近研ブログ

國學院大學近代日本文学研究会のブログです。
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織田作之助「六白金星」発表

2007-10-29 23:37:27 | Weblog
こんばんは、2年の西山です。
今日は織田作之助の「六白金星」についての発表を行いました。発表者は2年坂崎と西山です。
今回の発表では、主人公の楢雄の成長を時系列ごとに追っていきました。そしてその成長のなかで芽生え出す、干渉に対する反抗心や、自分の星である<六白金星>になぞらえて、頑迷なまでに一直線に生きて行く楢雄像を読みました。そして、このようにかたくなな楢雄を呆れながらも受け入れていく周囲というものが、織田作之助の考えていた大阪という都市の性質に重なっていくと言うように論を結びました。
問題点としては、楢雄をただ単に頑固な存在として扱っていって良いのか、周囲はただ楢雄を受け入れるためだけに存在するのか、また、大阪だけでなく兵庫という他県も描かれている以上、織田の大阪論をそのまま利用してもいいのか、というものがあがりました。
発表者と致しましては、もっと細かく見れたであろうところを大きく括りすぎたこと、単純な図式に作品を当てはめすぎたことに反省が残ります。今回の反省を活かして、次回の発表もより良いものに出来るよう、努力致します。

来週の発表は田村泰次郎の「肉体の門」です。