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北朝鮮密輸船の情報集約 データベース構築へ

2019年09月09日 | 国際問題・紛争

国連の専門機関である国際海事機関(IMO)が、国連安全保障理事会の制裁対象である船舶の情報を集約し、加盟国が検索できるデータベース(DB)の構築に乗り出したことが9月7日分かった。

北朝鮮が海上で積み荷を移し替える「瀬取り」により石油精製品などを密輸する際、船名を偽装し摘発を免れる手ロが横行しており、各国間の情報共有が急務となっていた。

船の航行における世界共通のルール作りを進めるIMOの法律委員会が3月にDB作成を決定した。

2021年にも完成する見通し。

安保理の制裁委員会は北朝鮮やイラクなど14あるが、制裁対象の船舶や船舶会社の情報を統合したDBはなく、制裁の履行強化への一歩となる。

安保理北朝鮮制裁委の専門家パネルは報告書で、石油糟製品の瀬取りは年初から4月下旬までに70回確認され、安保理決議が定める年間供給上限の50万バレルを既に超過したとの見方を伝えている。

IMOは安保理と協力し、制裁対象船舶の船名やIMOが割り振る番号などをDBに盛り込み、入港してきたり船籍登録を申し込んできたりした船舶が制裁対象かどうかを各国が簡単に検索できるようにする。

また法律委は、船籍偽装による制裁逃れが横行していることから、正規に認められた船籍登録業者などのDBを作成することも決めた。

アフリカ諸国などが無断で船籍登録先として利用される例が多いため、不正業者をあぷり出す狙いだが、船舶名から業者を検索できるようにするなどの工夫も必要となる。

英ロンドン大キングス・カレッジ戦争研究学部のオズボーン上席研究員は、効果的に情報共有するため「船籍供与国は、違法行為による船籍抹消などの情報をIMOに報告すること」が今後の課題になると指摘した。


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