安楽寺で最後にご紹介するのは国宝八角三重塔です。
この塔は何度か見学していますが、何度行ってもその美しさに見惚れる塔です。
日本に残っている唯一の八角塔
八角三重塔は安楽寺背後の山腹にある鎌倉末期に建立された純粋の禅宗様建築の塔で
八角の塔としは日本に残っている唯一の貴重なものです。
このため長野県では一番早く国宝に指定されました。
八角の塔が日本で残っているのはこの塔だけですが、中国では塔は八角が通例です。
禅宗は中国から中世に日本に入ってきた宗教であり、
安楽寺の開山、二世は中国に関係の深い方で
特に二世の恵仁さんは中国生まれであったことから
恵仁さんが故国の意匠を取り入れて造営したと思われます。
八角三重塔の外観
本堂左手の道を上っていくと、前方の見上げるようなところに、
八角三重の塔のすばらしい姿を見ることが出来ます。
昼なお暗いような檜・杉の木立の中の坂道を、この塔を仰ぎながら上っていくと、
厳かで気高いものを感じます。
側に行って塔を見上げると、どっしりした落ちつきがある塔です。
頂上には相輪が聳え、各層の屋根の下には、
華やかな「木組〔きぐ〕み」がぎっしりと詰まっています。
それらが、この塔に何ともいえない上品さと華やかさを与えています。
塔は一見四重の塔に見えますが、実は建築学上、
一番下の屋根は裳階〔もこし=ひさしまたは霜よけの類)をつけた珍しい形式で、
正確には「裳階付き木造八角三重塔」で、略して「八角三重塔」と言っています。
建立年代は、調査の結果三重塔用材の伐採年代は1289年ということが判明したため
少なくとも1290年代には建立されたことが明らかとなったわが国最古の禅宗様建築です。
以下禅宗様式の特徴である木組みをみることにします。
禅宗様式を示す木組み
扇垂木(おうぎたるき)
屋根の下に張り出した垂木を見ると、皆扇の骨のように放射線状に外側に拡がっており、
これを扇垂木といい禅宗様式特有のものです。
なお垂木とは、屋根板,あるいは屋根下地材を直接支えるために,
棟から外周の軸組に斜めに架け渡された部材の事です。
詰組(つめぐみ)と弓形連子(れんじ)
各層の屋根の下には、ぎっしりと木を組んであるのが見えます。
和様では組物は柱の上だけにあるのが普通ですが、
ここでは柱の上とその間にも入っており、いっぱいに詰まって見えます。
これを「詰組」といって、庇をできるだけ外に張り出すため工夫されたもので、
やはり禅宗様式の特徴です。
このような木組みがあるため、この塔の軒は思いきって外まで張り出すことが出来、
雨だれが塔の根元に当たることを防いでくれているのです。
その上に「木組み」そのものが美しい「工芸の美」となっています。
また上の写真の一番下に縦の線が見えますがこれは弓の様な形をした縦線で、
横に帯の様に並んでいます。これを「弓形連子」と言い
空気の流通をよくするための隙間になっています。これも禅宗様式です。
連子窓
一、二、三層には縁や手摺がありません。
また扉もなく二層・三層には窓が八つずつ開いています。
このような窓を「連子窓」といい、禅宗様式の建物に特別にあるものです。
ご挨拶
実は今日小生82歳の誕生日を迎えました。
人生50年と言われた時代に生まれた小生ですが
今や男子の平均寿命は79.94歳と大幅に増え、しかも小生はそれを遙かに超す状態で、
ただ馬齢を重ねているだけで恥ずかしい思いです。
幸いなことにこのブログを書くことにとり皆様からの暖かいコメントを頂いたり
また皆様の素敵なブログを拝見させて頂き色々の知識を得たり
勝手なコメントを書かせて頂いていることが日々の生き甲斐の一つになっています。
爺さんこの頃ボケ出していますので、皆さんへのコメントがピントはずれであったり、
失礼な事を書くこともあると思いますが
「爺さんボケたな!」と言うことでお許しいただければ幸いです。
どうぞこれからもブログを通じてのご厚誼を賜りますよう宜しくお願い致します。
また我が家では家内が健康で、何でもてきぱきと処理してくれていますので
日々の暮らしが順調に行われており、家内に感謝です。
この塔は何度か見学していますが、何度行ってもその美しさに見惚れる塔です。
日本に残っている唯一の八角塔
八角三重塔は安楽寺背後の山腹にある鎌倉末期に建立された純粋の禅宗様建築の塔で
八角の塔としは日本に残っている唯一の貴重なものです。
このため長野県では一番早く国宝に指定されました。
八角の塔が日本で残っているのはこの塔だけですが、中国では塔は八角が通例です。
禅宗は中国から中世に日本に入ってきた宗教であり、
安楽寺の開山、二世は中国に関係の深い方で
特に二世の恵仁さんは中国生まれであったことから
恵仁さんが故国の意匠を取り入れて造営したと思われます。
八角三重塔の外観
本堂左手の道を上っていくと、前方の見上げるようなところに、
八角三重の塔のすばらしい姿を見ることが出来ます。
林を通して見る八角三重塔
昼なお暗いような檜・杉の木立の中の坂道を、この塔を仰ぎながら上っていくと、
厳かで気高いものを感じます。
側に行って塔を見上げると、どっしりした落ちつきがある塔です。
近くから見上げた八角三重塔
塔横の山腹から見下ろした八角三重塔
頂上には相輪が聳え、各層の屋根の下には、
華やかな「木組〔きぐ〕み」がぎっしりと詰まっています。
それらが、この塔に何ともいえない上品さと華やかさを与えています。
塔は一見四重の塔に見えますが、実は建築学上、
一番下の屋根は裳階〔もこし=ひさしまたは霜よけの類)をつけた珍しい形式で、
正確には「裳階付き木造八角三重塔」で、略して「八角三重塔」と言っています。
建立年代は、調査の結果三重塔用材の伐採年代は1289年ということが判明したため
少なくとも1290年代には建立されたことが明らかとなったわが国最古の禅宗様建築です。
以下禅宗様式の特徴である木組みをみることにします。
禅宗様式を示す木組み
扇垂木(おうぎたるき)
扇垂木
屋根の下に張り出した垂木を見ると、皆扇の骨のように放射線状に外側に拡がっており、
これを扇垂木といい禅宗様式特有のものです。
なお垂木とは、屋根板,あるいは屋根下地材を直接支えるために,
棟から外周の軸組に斜めに架け渡された部材の事です。
詰組(つめぐみ)と弓形連子(れんじ)
詰組の様子
各層の屋根の下には、ぎっしりと木を組んであるのが見えます。
和様では組物は柱の上だけにあるのが普通ですが、
ここでは柱の上とその間にも入っており、いっぱいに詰まって見えます。
これを「詰組」といって、庇をできるだけ外に張り出すため工夫されたもので、
やはり禅宗様式の特徴です。
このような木組みがあるため、この塔の軒は思いきって外まで張り出すことが出来、
雨だれが塔の根元に当たることを防いでくれているのです。
その上に「木組み」そのものが美しい「工芸の美」となっています。
また上の写真の一番下に縦の線が見えますがこれは弓の様な形をした縦線で、
横に帯の様に並んでいます。これを「弓形連子」と言い
空気の流通をよくするための隙間になっています。これも禅宗様式です。
連子窓
一、二、三層には縁や手摺がありません。
また扉もなく二層・三層には窓が八つずつ開いています。
このような窓を「連子窓」といい、禅宗様式の建物に特別にあるものです。
連子窓
ご挨拶
実は今日小生82歳の誕生日を迎えました。
人生50年と言われた時代に生まれた小生ですが
今や男子の平均寿命は79.94歳と大幅に増え、しかも小生はそれを遙かに超す状態で、
ただ馬齢を重ねているだけで恥ずかしい思いです。
幸いなことにこのブログを書くことにとり皆様からの暖かいコメントを頂いたり
また皆様の素敵なブログを拝見させて頂き色々の知識を得たり
勝手なコメントを書かせて頂いていることが日々の生き甲斐の一つになっています。
爺さんこの頃ボケ出していますので、皆さんへのコメントがピントはずれであったり、
失礼な事を書くこともあると思いますが
「爺さんボケたな!」と言うことでお許しいただければ幸いです。
どうぞこれからもブログを通じてのご厚誼を賜りますよう宜しくお願い致します。
また我が家では家内が健康で、何でもてきぱきと処理してくれていますので
日々の暮らしが順調に行われており、家内に感謝です。