかは本人次第である。

誤解を恐れずに言えば、私は「入ってくる社員に対して期待はしていない。」
なぜなら、顧客から期待されうる社員に育て上げることが私の使命と感じているからだ。

堀社長のように、厳選されたサラブレッドを育てる人もいるだろう。
それは大いに結構なことである。

裏を返せば、厳選されたサラブレッドに対しては、世の中にいくらでも育ててくれる場所があるのだ。

そうでない人には、ほとんどチャンスがないのが現実である。

しかしながら、今は、サラブレッドでなくても、大いに成長できるポテンシャルのある人材は世の中に沢山いると思う。


しかし、そのような人を育て上げようとする人は非常に少ない。
だからこそ、私が行う意義があるのである。

育てるためには、時間が必要である。堀さんの言うように7年とまではいわないが、3年は、我慢して欲しいものだ。

大手の監査法人に会計士補として入ると、公認会計士の受験資格を得るため、最低3年は働く必要がある。また、逆に3年以内で辞めようとする人間はいない。

私は、独立し初めて税理士業界に来たとき、税理士受験生が、まるで浮き草のように転職を繰り返すのは非常に閉口した。こんなことをやっていては、絶対に実力は付かない。

しかし、人間は弱いもので、『より安易にお金のもらえる会社』を探すために彷徨い続けるのだ。これでは、良い人材も腐っていくだけである。しかも、本人はそれに気づかない。

私は、そんな人間であっても1度はチャンスを与えたい。本人が気づき変われるかもしれないからだ。しかし、そのチャンスは1度きりである。当社は、非常に辞めやすい仕組みにしてある。給料も最初の3年間はかなり抑えている。

本当に変わりたい人しか、当社では残れない仕組みなのである。
絶対に成功できない人は、目先のお金にこだわる人である。

なぜなら、修行に耐えられない体質の人だからである。日本は、あまりにも平和すぎ、ストレス対抗性の弱い人があまりにも多くなりすぎた。

『期待はしない。しかし、期待される人に育って欲しい。』




 

 


お金は、暖房のようなもの

2006年01月28日 | 所長と熱く語ろう!(久野康成)
サイバー・エージェントの藤田さんの言葉です。


お金は、暖房のようなもの・・・

「ないと大変ひもじい・つらい。
暖房が入ったときには、大変うれしい。
しかし、慣れてしまうと、何も感じなくなる。」


金持ちがいうだけあって、非常に納得・・・

では、その後は、何を目指すのか??


最近の新興企業の社長は、企業経営を一つのゲームと考えて、そこで頭のよさと、思い切りの良さ・男っぷりみたいなもの競っているような気がします。

一種の博打ですね。


先日紹介した、「リーダーシップに心理学を生かす」という本の中に、
成功した経営者は、好戦的買収に走り、それが破滅するまで続くとあります。


先ほどの、藤田さんの言葉にあるように、
お金で買えるものには、価値がなくなるということです。

では、何に価値を見出すのか?


それが、社会に向かわない限り、企業ゲーム(博打)にのめりこみ破産するのです。お金からはスリルが得られなくなると、よりスリルを求めてしまいます。そして、数百億の資産がありながら勝負に出ます。

これが、M&Aなのです。


私は、将来、ワタミの渡辺社長のような生き方がしたいです。
お金を儲けることの次に考えなければならないのは、お金を何に使うのかです。

渡辺社長のように、生涯をかけて発展途上国に学校を作り続けることは、大変素晴らしいことと思います。


投資銀行などの金融の世界は、経営理念よりも技術で設けられる世界です。
しかし、人にとって重要なのは、理念であり、生き方です。

お金の儲け方以上に、お金の使い方にその人の価値観が色濃くあらわれます。



儲けたお金は、最期に社会に還元していける生き方をしたいです。


「立つ鳥、後を濁さず」というように、自分が死ぬときには、濁りを残さずにいきたいと思います。


ライブドア事件で監査法人の責任は??

2006年01月25日 | 所長と熱く語ろう!(久野康成)

ライブドアの監査は、ある中小の監査法人が行っております。
どこかは、有価証券報告書に書いてあります。

さて、今回の事件で、『監査法人の責任』は、どうなっているのか?

と思う人も出てくると思います。

新聞では、【ライブドアが、自社株の売却益は、本来、増資と同じ資本取引なのに、売上に売上に計上した。営業利益のかさ上げを行った。】等言われています。

しかし、これは、かなり誤解を生む表現で、会計や業界を知らない人は、ライブドアがめちゃめちゃな会計を行ったように思われますが、堀江氏が『言い訳』しているように、実際にこの取引自体は、一般的であり、他の会社も行っています。

さらに、今回のスキームは、純粋に現在の会計基準に従って考えると『問題なし』となってしまうのです。

まず、この点を我々は正確に理解する必要があります。


投資会社は、子会社に投資組合を持ち、その会社が、事前に、純粋に現金で買収しようとする会社の株を保有することはよくあります。また、その後、株式交換による買収をかけた場合、投資組合が、親会社の株式を保有することになります。

そして、その割り当てられた親会社の株を投資組合が売っても、もちろんこれは、資本取引ではなく、損益取引となります。さらに、親会社が、投資組合の収益を回収すれば、当然、売上に計上されるのです。

不動産会社が、売却目的の土地を購入しても、固定資産ではなく、棚卸資産になること同じで、キャピタルゲインを得ようとする会社が、株を売却して得た収益が、資本取引ではなく、損益取引になるのは当たり前です。


監査法人が、このスキームに対して、会計基準に従っていないと本当に言えるでしょうか?

ここが、監査法人の責任の部分になります。


もう一つ、会計上の問題になっているのは、第三四半期の売上の水増しです。
これに関しても、第三四半期は、監査対象外です。監査対象外の期間の不正経理に対して、監査法人の責任を問うことは、難しいのではないかと思います。

ただし、今後、四半期レビューの強化を会計士協会が決定する事は、あると思います。



私が、ここで何がいいたいかというと、あまりにも、会計基準や業界の通常の取引を知らない人が、新聞紙面に踊らされていることです。

『誰がみても明らか』な違法取引という取引形態ではないことを十分理解しないと、何を持って違法というかの論点がずれていきます。

 









出会い力

2006年01月24日 | 所長と熱く語ろう!(久野康成)

【出会い力】以前に読んだ本のタイトルです。


著者が、様々な人との出会いを日記風に書いているだけのものなのですが・・・

その著者は、非常に多くのメンターと出会っています。




先日、私が人間ドックを受けた病院は、『南赤坂クリニック』です。
今週の日経ビジネスを読んで『やはり』と思いました。

私が出会ったのは、日経ビジネスによく出てくる、安岡先生だったのです。

私は、以前から、日経ビジネスの先生の記事を読んで感銘を受けていました。


外科医であれば、患者は物としてしか見えなくなるといいますが、安岡先生は心のケアに重点を置いてくれます。また、医師という立場から、患者の生と死に直面し、死を宣告された後も、如何に生きていくべきかということも示唆してくれています。

私は、安岡先生に漠然と会いたいと思っていましたが、たまたま、妻がよい病院を探して、予約してくれたのが、南赤坂クリニックだったのです。

価格は高いですが、おそらく、日本で最高の人間ドックが受けられると思います。雑誌で読むイメージよりも、先生の年齢が非常に若く、そのときは、日経ベンチャーの先生と気づきませんでした。


会いたいと願っていると、会えるものなのかもしれません。

人との出会いは、偶然ではなく、必然なのでしょう。
一期一会を大切に生きて生きたいと思います。



【別れてから出会う人】【出会ってから別れる人】

2006年01月23日 | 所長と熱く語ろう!(久野康成)

これは、転職の話です。


転職する人には、2つのパターンがあります。


①【別れてから、出会う人】

②【出会ってから、別れる人】

似ているようですが、
結果は大きく異なります。


①は、別れることに重点があります。

こんな会社は、やってられない。
もっと他によいところを探そう。
他にもっと自分に合う会社があるはずだ!
給料安い。やな上司がいる。リストラされた。会社が倒産した。


②は、出会いに重点があります。

今の会社が好きとか嫌いは関係ありません。
新たな出会いにより転職する人です。

起業家もこのタイプといえましょう。(別れから始まり、起業する人は、間違いなく成功しません。)


さて、①と②で、自分はどちらのタイプと言えるでしょう?

②は、意外に少ないです。

もちろん成功するタイプは、②です。


簡単にいうと、①の状態での転職は、再考したほうがよいかも知れませんね。。





心と体のコーチング

2006年01月21日 | 所長と熱く語ろう!(久野康成)

先日、人間ドックに行ってきました。そこは、会員制で、主に会社経営者が中心のところです。待合室も、ファースト・クラスをイメージさせるだけでなく、診断内容も非常に充実していました。

私は、毎年人間ドックに行く病院を適当に選んでおり、あまり気にしていなかったのですが、今回は、妻がしっかり調べて選んでくれました。

結果は、高血圧・コレステロール等が発見され、かなりショックを受けました。
私は、今まで、健康診断でオールA判定が自慢で、去年は、体重オーバーがB判定になったくらいだったのですが・・・

ここで、何が言いたいかというと、
体に関することではありません。
心に対するカウンセリングも充実しているのです。

人間ドックの後、2時間半もカウンセリングを受けました。
その内、最初の2時間は、心(生き方)に関するもので、主にストレスを除去することが目的です。

ストレス社会の中で、心の部分が体に影響を与えてしまうので、体の治癒ではなく、原因となる心の治癒が重要なのです。

私の場合、ストレスの原因となるディスカッションのテーマは、男と女(夫婦)に関するものが中心でした。
先生は、特に、男の家庭での生き方を研究されています。

一言で言えば、家庭とは、安らぎの場ではなく、修練の場である。
この認識が欠けると、痛い目にあうということです。
そして、男は、一人になる時間(趣味等)を持ち、これが、本当の安らぎの場にする必要があるとのことでした。


私は、経営に関しては、沢山の本を読み研究しましたが、楽しい家庭作りに関しては、ほとんど研究することなく、仕事中心の生き方をしてしまいました。その歪みが現れてしまいました。


男と女は、形は似ているが、生物としては、根本的に異なるもの、生活における価値観は、相容れないものと認識した上で、お互いが歩み寄れる関係作りが必要と思います。



先生が行っているまさにエグゼクティブ・コーチングであり、経営者の心と体のよき相談相手です。私は、今までコーチングを人に頼んだことは1回しかありませんでした。

プロフェッショナルのコーチは、自分の専門分野で行うのがもっともよいことと思います。


二人のCPA

2006年01月15日 | 所長と熱く語ろう!(久野康成)

本日は、メトロポリタン美術館・アメリカ近代美術館に行ってきました。
どちらもすごいのですが、特に私がびっくりしたのは、メトロポリタン美術館のエジプトのコーナーです。

おそらく、エジプト以外では、きっと、ここと、大英博物館ぐらいでしか見られないのでしょう。数のすごさだけでなく、持ってきなもの(大きいのもは、当然、石でできている)大きさです。なぜ運ぶ気になれたのかが不思議です。収集家の情熱は、常人では計り知れません。

しかしながら、エジプトのみならず、東南アジア系の資料をみて思うのは、まさに盗掘の歴史、言ってみれば泥棒市場。なぜ、こんな仏像がここにあっていいのか?感動とは裏腹に、複雑な気持ちにもなりました。

 

 

さて、本題ですが、昨日、ニューヨーク州の二人のCPAのお話を聞いてきました。

ここでまたびっくりしたのが、二人とも、個人向けのファイナンシャル・プランニング・サービスの仕事しかしていないのです。米国は、個人が確定申告をしなくてはなりません。その個人の確定申告を手伝う会社が、H&R社やジャクソン・フューイット社等ですか、これらの会社とCPAの仕事は、基本的に競合しています。

そして、価格競争がおきて、CPAにとって、申告書の作成業務は、儲からない仕事になっているのです。

二人のCPAももともと、個人向けの申告書作成をしていたのですが、やがては、富裕層に対するFP業務に転換しました。

一人の会計士が150人、もう一人が700人の個人クライアントを持っていました。そして、年間の顧客単価は、20万円から60万円程度でした。

 

そして、FPの中身ですが・・・これが驚きです。業務としては、シティー・バンクやメリルリンチの富裕層へのサービスとかぶるのです。

最大の収益源は、投資信託に関する投資顧問業です。純粋なFP業務は、手数がかかり、赤字といっていました。

投資信託の預かり資産の1%を顧問料としてクライアントから貰っていたのです。

定期的な、アナリスト・レポートのようなものもサービスとして発行していました。

個人のCPAの仕事として、法人向けは、おそらく日本と変わりないと思いますが、個人向けサービスが、結局、金融業とまったく変わらなくなっているのは驚きです。


一人のCPAが言っていたのは、自分たちは、個人のCFOであり、決め細やかな対応は、メリルリンチには負けないといっていました。


我々の行く末はいったいどこにあるのでしょう?少なくとも、申告書の作成業務が金にならなくなったのは、日本も米国も同じです。

日本税理士は、その先、何をやっていいのかうろたえていますが、米国のCPAは、金融会社に転身してかなり儲かっているようです。


さらに、一人のCPAは、NYのCPA協会のFP委員会委員長をしているとのことでした。


日本では、FPが仕事になると考えていないので、・・・・????

 

よく考えたら、山田先生は・・・東京ファイナンシャル・プランナーズをいち早く立ち上げられていた!!!

もう一度、FPが税理士業界で、ブームとなる日が来るかもしれない。。

山田先生の先見性には脱帽である。

 

PS:こちらの時間は、夜中の1時です。明日、朝早くNYを出発します。

今回の旅は、あまり期待していませんでしたが、思わぬ収穫がたくさんありました。

早い段階で、今度は当社の社長をつれて、香港・上海の日本企業研究の旅に出てみたくなりました。




第4次産業が興る

2006年01月13日 | 所長と熱く語ろう!(久野康成)

第一次産業・・・農業・林業・漁業

第二次産業・・・工業

第三次産業・・・サービス業


では、第四次産業とは何か?




私は、金融業をあえて、第三次産業から抜き出したいと強く思いました。

国の産業には、ライフサイクルがあります。
経済学者のリカードに従えば、最も競争優位性のある産業に国が特化することが、最も付加価値を生み出します。

その結果、賃金の安い発展途上国は、農業による食物の輸出により外貨を稼ぎ、第一次産業が発展します。

やがては、安い労働力を利用するために、先進国から投資が行われ、工場が建ち並び、第二次産業に移ります。

そこで、国富が充実し、高所得者が増えることによって、人々はよりよいものを求めるために第三次産業が発展することになります。

中国は、第二次産業から第三次産業への移行期をやがて迎えることでしょう。





本日、午前中に、ニューヨーク証券取引所の見学を行いました。朝のモーニングサテライトで見ているとおりの状況で、CNNのいつもよく出てくるキャスターもいました。テロの影響もあり入場するのに、非常にセキュリティーがきつかったです。今は、一般公開されていません。

さて、ここで感じた事は?

イギリスの産業とは何かということです。(なぜ、NYでイギリスかって?)

イギリスには、すでにこれといった産業がありません。
唯一あるのが金融です。



ニューヨークだけではなく、将来、米国がイギリス化するのではないかと思ったとき恐ろしくなりました。

金融の発展は、実体経済の終焉を意味するのではないか?


午後に、主に投資信託商品を開発している金融会社の訪問をしました。
非常に預かり資産を増やしています。しかし、増加の原因は主にアジアのマーケットの成長です。

金融と実体経済は、裏と表の関係です。
金融が発展するためには、実体経済の発展が必須です。


しかし、お金は国境を簡単に超えていきます。


自国の経済が発展しなくても、金融は発展できるのです。

 



第4次産業の発展は、産業の終焉を意味する。



この先、ますます、労働人口が減少し、米国も日本も今までにない影響を受けます。

ドラッカーが予測した【ネクスト・ソサエティー】とは、だれも経験したことのない世界です。

我々の事業計画は、人口減少の影響を最大限に考慮したものでなくてはなりません。

NYでネクスト・ソサエティーのヒントを得たような気がしました。






Big4 は、なぜ成功したのか?

2006年01月12日 | 所長と熱く語ろう!(久野康成)
Big4(プライスウオーターハウスクーパース、アーンストヤング、KPMG、デロイト・テユーシュ)は、なぜ、巨大な国際会計事務所になったのか?


アンダーセンは、すでに倒産してしまったのですが・・・
アーサーアンダーセンと他の事務所との生い立ちは、かなり異なっており、アンダーセン自身は、プライスウオーターハウスのシカゴ事務所から独立された人でした。

元々は、ぎりぎりというか・・・ラディカルな税務サービスで顧客の人気を集め、他社が合併前のGig8時代では、最大の売り上げと成長性を誇っていました。

しかし、ご存知のようにエンロンのたった一つの事件で全てを失ってしまったのです。アンダーセンの経営理念は、【Client First】
行過ぎた顧客主義が、招いた結果なのかもしれません。

私がかつて、プライスウオーターハウスにいた時に、『1社のために仕事をすれば、他の全ての顧客を失う。』と上司に言われたことを、思い出しました。

1社のために誤った監査を行えば、信用を失って全てを失うという意味です。


その時に、上司に言われたのは、『顧客を切る勇気を持て』ということです。
悪い顧客を切れない会計士は、全てを失うといわれました。


この言葉は、非常に印象的でした。
私も独立した後、かなり大きなクライアントだったのですが、1社契約を途中で断ったことがあります。それは、銀行の融資を受けるための粉飾を容認して欲しいとするものでした。

監査業務ではないので、銀行からの融資を受けるための粉飾は当たり前と思う税理士もいるかもしれませんが、『うそは泥棒の始まり』というように、少しの心の乱れは、職業倫理を根本的に失わせます。

正義感を持って顧客を切り捨てなくてはなりません。これが、相手にとっても社会にとっても最大の貢献と考えるべきです。


余談が長くなりましたが・・・


さて、1920年代、プライスウオーターハウスは、ニーヨーク証券取引所に上場している企業のなんと70%以上をクライアントにしておりました。

1850年ロンドンにプライスにより設立された事務所がなぜ、これほどまでに大きくなったのか?(ウオーターハウスは、プライスの部下でしたが、かなりやり手で、彼が事務所を大きくさせたらしいです。)


ロンドンに設立された会計事務所が、なぜ、国際会計事務所として、ものすごい発展を遂げたのか???


一言で言えば、大英帝国の植民地政策と密接に関連しています。


イギリスが植民地を広げるにしたがって、そこにイギリス資本の会社が設立されます。会社は適切な配当を株主に約束するためAccountability(説明責任)が生じ、会計事務所が必要となります。

会社が新たに設立されるところには、会計事務所が必要となるのです。



ポイントは、新たに会社が設立されなければ、会計事務所は大きな発展を遂げません。1970年代・80年代と日本において、税理士事務所が繁栄できたのは、そのためです。


会計事務所の仕事がコンサルティング中心になったのは成熟の象徴です。


日本における税理士事務所は、完全な成熟期です。
(監査法人は、内部監査特需でかなり儲かってますが・・・)

仕事内容を構造的に変えない限り、大きな発展は望めません。


これに対して、中国マーケットは、まさにこれからが旬だと思います。

中国に対しては、プライスウオーターハウスが他社に先駆けて、1980年代に北京に事務所を出しました。当時は、競合他社から単なる自己満足と笑われたそうです。



業界で新たなことに挑戦すれば、周りから失笑を浴びるのは常です。
ビジネスで人の目を気にしては何もできません。

新たなことに挑戦し続ける必要があります。


現在の中国マーケットは、PWが発展した歴史にすりあって見えます。
中国が世界のマーケットになったときには、非常に多くの日本の中小企業が進出することでしょう。

製造業よりも投資リスクが少ないうえ、地理的にも沖縄に行くことと変わりません。(もちろん、共産圏ゆえのカントリー・リスクは、当然ありますが・・・)


ニューヨークに来てみてここに支店を作る気にはなりませんが、香港を皮切りに、上海にも進出することは、国内で支社を増やすよりも投資効率が高いように思います。




本日は、H&R社と業界2位のジャクソン・ヒューイットの視察をしました。
近くに、アーンストヤングの巨大な本社ビルがありました。
(むしろこちらに感動してしまいました。)



我々も、弱小会計事務所から、アジアを中心とする巨大な国際会計事務所を目指します。



ベンチャー経営者は、どれだけ大きな目標を持てるかが勝負なのです。








小さな池の大きな魚

2006年01月10日 | 所長と熱く語ろう!(久野康成)

小さな池の大きな魚になることを『集中化戦略』と呼び、

大きな池の大きな魚になることを『差別化戦略』といいます。

この二つは混同されがちなのですが、ベンチャーにとっての基本戦略は、常に集中化戦略でなくてはなりません。


差別化は、より大きなマーケットに対して比較優位性を持つ製品・サービスを提供することで、マーケットが大きいので大企業と競争することになります。

大企業と競争すればベンチャーは、経営資源に乏しいので勝ち目はありません。


しかし、多くのベンチャー企業は差別化戦略をとって失敗するのです。

その理由は、『成長への誘惑』にかられてしまうためです。

ベンチャー企業は、資金を集めるために、ついつい大風呂敷を広げたり、成長したいと思うがゆえに大きな市場を狙いたくなります。

その結果、差別化戦略をとり、コスト高となり、資金が枯渇し倒産します。


非常に多くのベンチャー企業は、このパターンで倒産していきます。


これに対し、集中化戦略とは、市場をセグメント化しその中に資源集中して強者(大きな魚)となる戦略です。必ずしも、ニッチマーケットである必要はありません。



我々も、人材派遣という巨大なマーケットに挑みましたが、経理・財務専門というブランドを打ち出し、約2年弱で専門派遣としては国内最大級となっています。

さらに、これによる経営資源の充実から、税理士業務のシェアアップを現在図っております。

もともと、税理士業務は、私にとっては、あまりにも巨大なマーケットです。その中で、少々の差別化を行っても先輩にかなうはずはありません。

別のマーケットで優位性を持って、改めて本丸に攻め入る必要があります。


さらには、財務系コンサルティングや人材コンサルティング・経営コンサルティングへも同様に
拡大していけばよいのです。

小さな池の大きな魚は、繁殖によって、他の小さな池にも移り住めばよいのです。

最初から大きな池に住もうとは思ってはなりません。



PS:本日から、タックスハウスの関係でニューヨークに出張してきます。
主に、H&R社等の見学が中心です。ニューヨークに支社を作ろうとはまだ思いませんが、香港に支社を作ることを来年以降、本格的に検討しようと思っております。

中国は、既に世界の工場から世界のマーケットに移り変わろうとしています。
中国から工業製品を輸出しているときは、中国の債権は関係会社間のものですが、中国で販売しようとすれば、債権管理の重要性が増します。

中国子会社における経理業務の重要性も高まることと思います。

後はそのタイミングです。早すぎても遅すぎてもダメです。『時流』という波がいつ来るのか?来る予感だけはしています。


ステップ!!

2006年01月08日 | 所長と熱く語ろう!(久野康成)

今年のテーマは、

 

 【ステップ】

ホップ・ステップ・ジャンプの『ステップ』です。

3段とびで言えば、

①ホップのポイントは、踏み切りです。
これに失敗すれば、全てが終わりです。


経営で考えれば、いかなる事業に踏み込むか。
また、それを本気で実行できるかです。

②ジャンプのポイントは、『真の実力』です。技術をどんなに高めようとも、真の実力がない限り結果はでません。

③これに対し、ステップは『技術』がポイントです。
ステップは、どんなに実力があっての、技術力が試される部分です。


今年は、十分に頭を使って、今後のビジョン・戦略をさらに高めていく必要があります。また、同時に、『気をつける』時期でもあります。

というのは、『攻め』と『守り』、攻守のバランスを取る時期でもあります。

『攻め』とは、いかなる顧客にいかなるサービスを展開するのか?
マーケティング戦略にかかわる部分です。

『守り』とは、組織固め。理念ビジョンの共有を図り、組織のベクトルを一致させる必要があります。ベクトルは方向性と長さによって表されます。理念の共有は、方向性を統一させること。スタッフのモチベーションを上げることが、より長いベクトルにすることです。



さて、最近、戦国武将の気持ちを考えてみました。
組織の攻めと守りを考えるにあたって、優秀な人材は自分の手元において置きたくなるものです。優秀な部下のいない本営は、敵に攻め込まれた場合、ひとたまりもありません。

また、優秀な部下を、前線に配置すれば、戦いによって優秀な部下を失う可能性も高くなります。心情的にどうしても、優秀な部下を身近に置きたくなります。

しかし、そのような心情に従い、戦線に優秀な部下を据え置かなければ、簡単に敵に攻め込まれてしまいます。攻め込まれた上で、優秀な部下を使ったとしてもその時は、実力を発揮することはできません。

失うかも知れない覚悟で、もっとも優秀な人材を最前線に据えなくてはならないのです。


今年は、大阪・名古屋に支社を作ります。もっとも優秀な人材を配置し、攻めの形を作ります。

本営が手薄になることも覚悟の上です。守りとしての人材育成を強化するしかありません。




 


【去るものは、追わず。 来るものは、拒まず】

2006年01月05日 | 所長と熱く語ろう!(久野康成)

というのが、私がかつていたPWの組織風土でした。

もっとも、それゆえ優秀な人材も多く退職したこととは思いますが・・・

でも、私は、このような組織風土が大好きなのです。



だから、優秀な社員が会社を去ろうとするときにも危機感は・・・というと・・・・全くもって危機感を持っておりません。


『優秀な人材が辞めるのに、危機感を持たない経営者なんてどうかしている!』と思われる
かもしれませんが・・・




私は、どんな優秀な人が事務所を去ろうとも、『決して引き止めまい』と心に誓っているのです。



なぜか?


今までの経験で、引き止めた結果、経営者と従業員の間に、わだかまりが残ってしまったことを
多く見てきているからです。



経営者に引き止められた従業員は、『残ってあげた』という気持ちが、知らず知らずに湧き出てきます。

『あんなによい条件のところを蹴って、残ったのだから、もっと評価しろ!』
と思うように
なります。



人間は、必ずそうなります。



経営者も経営者で、
『あいつは、一度、辞めようとしたやつだ』と思ってしまうのです。



その結果・・・



引き止めにあった社員は、やがては会社を去るのです。

しかも、お互いに心にわだかまりを持って・・・



つまり、

去ろうとする社員を決して止めてはならないのです。



これが愛情です。


石の上にも3年・・・

2006年01月05日 | 所長と熱く語ろう!(久野康成)

 あけましておめでとうございます。

 早いもので、今年は厄年。。。数えで42歳になります。子供のころ、数え歳は、なんとなく成長した気分でうれしかったのですが・・・地元の神社で、元日に厄払いしてもらいました。お蔭様で、今日も元気です。

 さて、会社はというと、今年で創業9年目(1998年7月創業)を迎えます。
9割以上の会社が、創業10年を迎えることなく倒産すると言われています。その中で、何とかもってきました。

 私の会計士のかつての同僚でも、独立した後、経営がうまく行かず、監査法人に逆戻りした人も何人かいます。経営とは、甘いものではありません。今のままでよいと思った瞬間から業績は悪化します。一度、悪化しだすと持ち直すのは至難の業です。業績を上げることも大変かもしれませんが、悪化した経営を立て直すことと比較すれば、なんてことはありません。

 つまり、経営では、業績を上げ続けることが、『最も楽』と思う方がよいのです。

 

 さて、この正月休み、寝ている間に、『自分が新年の挨拶をしている夢』をみました。その内容もかなり正確に覚えていたので、本当に今日、スタッフにその内容を話しました。まさに、【正夢】となりました。


 さて、その夢なのですが・・・・ 具体的には、『石の上にも3年』『守破離』の解説をしていました。


 その解説とは・・・

 結果=考え方×判断 によって表される。

 ①正しい考え方を持った人が、正しい判断を行う・・・よい結果となる
 ②正しい考え方を持った人が、誤った判断を行う・・・悪い結果となる

 ここまでは、誰でもわかります。

 では、

 ③誤った考え方を持った人が、正しい判断を行う・・・悪い結果となる
 ④誤った考え方を持った人が、誤った判断を行う・・・論理的には、不明


 ポイントは、何かというと、我々は、常に自分が正しいと思う判断を下していると思っているのですが、結果として過ちを繰り返します。


 それは、自分が①のつもりになっているが、本当は、③なのです。


 なぜ、『石の上にも3年』なのか??

 誤った考え方を持った人間は、自分が判断を下す前に、考え方を修正する必要があるからです。そのためには、3年かかるという意味です。

 我々のスタッフでも、直ぐに仕事に飽きてしまったり、隣の芝が青く見えて転職したくなる人が多々います。しかし、重要視しなければならないのは、自分がいかなる判断を下したかではなく、考え方を正しいものにすることです。


『守破離』も全く同じ意味です。自分の形を作るためには、伝統的な教えを守り抜くことが重要という意味です。
つまり、自分の形ができないうちに自分流を作ろうとすれば、それは、『形無し』となります。『型破り』とは、基本がしかっりできている人のみできることです。

少なくとも、3年間自分と向き合い学んでみましょう。焦っても、同じ過ちを繰り返すのみです。決して、よい結果は得られません。