ウェッジウッドのジャスパーウェア
お好きの方も多いと思いますが、小生も大好きなウェッジウッドのジャスパーウェアが
4段目に少しありますので、それをご紹介させて頂きます。
ウェッジウッドについて
ウェッジウッド(Wedgwood & Corporation Limited)は「英国陶工の父」ジョサイア・ウェッジウッドによって
1759年に設立されたイギリスの陶磁器メーカーで、
世界最大級の陶磁器メーカーの一つであり、主に高級食器を製造・販売しています。
常に新しいものに挑戦して時代をリードする革新的な精神を持っていたジョサイアは、陶磁器を芸術の域にまで高めました。
その製品には「クイーンズウエアー」「ファインボーンチャイナ」「ブラックバサルト」「ジャスパーウェア」等があり、
きめ細かく輝く素地に鮮やかに映える絵柄や、洗練された形は実に多種多様です。
以下小生が少し保有している主力商品の一つであるジャスパーウェアについて説明します。
ジャスパーウェアとは
ジョサイアによる数千回の実験と研究の末、1775年に誕生したストーンウェアであり
カメオガラス(瑪瑙、大理石、貝殻などに浮き彫りを施すローマ時代に流行したカメオ細工を応用した技法により作成されたグラス)など
古代ギリシャ、古代ローマ美術の形状や装飾をモティーフとし、その古典主義的なスタイルは一世を風靡し
以後長い間にわたりウェッジウッド社の主力商品として発展し、現代でも盛んに生産されています。
多くは表面に別色のレリーフ(浮き彫り)装飾が施され、堅牢で実用性と装飾性が両立しており
広範に亘る用途の器物が製作されています。
なおストーンウェア(炻器)とは、素地が固く焼き締まった焼き物で、非透光性である点で磁器と区別し、
気孔性のない点で陶器と区別されます。
綺麗なレリーフ装飾が施されジャスパーウェアのペールブルーのプレート
上記の裏面で、製作者名、購入日が記載されています
ジャスパーウェアの種類
大きく次の二つに分けられます
1 ソリッドカラー:胎土(土器や陶磁器を製作する際にあたって原材料として使用された土)に色素を含ませたもので、
現在主流を占めています。
2 ディップドカラー:胎土に色素を含ませず、外面を青や緑などの色で覆ったもので、2色のものもあります。
ジャスパーウェアの色
10数色ありますが、その中でも生産量の多い色には次のものがあります。
ペールブルー
上掲のプレートに見られる明るい青のジャスパーを代表する色で「ウェッジウッド・ブルー」とも言われています。
色別に見ると生産量がもっとも多い色です。
ペールブルーの入れ物
蓋の模様
ロイヤルブルー
濃い青で現代ではディップドカラーのみわずかに作られています。
ロイヤルブルーの入れ物
セージグリーン
明るい灰緑色で、ペールブルーに次いで生産量が多いものです。ディップドカラー、ソリッドカラー共に作られています。
セージグリーンの茶器
反対側にも同じレリーフがあります。
ドイツチューリンゲン製ハンドメード陶器
ドイツ陶磁器と言えば、マイセンを思い浮かべると思いますが
余り名前を聞かないチュリングで作られたハンドメード陶器が、この棚に一つだけありますので掲載します。
チュリングはドイツの州で、そこには18 世紀の終わりまでチューリンゲンの磁器として知られている
非常に多くの磁器メーカーがありました。
清楚で華麗な装飾陶磁器で、今も最後の工程に至るまですべて手作業で作られています。
その歴史は18世紀中頃のドイツ、チューリンゲン地方で生み出され、
その技術は父子相伝の技として二百数十年の歴史を越え作品の中に生き続けています。
マイセンの品質のような必ずしも良いものではありませんが、大きなメーカーに欠けている特徴があります。
それはこの陶器は王や上流社会向けに作られたものでなく、中流階級のためのものだった事です。
そのため当然当時は多くあったものでしたが、18 世紀チューリンゲンの磁器は今は非常に数少なくなっており
見つけるは非常に難しいものになっています。従って写真の陶器は現代の作品です。
レリーフの多い表側
反対側
作者・産地等が出ている底裏