末期高齢者になってしまった老人の日記

我が家の花の写真を中心に、日々の暮らしの中で起きたこと等を書かせていただきます。

アソルに関する思い出 その1

2011-09-10 13:28:36 | 海外旅行
大理石の少女 高さ30センチで大好きな像

図に乗って、昨日と逆の様な思い出話をさせて頂きます。

アソル(Athol)
米マサチューセッツ州にあるアソルと言っても
先ずご存知の方は無いと思います。
調べて見ると現在の人口も僅か15千人程度の小さな町で
有名なものは何もない所です。
そして1972年に、次回書く様に小生ここを訪れました。


G社長さんの思い出

実はここにあった会社K社のユニークな機械を1963年頃技術導入したために
今回の物語は始まります。
K社の社長Gさんもまた素敵な人柄の技術者でした。

家におられたら、こんな感じの素敵な方 Gさん失礼

技術導入した当初、技術指導と顧客へのPRに来日されました。
大変ユニークな機械のために、その機械の模型を持参され
それを持って、小生もご一緒に顧客を廻って説明した
懐かしい思い出があります。
実はこの機械については、専門誌に掲載されたのを見て
これは行けそうだという事で技術提携したのですが
提携に当たり事業部長さんに説明すると
「そんな説明通りの機能があるとは思えない」と言われた程
ユニークな機械でした。
お陰で生産を始めると大変評判がよく
念のため今日インターネットで調べてみると
この機械についての販売実績が見つかり
最初に売れたのが1964年で、現在まで40数年間も
売れ続けていることが分かり、嬉しい気分になりました。
天上におられるGさん有難うございました。


H大先輩の思い出

話が脱線して恐縮ですが、この時にK社と米国で
技術提携の交渉をして下さったのが
当時NY事務所に駐在されていたHさんです。
Hさんは小生より10才以上年上の大先輩ですが
大学は物理と経済の両方を専攻された方で
またHさんが外人を連れて日本に来られると
外人の英語は聞きとれるが
Hさんは早口の上にスラングが入り込んで聞きとれないという程
英語は達者な方で、大変有能な方でした。


Hさん今日は手を出さずに聞いているだけですよ

その後日本に帰国された時には、なんと小生の課長さんになられ
またHさんがその後移動された時には、小生初めての課長職として
其の後を引き継いだという特別の関係もありました。
残念ながらHさんは3年前にお亡くなりになりました。
お葬式での牧師さんのお話で
Hさんのお父さんは日本の大手商社に勤め
米国に長く駐在されていたためにHさんは米国で生まれ洗礼を受け
その後高校・大学での日本の教育を受ける為に
日本に来られたという事をお聞きして
英語の堪能の理由を初めて知りました。
天上のHさん、こんな事書いて御免なさい。


息子のG社長
上述したG社長さんはその後お亡くなりになり
息子さんが後をとられました。
息子さんは技術屋でなく、専ら商売だけ。
今インターネットで調べると、G社は他社に買収されて
無くなってしまっており、淋しい思いをしました。

さて息子のG社長(以下GJ社長)が、多分1960年末頃
契約の延長に関する交渉で日本に来られました。
小生としては、お互いに満足出来る条件で
延長契約の交渉は簡単に終わると思っていました。
そこに登場するのが、S技師長さん。


S技師長さん

S技師長さんは、会社でも大変偉い方で
また頭の切れる方で有名な方でした。
小生の勤めていた会社は従業員数3万人以上で
S技師長さんはそこでの技術のトップのお一人ですから
小生の属する事業部の技術問題等については
高い立場で見ておられるだけで
小生が行う技術提携については無干渉の立場におられました。

お前の様な若造にはまかせておけない

それがどういう経緯からかは忘れてしまいましたが
GJ社長と小生の話し合いの場にS技師長さんが現れ
自ら交渉を始められたのです。
実はS技師長さんは、米国の最大手の一つの会社との
技術提携交渉を何時も担当されておられる方です。
多分その会社との交渉のやり方でしょうか
相当厳しい要求を次々に出されました。
GJ社長はただびっくりして聞いていました。

ただ困って見つめるGJ社長とktemple

その打ち合わせが一先ず終わってGJ社長はホテルへ戻られました。
暫くすると機械を製造している工場長さんから電話があり
「ktempeさんよ、今GJ社長からの電報が入り
契約を破棄すると書いてあるがどういう事か」とのお尋ね。

小生もびっくりして直属の事業部長に
「契約継続こそ我が社の利益になるので、S技師長の要求は取り下げ
小生の案で取りまとめたい」旨を申し上げて了承を得
早速GJ社長の泊まっているホテルに出向き
お互いの利益のために、小生の案で手を握ろう」とい事で
GJ社長も了承してくれ、継続契約を纏める事が出来ました。

S技師長さんにはその事は報告しませんでしたから
当然耳には入ったと思われます。
しかし何等お咎めがなかったどころか
その後も前と変わらず色々とご指導を頂き
やはり偉いか方は違うと心から思いました。
天上のS技師長さん
こんな事を書いてしまいましたがお許し下さい。