近研ブログ

國學院大學近代日本文学研究会のブログです。
会の様子や文学的な話題をお届けします。

石川淳「喜寿童女」2週目

2007-12-06 14:19:14 | Weblog
西山です。今週は石川淳の「喜寿童女」の2回目の発表でした。
今回の発表では、最終的に人形になってしまう童女の姿を通して、西洋に染まった結果形骸化してしまう日本を批判的に描いていると述べられていました。そして、その批判精神は、妖女伝の著者と、妖女伝続チョウの著者である迂生の思想を書き手が汲み取ったものであると言う見解でした。
質疑応答の際〈著者〉と書き手の関係についての議論があがりましたが、質問者と発表者の話がなかなかかみ合わず、論を深めるのに大変難儀しました。作品を論じることの難しさを再認識出来たと思います。
発表者の方、お疲れ様でした。

次週の発表は「もの喰う女」です。発表者の方はよろしくお願いいたします。

「喜寿童女」一週目

2007-12-03 01:26:39 | Weblog
2年の西山です。
今回は石川淳の「喜寿童女」の発表でした。
童女になった老女がくるくると装いを変える様を、近代化した日本が他国の文化に流されるようになってしまったことになぞらえ、批判しているという論点の元に研究なされていました。また、権力者の描き方が醜悪であることから、権力に対する反発があるとも読まれていました。
議論としては、日本的なるものを単純に神道に結び付けていいのか、メタフィクションとして描かれていくことの効果などが上がりました。
次週、この議論をもとにどのような発展をとげられるのかが楽しみです。

それでは。