今回は、腸骨の前方と後方への回旋検査を練習しましょう。
前回と同じように、仰向けになって膝を立て、仙骨とPSISにまたがるように指でコンタクトします。
ではここから脚を伸ばしていきます。
膝を立てているときは、腸骨は後方に回旋している状態だといえますので、膝を伸ばすということは腸骨の前方回旋の動きをみることになります。
腸骨が前方回旋するということは≪赤矢印≫、PSISは前上方(Anterior Superior、略してAS)に移動することになります≪黄矢印≫。
膝を伸ばしながら、コンタクトしている仙骨が動かないまま、PSISが前上方(AS)に動いてしていく様子を感じ取りましょう。
いかがですか。わかりますか?
前半は膝と股関節の動きですが、後半から膝を伸ばしきる少し前のところあたりで、ちょこっと前上方に動くように感じられるのではないでしょうか。
股関節の伸展に制限のある方ほど、早い段階でPSISが前上方に動くはずです。
もしかしたら、脚を伸ばしきったら仙骨の前傾、さらには腰椎の前腕増強まで起こる方もいらっしゃるかもしれません。
このようなタイプの方は、夜仰向けで寝ていると腰痛を起こすという訴えを持つことがあります。
脚を伸ばしきったら、また膝を曲げて立てる方向に戻していきましょう。
脚を伸ばしているときは、腸骨は前方に回旋している状態だといえますので、膝を曲げるということは腸骨の後方回旋の動きをみることになります。
腸骨が後方回旋するということは≪赤矢印≫、PSISは後下方(Posterior Inferior、略してPI)に移動することになります≪黄矢印≫。
では、先ほどとは反対に膝を曲げながら、コンタクトしている仙骨が動かないまま、PSISが後下方(PI)に動いていく様子を感じ取りましょう。
PSISがコンタクトしている指に、グッと押し付けれらる感じをもつでしょうか。
どちらかというと、はじめのうちは前方回旋よりも後方回旋の方がわかりやすいかもしれません。
インフレア・アウトフレア検査の時のように、自分のわかりやすいスピードで動かし、感じとってみましょう。
反対側との動きの比較や、動きの幅、スムーズさも前回と同じように調べて練習しましょう。
検査の名称は、膝を伸ばして腸骨を前方回旋させる、PSISを前上方(AS)に動かす検査を前方回旋検査(=AS検査)といいます。
前方回旋検査でスムーズな動きを感じず、制限を認めた状態を後方腸骨(=PI腸骨)といいます。
反対に、膝を曲げて腸骨を後方回旋させる、PSISを後下方(PI)に動かす検査を後方回旋検査(=PI検査)といいます。
後方回旋検査でスムーズな動きを感じず、制限を認めた状態を前方腸骨(=AS腸骨)といいます。
制限と骨の異常な位置(=変位・病変)は反対になるというのは、前回復習したとおりですね。
前方腸骨・後方腸骨という表記はオステオパシーで、AS腸骨・PI腸骨はカイロプラクティックで主に用いられています。
ちなみに、前方腸骨・後方腸骨、そして前回のインフレア腸骨・アウトフレア腸骨というのは、このような動きだけで決められるのではなく、静的な状態での骨盤の位置関係を触診した結果もふまえて決められます。
骨盤の静的な触診(スタティックパルペーション)については、さまざまなテキストで紹介されているのでご覧になってください。
同時にそれらのテキストでは、臨床で用いる検査法も紹介されているはずなので、仲間と練習してください。
ただ、ひとりで行うトレーニングや、どのような動きとして感じられるかということを書いているテキストは少ないのではないかと思います。
検査やテクニックのかたちを覚えるのは大切なのですが、だからといってかたちだけ覚えても、きちんと感じとることができなければ、なかなか効果があがらず役に立ちません。
この、手技療法の寺子屋ブログでは、そのあたりをカバーしたいと思っています。
今回はひとつの手で、仙骨とPSISにまたがるようにコンタクトしていますが、かえってわかりにくいという場合は、一方の指先をPSISに、もう一方の手も用いてそちらを仙骨に当てて練習してもかまいません。
それでもわからない場合は、PSISだけにしてもかまいません。
とにかくここでは、自分がわかるということを優先して練習してください。
仙腸関節の可動性も個人差があり、比較的大きく動いてわかりやすい方もいれば、動いているといってもほんのわずかでわかりにくい方もいます。
脊柱なら複数の分節があるので、ひとつわからなくても、いくつか試している間に「ああこれか」ということもあるのですが、仙腸関節は左右1対なので、動きがわずかな方は慣れないうちは感じ取りにくいかもしれません。
また、自分に仙腸関節の制限があれば、動きが少なくなっているので、はじめはわからないと感じるでしょう。
もし、いろいろやってもわからないという方、わからない感覚を大切にし、そのわからない感覚を覚えながら練習するようになさってください。
自分の動きはわからなくても、仲間を相手に練習した時、わかりやすくなっているはずです。
(くわしくは「わからない感覚を大切に」シリーズをご参照ください)
仰臥位で仙腸関節の動きがつかめるようになったら、次は立位での練習です。
前回と同じように、仰向けになって膝を立て、仙骨とPSISにまたがるように指でコンタクトします。
ではここから脚を伸ばしていきます。
膝を立てているときは、腸骨は後方に回旋している状態だといえますので、膝を伸ばすということは腸骨の前方回旋の動きをみることになります。
腸骨が前方回旋するということは≪赤矢印≫、PSISは前上方(Anterior Superior、略してAS)に移動することになります≪黄矢印≫。
膝を伸ばしながら、コンタクトしている仙骨が動かないまま、PSISが前上方(AS)に動いてしていく様子を感じ取りましょう。
いかがですか。わかりますか?
前半は膝と股関節の動きですが、後半から膝を伸ばしきる少し前のところあたりで、ちょこっと前上方に動くように感じられるのではないでしょうか。
股関節の伸展に制限のある方ほど、早い段階でPSISが前上方に動くはずです。
もしかしたら、脚を伸ばしきったら仙骨の前傾、さらには腰椎の前腕増強まで起こる方もいらっしゃるかもしれません。
このようなタイプの方は、夜仰向けで寝ていると腰痛を起こすという訴えを持つことがあります。
脚を伸ばしきったら、また膝を曲げて立てる方向に戻していきましょう。
脚を伸ばしているときは、腸骨は前方に回旋している状態だといえますので、膝を曲げるということは腸骨の後方回旋の動きをみることになります。
腸骨が後方回旋するということは≪赤矢印≫、PSISは後下方(Posterior Inferior、略してPI)に移動することになります≪黄矢印≫。
では、先ほどとは反対に膝を曲げながら、コンタクトしている仙骨が動かないまま、PSISが後下方(PI)に動いていく様子を感じ取りましょう。
PSISがコンタクトしている指に、グッと押し付けれらる感じをもつでしょうか。
どちらかというと、はじめのうちは前方回旋よりも後方回旋の方がわかりやすいかもしれません。
インフレア・アウトフレア検査の時のように、自分のわかりやすいスピードで動かし、感じとってみましょう。
反対側との動きの比較や、動きの幅、スムーズさも前回と同じように調べて練習しましょう。
検査の名称は、膝を伸ばして腸骨を前方回旋させる、PSISを前上方(AS)に動かす検査を前方回旋検査(=AS検査)といいます。
前方回旋検査でスムーズな動きを感じず、制限を認めた状態を後方腸骨(=PI腸骨)といいます。
反対に、膝を曲げて腸骨を後方回旋させる、PSISを後下方(PI)に動かす検査を後方回旋検査(=PI検査)といいます。
後方回旋検査でスムーズな動きを感じず、制限を認めた状態を前方腸骨(=AS腸骨)といいます。
制限と骨の異常な位置(=変位・病変)は反対になるというのは、前回復習したとおりですね。
前方腸骨・後方腸骨という表記はオステオパシーで、AS腸骨・PI腸骨はカイロプラクティックで主に用いられています。
ちなみに、前方腸骨・後方腸骨、そして前回のインフレア腸骨・アウトフレア腸骨というのは、このような動きだけで決められるのではなく、静的な状態での骨盤の位置関係を触診した結果もふまえて決められます。
骨盤の静的な触診(スタティックパルペーション)については、さまざまなテキストで紹介されているのでご覧になってください。
同時にそれらのテキストでは、臨床で用いる検査法も紹介されているはずなので、仲間と練習してください。
ただ、ひとりで行うトレーニングや、どのような動きとして感じられるかということを書いているテキストは少ないのではないかと思います。
検査やテクニックのかたちを覚えるのは大切なのですが、だからといってかたちだけ覚えても、きちんと感じとることができなければ、なかなか効果があがらず役に立ちません。
この、手技療法の寺子屋ブログでは、そのあたりをカバーしたいと思っています。
今回はひとつの手で、仙骨とPSISにまたがるようにコンタクトしていますが、かえってわかりにくいという場合は、一方の指先をPSISに、もう一方の手も用いてそちらを仙骨に当てて練習してもかまいません。
それでもわからない場合は、PSISだけにしてもかまいません。
とにかくここでは、自分がわかるということを優先して練習してください。
仙腸関節の可動性も個人差があり、比較的大きく動いてわかりやすい方もいれば、動いているといってもほんのわずかでわかりにくい方もいます。
脊柱なら複数の分節があるので、ひとつわからなくても、いくつか試している間に「ああこれか」ということもあるのですが、仙腸関節は左右1対なので、動きがわずかな方は慣れないうちは感じ取りにくいかもしれません。
また、自分に仙腸関節の制限があれば、動きが少なくなっているので、はじめはわからないと感じるでしょう。
もし、いろいろやってもわからないという方、わからない感覚を大切にし、そのわからない感覚を覚えながら練習するようになさってください。
自分の動きはわからなくても、仲間を相手に練習した時、わかりやすくなっているはずです。
(くわしくは「わからない感覚を大切に」シリーズをご参照ください)
仰臥位で仙腸関節の動きがつかめるようになったら、次は立位での練習です。
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