塩野義製薬は2月22日、新型コロナウイルス感染症の飲み薬ソコーバについて、後遺症のリスクを45%低減させるデータを得たと発表した。
緊急承認に向け実施した臨床試験(治験)に参加した患者を半年間追跡調査した。
後遺症の定義は明確に定まっていないが、せきや倦怠感、味覚・嗅覚異常など14症状のいずれかが持続する患者とした。
米国で開催中の学会で発表した。
感染初期に体内のウイルスを減らすことでリスク低減の可能性がある。
治験は日本と韓国、ベトナムで実施。
塩野義は服用後半年時点で症状の有無を尋ね、偽薬を投与した集団と比較した。
その結果、服用当初から症状が比較的強く出た集団に絞ると、14症状のいずれかが継続した患者の割合は、ソコーバを服用した131人のグループで14・5%、偽薬を投与した118人のグループでは26・3%だった。
14症状とは別に、集中力・思考力の低下や物忘れなど四つの神経症状も調査。
リスクを33%低減させた。
追跡調査は12ヵ月時点まで続ける。
後遺症にソコーバのような抗ウイルス薬が有効な可能性はあるが、後遺症の薬として承認を得ていないため、今回の結果を受けすぐに実用化されるわけではない。
医師主導の治験も計画中で、良好な結果が得られれば後遺症の予防効果として追加の承認取得を目指す。
ソコーバは2022年11月、厦生労働省が緊急承認し、これまで約2万8千人が服用した。
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