近研ブログ

國學院大學近代日本文学研究会のブログです。
会の様子や文学的な話題をお届けします。

芥川龍之介「杜子春」

2011-07-05 04:26:37 | Weblog
皆様おはようございます、いしがみです!


7月4日に行った芥川龍之介「杜子春」の発表について記載します。
発表者はいしがみ、穴井くん、神戸さん、木原くん、司会はT先輩です。

同時代評、先行論を上げ、作品に対して作者が言っている言葉を抜き出してあります。
作品分析は杜子春の心の変化と、鉄冠子の気持ちの2つに分けてすすめていきました。

そして、芥川の書簡を用いて作品の読みを深めていきました。
その結果、この作品は杜子春が自己を見つめなおし、芥川の理想とする「人間らしさ」を持った人間に成長する物語であり、成長するには母からの愛や、母への愛が必要だったと言える、という結論に至りました。

ご質問頂いた内容と致しましては「本文7の恥ずかしそうにとは自分の気持ちを見透かされていたからなのでは」「本文19の掘る場面は限りがあるのか」「本文25の日本人らしいとの説明はどのような点からですか」「本文30まとめの、個人を象徴するとは」「仙人観はいつの時代のものですか」「先行論にそったまとめの粋を出ていないのですが何か新しい見解はありますか」「⑧の二双性についてはこれを載せる意味はあるのか」等のお言葉を頂戴致しました。

ご意見、アドバイスにつきましては主に分析の方法や書式、先行論の扱い方などを教えて頂きました!下記に記します。

「レジュメP1の①と②はどのあたりをとらえて失望としているか」「③ではどの点が評価されつつあるか」「⑤はどういう意味で変身なのか言うべき」「⑥の内容は読めば分かることがまとめに書いてある」「⑦は書き方やニュアンスより、理由や分析を知りたい」「論文を分析する時はどういうアプローチで書いているかや何をどう評価しているかを書く」「主要論文を引くのはマナー」「〔本文○〕などは一字下げで、本文は一字高くする」「同時代評、先行論のまとめでは、母親というのはどういう母親か、ここからどういうことが分析できるか意義を言った方が良い、文学的価値というのも何に価値を置いているか言うと良い」「分析が似ているものは2つ引用して比較する」「本文5、6のまとめはあらすじからぬけでていないのでもったいない、本文7は良い」「本文27の岳陽や洞庭湖の意味については調べていますか?どういう湖なのか場所が持っている意味を調べる、辞典は孫引きになってしまうので辞典の参考文献に当たると良いです、なぜ3回入るのか、中国ではこういう意味があるとかを調べると良い」「今回だけではなく、先行論を読んでみんなで分析することが必要、この視点が足りないなど欠けているものがないか見ると良い」「複数発表の時はまとめは1つにしなければいけない、本文は傍線をつける、改行はスラッシュを入れる、発表者の名前は一番下に書く」「新しいものを提示していないが、書簡からという見方は良い、これは比較していく必要がある。個人的には洛陽で暮らすか門に意味があるのか殺そうと思っていたという所の意味が気になりました。愛情を持って仙人が杜子春に接したのは一つの読み取りです」などでした!

至らない点が多かったのでとてもくやしいです。
今までレジュメの書式や分析や先行論の扱い方について問題視できていなかったことが問題だと思いますので、この気持ちを忘れず、日々精進していこうと思います!


本日もブログを見て下さってありがとうございます!
暑い日が続いておりますので、夏バテなどにはくれぐれもお気をつけ下さいませ。
それでは失礼致します。