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「幻滅のたびに甦る期待はすべて、未来論の一章を示唆する。」(Novalis)

今月号の『BT』

2006年06月23日 | Weblog
は、ゼロゼロ・ジェネレーション特集で、そのなかの椹木野依氏や松井みどり氏の論考はやはり面白いのだけれど、なかでも、もう一人の論考の執筆者、東谷隆司の視点がとても啓発的だった。以前から、東谷さんからよいといわれていたノイズ系のパンク・バンド「Struggle for Pride」のことが冒頭に挙げられるという、美術に関する論考としてはずいぶん大胆な文章なのだけれど、その大胆さにちょっと「勇気」のようなものを与えられた気もした。

で、「視点」というのは、今日の情報化社会において、その時その場に行かなければ見たことにならないはずの芸術ジャンル(東谷さんはそこに「美術」「音楽」のみならず「ダンス」も挙げている)は、きわめて厳しい状況に置かれているけれども、むしろそうであるところにそれらの芸術の意味(芸術性)はあるはずなのであるからして、その点に際だったトライアルをするべきだ、と概略的に言えばそういうものだ。

そこでしか経験できないもの、その一種の秘教性こそ、駆り立てるべきものであり、その駆り立てる方法こそが様々に試みられるべきだ、ということなのだろう。そして、もちろんそこでは、パフォーマーとオーディエンスの関係が、何を理想として考えられているのかということが、まず何よりも考えられていなければならないに違いない。

そういうわけですっかりミーハー的にSFPのavexからのメジャー第一弾『You Bark, We Bite.』とDVD『Struggle For PVHS feat. Raw Life 2005 Live』を購入。何か、自分が本当に興奮するものは何だったのかを少しずつ、ほとんどリハビリみたいな感じで思い出しながら見た、聴いた。

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