近研ブログ

國學院大學近代日本文学研究会のブログです。
会の様子や文学的な話題をお届けします。

2015年岩手夏合宿

2015-09-14 02:58:31 | Weblog
こんにちは。合宿委員1年の阪井です。8月1日(土)から3日(月)にかけて岩手で合宿をしてきましたので、ここにご報告させていただきます。


【8月1日】
 今回の合宿は大宮駅集合でした。遅刻者、欠席者を出すことなく、無事に全員集合することができ、予定通りJR東北新幹線やまびこに乗車しました。岩手まで新幹線で2時間と聞いたときは、正直長いなと思っていましたが、先輩のお話を聞いたり、夜の読書会の準備などをしているうちに、あっという間に盛岡駅に到着してしました。涼しいイメージの岩手ですが、合宿期間中は非常に暑い日が続いていたので、盛岡駅に到着したときはあまり岩手に来たという実感が湧きませんでした。
 昼食は、少し盛岡駅を散策したのちに「ぴょんぴょん舎」さんで盛岡冷麺を頂きました。盛岡冷麺を食べるのは初めてなので、付け合せとして載せられていたスイカには大変驚きました。しかし、辛みのある冷麺と爽やかなスイカは非常に相性がよく、またコシが強く表面はツルッと喉ごしが良い麺は、私好みでとても美味しかったです。
 昼食後は、都心循環バスでんでんむしに乗り「もりおか賢治青春館」に行きました。館内は宮沢賢治の愛用品、原稿などの展示だけでなく、ビデオやスライドもあったので、非常にわかりやすく宮沢賢治について学ぶことができました。また、展示だけでなく館内のインテリアも細部までこだわっていたので、大変感心しました。
 「もりおか賢治青春館」を見学した後は自由散策でしたので、私は材木町のよ市に行ってきました。商店街の出店は、お祭りにしてはかなり良心的な価格でしたので、新鮮な野菜や焼き立てのお肉をたくさん頂きました。
 自由散策後は盛岡駅に集合して、3日間お世話になった花巻駅にある旅館「かねがや」さんへ向かいました。「かねがや」さんには、合宿期間中、花巻駅から旅館まで送迎していただいたので本当に助かりました。また、素敵なお風呂にいつでも入れるということだったので、男子の先輩方と1日に何度も利用させていただきました。
 夜の読書会では宮沢賢治「よだかの星」を扱いました。研究会に入って初めての合宿だったので、皆さんと浴衣や寝間着姿で行う読書会はとても新鮮でした。読書会では仏教の考え方を用いて、よだかは星になることで苦しみの輪廻から解放され、絶対的な価値観の世界へ行くことができたのではないかということが話題になりました。また、この作品のよだかが星になるという結末が、結局よだかを拒絶した星と同等なものになるので、一概に幸せな結末とは言えないという意見もありました。その他には、作中で生命のことを「ただ一つ」と表現していることに注目して、この作品における生命とはいったいどのようなものなのかということも話題に上りました。

【8月2日】
 まずはじめに「宮沢賢治童話村」に行きました。童話村は宮沢賢治の作品を題材にした大きな展示物が多数あり、まるでテーマパークのようでした。また、「賢治の教室」という名称のログハウス展示施設では、宮沢賢治の賢治童話に出てくる動物や植物について楽しく学ぶことができました。
その後、「くらかけ」さんでハンバーグカレーを頂き「宮沢賢治記念館」へ向かいました。「宮沢賢治記念館」は、小高い丘の上に位置しているので、普段運動不足の私は、途中の三百段ほど長い階段でへばってしまいました。この記念館は宮沢賢治の作品だけでなく、宮沢賢治の人となりにもきちんとスポットが当てられていました。また、展示の仕方がエリアごとに工夫されていたので、賢治が童話や詩の作家活動だけでなく、農業技術者や法華経信者としても精力的に活動していて、そういったことが作品に色濃く反映されていることがよくわかりました。
 そのあとの自由散策で、私は「イギリス海岸」に行きました。イギリス海岸とは宮沢賢治が命名した北上川西岸のことです。作品の中で「全くもうイギリスあたりの白亜の海岸を歩いてゐるやうな気がするのでした。」と記しているとおり、賢治にとっての憧れからこの名を付けたといわれています。普段クールな皆さんが童心に帰り、靴を脱いで川に入りはしゃいだり、川に向かって石を投げたりしてい姿はとても微笑ましかったです。

【8月3日】
 最終日の3日目は、疲れを考慮して比較的緩めの行程でした。はじめにバスを乗り継ぎ大沢温泉へ移動。そして大沢温泉内の「やはぎ」というお店でおろしえび天そばを頂きました。
 昼食後は温泉につかり疲れを癒しました。大沢温泉は7つお風呂があったのですが、時間の関係で2つしか回れなかったのが少し残念でした。
 温泉が最後のイベントだったので、大沢温泉を出た後はひたすら移動でした。温泉でリラックスしたためか、帰りのバスや新幹線では寝ている方が多かったです。そして19時すぎに大宮に到着して解散しました。今回の合宿は文学について学べただけでなく、研究会の皆さんの普段とは違う一面も知ることができたので、とても充実した楽しい合宿でした。

 
 最後に、今回は私の合宿委員としての自覚の甘さから、合宿委員の先輩方に多大な負担とご迷惑をおかけしてしまい、大変申し訳ありませんでした。1年生という立場に甘えて、先輩にお仕事を任せきりにしてしまったことを、本当に反省しています。この場を借りてお詫び申し上げます。今回失敗してしまったこと、そして先輩方の姿を見て学んだことは次回の合宿に生かしていきたいと思います。

 まだまだご迷惑をおかけすることもあるかと存じますが、後期も何卒よろしくお願いします。


1年阪井