近研ブログ

國學院大學近代日本文学研究会のブログです。
会の様子や文学的な話題をお届けします。

「風博士」の発表を聞いて

2007-04-19 00:19:12 | Weblog
    こんばんは、坂崎です。初回の例会、お疲れ様でした。
     
     今回の例会ではかなり刺激を受けました。資料の見せ方はもちろんのこと、院生の方の発表に対する真摯な態度、内容すべてにおいて勉強になることばかりでした。「風博士」は、先行論や同時代評においてはその内容を理解するのでなく、ただただその文体を感じることが大切であって、意味づけすることの難しい作品であるということが述べられていました。今回の資料では作者独自の人間存在の不安の論から作品に意味付けをしてゆき、一見不可思議に見えるこの作品のテーマまでを論じていました。 発表では作品そのものに固執するのでなく、作者が感じていたことや考えていたことから作品にアプローチしていくことが大切である、ということを教えられた例会だった気がします。この事は、これからの自分の研究においてもかなり重要なことなので見習っていきたいと思います。次回は「ヴィヨンの妻」の発表ですが、自分も太宰の担当なのでしっかり聞きたいと思います。では、この辺で失礼します。