末期高齢者になってしまった老人の日記

我が家の花の写真を中心に、日々の暮らしの中で起きたこと等を書かせていただきます。

ローマ その10 コロセウムの2

2012-06-25 19:41:27 | 海外旅行

コロセウムの構造

概 要

コロセウムは山腹に組み入れられた初期のギリシアの円形競技場と違って

完全な自立式建造物です。

コロセウム復元模型


コロセウムの現状

外壁は楕円形で、長径189米、短径156米、底面積は24,000平方米

外壁の高さは48米、 周囲の長さは545米でした。

中に造られている円形中央闘技場(アリーナ)は

長さ87m、幅55mの卵形で、高さ5mの壁に囲まれており

その上に観客席が造られていました。

しかし、何世紀かにわたる地震で崩れ、大きく損傷してしまいました。

現在円形の外壁として残っているものは内壁で

北側にのみ外壁が残っています。


内外壁の現状


残された北側外壁

上の写真の様に残っている堂々たる外壁部分は

石造りの土台の上に載った三階からなるアーケードからできており

その上には背の高い装飾的な壁(attic)になっています。

いずれにも定間隔におかれた窓が開けられています。

アーケードは古代ローマ建築様式のトスカナ様式、イオニア様式

コリント様式の半円形柱によって作られています。

一例としてアカンサスの葉を飾った華麗な柱頭が特色なコリント様式の柱

そして、2,3階の回廊のアーチには古代神話の神々や

その他の像が飾られていました。

外壁西側の切れ目と内壁


観客席

身分階層の厳しかったローマ社会を反映して、観客席は身分階層別に造られていました。


座席横断面図

上記を少し図形化したもの


同上

皇帝と修道女(Vestal Virgins)のための特別席として

一番下のアリーナが最も良く見える南北端に夫々用意されました。

それらの横には、元老院達の幅広い観客席があり

そこでは自身の椅子を持ちこむことも出来ました。

元老院席の上の段には、元老院でない貴族階級や騎士の席がありました。

その上が一般市民席で、二つの部分に分かれており、

下の部分は富裕階級の市民の席、上の部分は普通市民の席でした。

そして最上部に、貧しい者、女性、奴隷のための立ち見の場所と

急傾斜の木の椅子がありました。

天井部分は開放されているために、日除け用の布を張る設備がありましたが

皇帝席には一日中直射日光が当たらないように設計されており

また一般の観客席についても一日に20分以上日光が当たらないように

工夫がなされていました。


大収容力への対応

大きな収容能力があるため、早く席についたり、退場できることが重要でした。

1階には、80の出入り口が円周上に配置され

席がある3つの階への独立した出入り口となっていました。

そのうちの76ケは一般の観客用で

夫々の出入り口には夫々の階段の番号がつけられていました。

残り4つのうち、北の主入り口は皇帝とその側近により

後の中央にある3は上流社会の人々により利用されました。

各々の席には番号がつけられており、

各自の身分、番号等からその席を正確に指定できました。

観衆は入り口で階段番号や座席番号のついた陶器破片のチケットをもらい

出入り口から座席の列に通じている独立の通路を通って

座席に行く事ができました。

これにより、イベントが終った時や緊急避難において

2、3分以内に観客は出る事ができました。










ローマ その9 コロセウムの1

2012-06-23 22:37:20 | 海外旅行
我が家の花以外は殆ど新しいネタが見つけられない現在の小生

さてどうしようかと考えていたら

大分前にイタリアの旅をご紹介したのが3月で途切れている事を

思いだしましたのでまた続けさせて頂きます。

今回から暫くコロセウムをご紹介します。

Google Earthで見たコロセウム

コロセウムと聞けば、ローマにある楕円円形劇場で

剣闘士たちの戦いなどが行なわれた場所という事は

皆さんも思い起こされると思います。

コロセウム(Colosseum)はローマ市に残る、

ローマ帝国時代の西暦70年代にフラウィウス(Flavius)王朝の

ウェスパシアヌス帝(Vespasian)が起工し

80年に彼の息子ティトス帝(Titus)により完成された

都市の中心にある円形闘技場で、古代ローマの象徴でもあり

最大の建造物です。

実は小生見学した時はこの程度の知識でしたが

今回調べてみると色々と知らない事がありましたので

長くなりますがご紹介しますので、ご興味があればご覧頂ければ幸いです。

ビデオ撮りに夢中のktemple.変な所が光っていますね

上の写真でご覧いたける様に、小生ビデオ撮りに夢中で写真は殆どありません。

唯一残っている建物写真

この家内写真との合計3枚以外は、ネット上の写真

幸いネット上の下記に素敵な写真と解説がありましたので、それを利用しました。

若し更に詳細を知りたい方は下記にアクセスしてみて下さい

1)英文版Wikipediaの「Colosseum」  http://en.wikipedia.org/wiki/Colosseum
  こちらには非常に詳しい解説があります。

2)ROME in the footsteps of an XVIIIth century travellerの中にある
  Piazza del Colosseo  http://www.romeartlover.it/Vasi33.htm



名前の由来

コロセウムの元々のラテン語の名前は

フラビアン円形劇場(Amphitheatrum Flavium)で

上述した様に、建設がフラビアン(Flavius)王朝の王様達により

建設されたために、それに因んだ名前でした。

現在でもその名前は使われてはいますが、通常はコロセウムと呼ばれています。

コロセウム(Colosseum)の名前は

近くにあった37米の高さのネロの巨大な像(Colossal Statue)に

由来すると言われています。

ネロ像の想像図。「Rome Reborn」サイト掲載のもの 

ネロの像はロードスの巨像(the Colossus of Rhodes)の名をとって

名付けられたもので、ネロ自身が西暦64~69年に建てたものです。

ネロの後継者によって太陽の冠を加えることによって

太陽の神 Apolloによく似たものに作り直されました。

そして数回も後継の皇帝の頭に入れ替えられもしましが

中世の時代にもしっかりと立ったまま残っていた像は魔力を有すると信じられ

ローマの永続性の伝統的象徴とみなされるようになりました。

多分中世までは残っていたと思われますが、現在は土台が残るだけです。


用 途

50,000人の見物人を着席させることができたコロセウムは

剣闘士の戦いや野生動物の狩猟のショーをはじめ、処刑、有名な戦いの再現、

ローマ神話に基づくドラマの様な大衆の見世物のために使われました。

更にやキリスト教徒を猛獣に襲わせる残酷なショーもありました。

野生動物の狩猟のショーでは

アフリカと中東から輸入した多種類の野獣(例えばサイ、カバ、象、キリン

原牛、ヨーロッパバイソン、ライオン、ヒョウ、ヒョウ、クマ、トラ、ワニ

ダチョウ)を利用し、動かせる木と建物を持った精巧なセットの中で

しばしば行われました。

そのようなショーは、時折大規模に行なわれており

例えば11,000匹の動物と10,000人の闘士が出た戦いが

123日に渡り行なわれたという記録があります。

初期においては競技場にローマ水道より引いた水を張り

模擬海戦を上演することさえ可能で有名な戦いの再現も行なわれました。

その後せり(迫)のような複雑な舞台装置を設置したために

水を使った大規模演出は不可能となりました。

然し後述の歴史で詳細を記載しますが

中世初期にはエンターテイメントのために使われるのをやめ

その後は住宅、工場、修道会の宿舎、要塞、採石場そしてキリスト教の

聖地として利用され、現在でも特定の日にはキリスト教の

宗教儀式の舞台になっています。

そして何百万もの見学者を毎年受け入れるローマの最もポピュラーな

観光名所の1つになっている現状です。


フェルメールについての各種データー その2

2012-06-11 15:10:55 | 暮らし
前回ご紹介した様にフェルメールの絵は36点だけですが

ここ10年余間に東京の美術館で小生が見る事が出来た絵だけでも

16点ですから、若し日本で展示されたフェルメールの絵を

全部見たとすると相当数になることは間違いなく

やはり日本は恵まれていますね。

展示美術館としては、2008年には7点の作品を一挙に展示した

東京都美術館が断トツで、ついで国立西洋美術館、

次に渋谷文化村のザ・ミュージアム、国立新美術館となっています。

それらの作品と、展示された展覧会名、開催年度、

開催美術館等は次の通りです。


1 真珠の耳飾りの少女

  「マウリッツハイス王立美術館展」     1984年国立西洋美術館
                             (予定2012東京都美術館)
                       


 ディアナとニンフたち

  「マウリッツハイス王立美術館展」    1984年国立西洋美術館 
  「フェルメール展 -光の天才画家とデルフトの巨匠たち」 
                            2008東京都美術館
  「マウリッツハイス王立美術館展」    (予定2012東京都美術館)



3 手紙を書く女

     「ワシントン・ナショナル・ギャラリー展」 1999年東京都美術館 
   


4 恋文

  「アムステルダム国立美術館所蔵 17世紀オランダ美術展」
                        2000年国立西洋美術館



5 絵画芸術

「フェルメール画家のアトリエ 栄光のオランダ・フランドル絵画展」
                          2004年東京都美術館



6 窓辺で手紙を読む女

「ドレスデン国立美術館所蔵 ヨーロッパ絵画名作展」
                          2005年国立西洋美術館



7 牛乳を注ぐ

「フェルメール「牛乳を注ぐ女」とオランダ風俗画展」
                                2007年国立新美術館



8 マリアとマルタの家のキリスト

「フェルメール展 -光の天才画家とデルフトの巨匠たち」
                       2008東京都美術館 

9 小路
                           同上



10 ワイングラスを持つ娘
                           同上


11 リュートを調弦する女
                           同上


12 手紙を書く婦人と召使  
                            同上



13 ヴァージナルの前に座る若い女
                            同上



14 ディアナとニンフ達
                         同上


15 レースを編む女

 「ルーブル美術館展 -17世紀ヨーロッパ絵画」  
                          2009年 国立西洋美術館



16 地理学者

  「フェルメール地理学者とオランダ・フランドル絵画展                                                                                              2011年ザ・ミュージアム                                                          


以下は残念ながら見る事が出来なかったもの

17 青衣の女

 「フェルメールからのラブレター」 2011-12年ザミュージアム
 
                        
 
 

18 手紙を書く女      
                       同上



19 手紙を書く婦人と召使            
                       同上




前回とダブッテ掲載した絵もありますが

皆さん気に入られた絵があったでしょうか?

フェルメールについての各種データー その1

2012-06-07 19:46:32 | 暮らし
大好きな美術展、今年は足の状態が少し良かった4月に

ボストン美術館展は見たものの、是非と思っていた

ザ・ミュージアムの「フェルメールからのラブレター」は終わり

国立新美術館で開催中のセザンヌ展も終わりに近く行けそうになく

TVでの紹介を見るだけで我慢しています。

今月末に再開する東京都美術館のマウリッツハイス美術館展には

何とか行けるのではと期待しています。

この展覧会では、皆さんもご存知と思われる

「真珠の耳飾りの少女」が展示されます。

真珠の耳飾りの少女

「真珠の耳飾の少女」とは小生以前ご対面したことがあり

本棚にもその絵が飾ってあるため、毎日見詰めたり見詰められたりしています。

同じ上野公園の国立西洋美術館で間もなく開催されるベルリン国立美術館展では

「真珠の首飾りの女」(耳と首で紛らわしいことです)が展示されます。

真珠の首飾りの女


実は少し前に、ここ何年かの間に見た美術展の関連資料ファイルが

何冊にもなって場所をとっていたので処分しました。

大半はカタログを購入してあるため捨ててしまえば良いのですが

スキャナーで読み込んでHDに入れるという無駄な作業をしました。

小生色々の情報を保存する悪癖があり

TVの各種美術番組については10年間以上も

外付けHD、CD,ブルーレイディスク等に保管しており

世界の有名絵画の多くは何時でも見ることが出来るのですが

実際には新しい美術番組を見るだけでも手一杯で

殆ど利用していないのが実体です。

たまたま昨日の朝日新聞にマウリッツハイス美術館展に絡んで

「真珠の首かざりの少女」についての記事があり

また保管した資料の中にもフェルメールについての資料もありましたので

今日は17世紀オランダの画家ヨハネス・フェルメール ( 1632―1675)の

幾つかのデーターをご紹介する事にしました。

長い資料ですのでご興味があればご覧頂ければ幸いです。


皆さんフェルメールのどの絵がお好きですか?

2008東京都美術館「フェルメール展 -光の天才画家とデルフトの巨匠たち」の

展覧会前に、朝日新聞社が行ったアンケート結果ですと

好きな絵の一位は、やはり「真珠の耳飾の少女」が一位でした。


1位 真珠の耳飾の少女 (40.5%) 

2位 牛乳を注ぐ女(14.3%)



3位 デルフトの展望(9.0%)



4位 窓辺で手紙を読む女( 3.2%)



5位 レースを編む女(2.8%)



フェルメールとその作品について、どこに一番の魅力を感じますか?

1位 光の使い方(47.1%)、2位 静謐さ(14.3%)、

3位 色彩(12.0%)、4位 空間構成(11.8%)、

5位 人物の表情(7.1%)

で、多分皆さんの感じと近いのではないでしょうか。


どこの美術館がフェルメールの絵を保有しているでしょうか?

フェルメールの現存する作品点数は

疑わしいものも含めて36点しかありませんが

保有している美術館は下記の通りで、残念ながら日本にはありません。

国別の保有数を見ると、フェルメールの母国オランダは7点、

ドイツ6点、オーストリア1点、フランス2点、アイルランド1点、

イギリス5点、アメリカ13点、個人1点です。


美術館別の保有する絵


1 メトロポリタン美術館(アメリカ・ニューヨーク) 
     眠る女、水差しを持つ女、リュートを調弦する女、信仰の寓意、女の5点

2 アムステルダム国立美術館(オランダ・アムステルダム)
     小路、牛乳を注ぐ女、青衣の女、恋文の4点

3 ナショナル・ギャラリー(アメリカ・ワシントン) 
     天秤を持つ女、手紙を書く女、赤い帽子の女、フルートを持つ女の4点

4 マウリッツハイス王立美術館(オランダ・ハーグ)
     ディアナとニンフたち、デルフトの眺望、真珠の耳飾の少女 の3点

5 フリック・コレクション(アメリカ・ニューヨーク)
     兵士と笑う娘、中断された音楽の稽古、婦人と召使の3点

6 ベルリン美術館(ドイツ・ベルリン)
     紳士とワインを飲む女、真珠の首飾りの女 の2点

7 国立絵画館(ドイツ・ドレスデン) 
     取り持ち女、窓辺で手紙を読む女 の2点

8 ルーヴル美術館(フランス・パリ) 
     天文学者、レースを編む女 の2点

9 ナショナル・ギャラリー(イギリス・ロンドン)
     ヴァージナルの前に立つ女、ヴァージナルの前に座る女の2点

10 バーバラ・ピアセッカ・ジョンソン・コレクション(アメリカ・プリンストン)
     聖プラクセディス

11 イザベラ・スチュアート・ガードナー美術館(アメリカ・ボストン)
     合奏

12 ヘルツォーク・アントン・ウルリッヒ美術館(ドイツ・ハノーバー)
     ワイングラスを持つ娘

13 シュテーデル美術研究所(ドイツ・フランクフルト)
     地理学者

14 国立絵画館(スコットランド)
     マルタとマリアの家のキリスト

15 英国王室コレクション(イギリス・ロンドンバッキンガム宮殿)
     音楽の稽古

16 ケンウッド・ハウス(イギリス・ロンドン)
     ギターを弾く女

17 美術史美術館(オーストリア・ウィーン)
     絵画芸術

18 アイルランド国立絵画館(アイルランド・ダブリン)
     手紙を書く婦人と召使

19 個人所蔵
     ヴァージナルの前に座る若い女