独立したときの理念は、日本の中小・中堅企業に、正しい経営管理を導入し、経営力をアップさせて、国際競争力を高めるためと、本気で考えていました。
当時と今と比較すると、中小企業でも管理会計が進んできており、ある程度の進展はあったと思います。
なぜ、このように思ったかというと、
日本の企業は、QCやTQCなど、工場における品質管理という面では優れていたが、経営レベルでの品質という意味では、米国と比較してかなり遅れていると思ったからです。
また、その中で大きなビジネスチャンスがあるとも思っていました。
私がPWを退社した1998年は、まさに、不況のど真ん中で、「こんなときに独立するとは」とも言われましたが、今思うと、独立というものは、その人が「思ったとき」こそ適時であり、景気動向はあまり関係ないように思えます。
むしろ、自分自身で道を切り開こうとする情熱こそが全てです。
一人で事業を始めるのは、非常に大変なことです。
もっとも、苦労したのは、営業よりもスタッフの確保です。
PW時代、自分が如何に恵まれていたか初めて分かりました。
自分の部下は全員が会計士だったのです。
後になって思えば、監査法人ほど部下に恵まれるところはないのかもしれません。当時は、全くそのようには思えませんでしたが・・・
今の理念は、人材育成に傾いてきています。顧客に良いサービスを行うためには、サービスする人が重要だからです。
さて、
私も、実務家をセミリタイアして、約2年が経ちました。
この間に6名であったスタッフが今日現在、215名と大きく変わりました。
これほど変われば、社内管理体制にひずみも出てきますが、それは、走りながら修正するしかありません。管理体制を強化するために、アクセルを緩めれば、その時点でベンチャー企業は崩壊し始めます。
あと、特記すべき事項としては、生まれて初めて、銀行に借金の申しこみをしてしまいました。当社の場合、仕入れ控除があまりないので、消費税が非常に多額になることと、納税資金のためです。短期プライムレートで借りれそうです。
当社の社長も、生まれて初めて借金の連帯保証人になってしまい、ちょっとビビッてました。
倒産させないようにがんばりましょう。
(みんな誤解するといけないので・・・本当は、借り入れは、単なる銀行とのお付き合いです。事務所のグローバル化に備えての布石です。この夏、名古屋・大阪支社の次は、海外進出します。)