ノーベル医学生理学賞を受賞する大村・北里大特別栄誉教授が開発に貢献した薬剤「イベルメクチン」に、マラリアの発症を減らす新たな効果がありそうだとの研究結果を、米国などのチームが10月27日、米ペンシルベニア州で開かれた米熱帯医学会議で発表した。
西アフリカ・ブルキナファソで、四つの村の人たちにイベルメクチンを3週間に1回飲んでもらったところ、熱帯熱マラリアで主に犠牲となる5歳以下の子どもの発症を、約16%減らせたとしている。
マラリアは蚊が媒介する原虫が引き起こす病気で、発熱が特徴。
世界保健機関(WHO)は年間2億人がかかり、40万人以上が死亡すると試算している。
イベルメクチンを飲んだ人の血を蚊が吸うと、蚊が死んだり弱ったりして感染拡大が抑えられるらしい。
また米ウォルターリード陸軍研究所のチームは、東南アジアで見られる三日熱マラリアの原虫が蚊の中で育つのを、イベルメクチンが阻むとするデータを明らかにした。
イベルメクチンは大村さんが発見した細菌の作る物質を基に製品化。
寄生虫が原因で、失明につながるオンコセルカ症や、皮膚が硬くなるリンパ系フィラリア症などに使われてきた。
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