近研ブログ

國學院大學近代日本文学研究会のブログです。
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北村透谷「内部生命論」第一週

2008-05-29 14:05:15 | Weblog
岩崎です。
5/26は北村透谷「内部生命論」です。発表者によるサブタイトルは「近代思想の出発点」です。一週目はその意味内容を正確に把握することでした。

内容:人間の中にある自由の精神に着目し、常久不変である「造化(ネイチャー)」が辿り着けないものを、「宇宙の精神」と「感応」による「再造」を経て、「人心」が「極致」に達する、つまり理想を見ることである。

議論:キリスト教、文芸観、あるいは難語句をどういう意図で透谷が使用していたのかに対することが問題となりました。難解な文章のため、言葉一語一語を押さえていかなければ、議論は空転してしまいます。

言葉の意味を正確に読み取ることが最優先と改めて実感しました。文学史的には透谷を代表する意味を持つと言われています。次週はそのことについて時代背景とともに迫る予定です。

参考:北村透谷「内部生命論」青空文庫より
http://www.aozora.gr.jp/cards/000157/files/43443_16862.html