久野康成公認会計士事務所/株式会社東京コンサルティングファーム(TCF)の 【国際化支援ブログ】

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ロゴス パトス エートス

2014年11月28日 | 所長と熱く語ろう!(久野康成)
アリストテレスは、弁論術の中で、

①ロゴス  理論

②パトス  情熱

③エートス 信用

の三つが重要と考えました。


これは、まさにリーダーシップの条件にも重なります。


リーダーとは、

①価値設定  ・・・理念、哲学、目標を決める  (何を言うのか?)

②価値共有  ・・・情熱的に語ること

③価値実現  ・・・人間力、信用力をたかめ、組織をまとめる (誰が言うのか?)



また、アリストテレスの分類は、

マックス・ウエバーの支配の三分類にも重なります

①合法的支配 (社会契約説)

②伝統的支配 (王権神授説)

③カリスマ的支配



このように考えると、人間力とは、形をかえたカリスマ的支配ともいえます。

俗人的コントロールより、ロゴスを中心とした正しい価値設定で企業運営をすることが望ましいことが分かります。




さて、支配は、正統性に結びつく概念です


国王は、王権神授説を唱え、自らのポジションは、神に選ばれたものと主張しました。


しかし、残念ながら多くの国王は、浪費癖があり、
英国王ジョンは、マグナカルタを受け入れざるを得ず、フランス王ルイ16世は、ベルサイユ宮殿による浪費が遠因となり、フランス革命で処刑されました。


王権神授説は、実務的に破綻するのです。(日本や英国では、象徴として残ってはいます。英国王や天皇が世襲制であるのはそのためです)



では、会社の社長は、何によって正統化されるのか?

法的支配だけでは不十分でしょう。


法的支配とは、株主総会で正しく選任されれば、法的には問題ありません。

しかし、多くの中小企業は、株主と経営者が同一であり、所有と経営が分離できていないので、株主による統制ができません。
つまり、解任ができないのです。



経営者の正統性は、法的だけではなく、実績によってしか正統化できません。

経営者が権力を持つことが正統化されるのは、十分な実績を残していることが前提なのです。









金を稼ぐ人間が、会社をつぶす

2014年11月26日 | 所長と熱く語ろう!(久野康成)
金を稼ぐ人間は、会社に貢献していると思われがちだが、実は、全く違う。

もちろん短期的には、金を稼ぐ人間は重要である。


しかし、長期的には、金を稼ぐ人間は、諸刃の刃で、会社を破滅にも追い込むのである。


金を稼がない人間が、会社をつぶすことはない。

なぜなら、金を稼がない人間が、部下を持つこともなく、その人間が与える損失もまた、その人間一人分の人件費にすぎない。


金を稼がない人間の影響力の範囲は、限定的であり、その損失もまた、コントロールしやすい。


これに対して、優秀で金を稼ぐ人間の方が問題だ。


会社における影響力があり、部下も多く、その人間の失敗が、会社全体の失敗につながるのだ。




会社をつぶす人間とは、金を使う人間である。

金を使う人間は、金を稼ぐ人間の中から選ばれる。


金を稼ぐ人間は、傲慢になりやすく、コントロールが難しい。

誤った人間をトップに据えれば、必ず会社は破綻する。


金を稼ぐ人間こそが、会社をつぶすのである