前回のブログで少し触れたプ開会は5月29日に開催され
集まったのは女性4人、男性3人の7人で先ず旧岩崎邸庭園を見学し
その後上野東天紅で美味しい昼食を楽しみました。
先ず旧岩崎邸庭園見学について何回に分けて書きたいと思っています。
旧岩崎邸庭園について
東京都台東区にある旧岩崎邸庭園は、三菱第3代社長の岩崎久彌の邸宅として1896年に建てられたもので
洋館・撞球室(ビリヤード場)・和館の3棟が残っており、建物とその庭園を公園として2001年に開園された都立庭園です。
当初および現在の敷地と建物図
洋館・撞球室は「鹿鳴館」の建築家であるジョサイア・コンドルの設計で近代日本住宅を代表する西洋木造建築であり
洋館、和館、撞球室の3棟ならびに宅地は、「旧岩崎家住宅」として1969年に国の重要文化財に指定
また洋館北面袖壁、煉瓦塀、実測図1枚が重要文化財の附として指定されました。
洋 館
大正12年の関東大震災でも建物は健在で、被災した近隣住民に避難所として開放されました。
戦時中の空襲も免れ、戦後はGHQに接収されましたが昭和28年に日本政府に返還され
現在所有は文部科学省で管理は東京都によって行われています。
往時の本邸は550坪に達する大邸宅でしたが、和館の大部分が取り壊されてしまった結果
現存する和室は大広間、次の間、三の間の3室と、茶室(待合室)、渡り廊下、便所のみとなりました。
和 室
以下今回の見学順に紹介します。
入り口
入り口
塀
更に進むと邸宅を囲む塀があり、これも重要文化財の一部を構成しています。
文化財に指定されている塀
洋館・和館見学
洋館・和館・撞球室は次の図の様な間取りのなっています。
なお洋館は撞球室(ビリヤードルーム、木造一階建地下室附)と地下道でつながれています。
先ず洋館を見学しました。
洋館の概要
洋館は、明治期の上層階級の邸宅建築を知る上で貴重な遺構となっています。
北面を正面とし、正面玄関部分は平面四角形の塔屋となっています(上記洋館写真参照)。
反対側の南面には1階、2階とも列柱のある大きなベランダがあります。
洋館南側ベランダ
内外装とも全体のスタイルや装飾は英国17世紀のジャコビアン様式
(イギリスのジェームズ1世時代(1603~25年)の建築・工芸様式。垂直線を強調した中世ゴシック様式と
古典古代の規則的な構成の装飾表現が混在しており、家具ではねじり棒型や丸型の脚が特徴であり
建築ではロンドン郊外のクイーンズハウスが代表例)を基調としながら
南面のベランダにはコンドルが得意としたコロニアル様式も表れています。
一方、客室の天井装飾、床のタイル、暖炉などの細部にはイスラム風のデザインを施すなど様々な様式を織り交ぜています。
なお、東側のサンルームは後年(1910年頃)の増築です。
木造2 階建・地下室付の建物の内部は
階段ホールを中心に、1階には岩崎久弥が用いた書斎、客室、大食堂などがあり
2階には内向きの客室や集会室などがあります。
建設当時は多くの部屋や廊下の壁面に金唐革紙が貼られていましたが
現在は当時の壁紙は失われており、平成の修復に際して、2階の2部屋だけ金唐革紙が復元されました。
金唐革紙
終わり