小さな池の大きな魚になることを『集中化戦略』と呼び、
大きな池の大きな魚になることを『差別化戦略』といいます。
この二つは混同されがちなのですが、ベンチャーにとっての基本戦略は、常に集中化戦略でなくてはなりません。
差別化は、より大きなマーケットに対して比較優位性を持つ製品・サービスを提供することで、マーケットが大きいので大企業と競争することになります。
大企業と競争すればベンチャーは、経営資源に乏しいので勝ち目はありません。
しかし、多くのベンチャー企業は差別化戦略をとって失敗するのです。
その理由は、『成長への誘惑』にかられてしまうためです。
ベンチャー企業は、資金を集めるために、ついつい大風呂敷を広げたり、成長したいと思うがゆえに大きな市場を狙いたくなります。
その結果、差別化戦略をとり、コスト高となり、資金が枯渇し倒産します。
非常に多くのベンチャー企業は、このパターンで倒産していきます。
これに対し、集中化戦略とは、市場をセグメント化しその中に資源集中して強者(大きな魚)となる戦略です。必ずしも、ニッチマーケットである必要はありません。
我々も、人材派遣という巨大なマーケットに挑みましたが、経理・財務専門というブランドを打ち出し、約2年弱で専門派遣としては国内最大級となっています。
さらに、これによる経営資源の充実から、税理士業務のシェアアップを現在図っております。
もともと、税理士業務は、私にとっては、あまりにも巨大なマーケットです。その中で、少々の差別化を行っても先輩にかなうはずはありません。
別のマーケットで優位性を持って、改めて本丸に攻め入る必要があります。
さらには、財務系コンサルティングや人材コンサルティング・経営コンサルティングへも同様に拡大していけばよいのです。
小さな池の大きな魚は、繁殖によって、他の小さな池にも移り住めばよいのです。
最初から大きな池に住もうとは思ってはなりません。
PS:本日から、タックスハウスの関係でニューヨークに出張してきます。
主に、H&R社等の見学が中心です。ニューヨークに支社を作ろうとはまだ思いませんが、香港に支社を作ることを来年以降、本格的に検討しようと思っております。
中国は、既に世界の工場から世界のマーケットに移り変わろうとしています。
中国から工業製品を輸出しているときは、中国の債権は関係会社間のものですが、中国で販売しようとすれば、債権管理の重要性が増します。
中国子会社における経理業務の重要性も高まることと思います。
後はそのタイミングです。早すぎても遅すぎてもダメです。『時流』という波がいつ来るのか?来る予感だけはしています。