さすがに寒くなった。手がかじかんできた。朝に畑へ自転車をこいでいくと手袋がほしくなる。私の町ではもう初霜は降りたのだろうか。冷気が満ちた畑は清々しい。
ホウレンソウに露が降りていた。霜が融けたものかどうかわからない。それにしても、露のホウレンソウがなんともうまそうだ。これはチヂミホウレンソウ。寒くなるいまの時期からホウレンソウはがぜんうまくなってくる。いまは葉が立っているのだが、これからしだいに横に広がり地べたに伏せるようになる。そうなったらしめたものだ。
ところが困ったことがある。このところ暖かい日が続いたのでホウレンソウが思いのほか大きくなった。ちょっとばかり計算が違った。
ホウレンソウは来年2月まで食べ続けることができるよう計画的にタネをまいてきた。一番最後にタネをまいたのは10月中旬。これが来年正月から収穫するものになるのだが、どうも育ちがいい。これが大きくなってきている。あまり大きくなったら収穫するほかなく、来年の分がなくなってしまう。これでは困るから、そろそろ寒くなってもらいたい。ここらあたりで寒波到来を期待している。
計画を立てたにしろ、自然はわが意のままに動いてくれないから、計画通りにはならない。現実はとにかく大きくなって味が落ちない前にせっせと食べなければならない。私の晩酌にはホウレンソウのおひたしは定番だ。それだけ好きだということもあるのだが、ホウレンソウは毎日食べても飽きがこないから不思議だ。