みなさん、こんばんは。
本日は中河与一の「刺繍せられた野菜」の研究発表でした。語り手の視座を中心として、エプグラフ、〈彼女〉〈妻君〉という呼称の問題を論考の手始めとして論を進めていき、この作品を〈内面に独自の物語を孕んでいない〉と結論づけつつ、〈しかし〉として、発表者はこう肯定的評価をしました。〈「刺繍せられた野菜」は、表現の行為と対象とが含みこみあいながら輪郭に関わることで、彫り出された生活への純粋な讃美となっている〉
ここにおいて発表者が主軸を置いて展開した論は、語り手の所在の移行、題名にあらわれる「刺繍」の意味するところでした。質問としては、基本的なところで、資料中に使用される言説の意味の確認、物語内の〈チロ〉の役割が主に出ました。この〈チロ〉という犬の役割……というよりも、物語内に、どのようなドラマを導き出すのか、などといった質問の答えは、次週への課題ともなりました。
また、〈彼女〉、〈妻君〉という呼称のほかに、物語内では〈夫婦〉という表現も見られ、これも、先行論文で論じられていた「ドラマ」と関連しているのでは、という指摘も出ました。これらの質問、指摘は、みな、発表者の主軸としたところと微妙な相違を示しており、次週での発表で、それをいかに消化、展開させていくのか、が発表者お二人の課題となりそうです。
暑くなってきましたが、みなさん、夏バテしないように気をつけましょう。
本日は中河与一の「刺繍せられた野菜」の研究発表でした。語り手の視座を中心として、エプグラフ、〈彼女〉〈妻君〉という呼称の問題を論考の手始めとして論を進めていき、この作品を〈内面に独自の物語を孕んでいない〉と結論づけつつ、〈しかし〉として、発表者はこう肯定的評価をしました。〈「刺繍せられた野菜」は、表現の行為と対象とが含みこみあいながら輪郭に関わることで、彫り出された生活への純粋な讃美となっている〉
ここにおいて発表者が主軸を置いて展開した論は、語り手の所在の移行、題名にあらわれる「刺繍」の意味するところでした。質問としては、基本的なところで、資料中に使用される言説の意味の確認、物語内の〈チロ〉の役割が主に出ました。この〈チロ〉という犬の役割……というよりも、物語内に、どのようなドラマを導き出すのか、などといった質問の答えは、次週への課題ともなりました。
また、〈彼女〉、〈妻君〉という呼称のほかに、物語内では〈夫婦〉という表現も見られ、これも、先行論文で論じられていた「ドラマ」と関連しているのでは、という指摘も出ました。これらの質問、指摘は、みな、発表者の主軸としたところと微妙な相違を示しており、次週での発表で、それをいかに消化、展開させていくのか、が発表者お二人の課題となりそうです。
暑くなってきましたが、みなさん、夏バテしないように気をつけましょう。