体性機能障害の評価では、まず 「左右の非対称性」 を評価して位置的変化を認めたら、次に 「関節可動域」 をみて、どこに、どのような運動制限があるかを調べます。
この 「関節可動域」 をみるときには、「可動範囲」 「可動域内の動きの質」 「関節終端感覚」 の3つのポイントがあると思います
まずは 「可動範囲」 、狭い意味での「関節可動域」ですね
これには、「絶対的」 と 「相対的」 の2つあります。
「絶対的な可動範囲」 とは、解剖学やリハビリテーションのテキストに載っている可動範囲です
肩の挙上なら180°、水平外転位からの外旋なら90°、内旋なら70°というような、教科書的な可動範囲のことです。
「絶対的な可動範囲」 は一応の基準にはなりますが、実際の臨床でむりやり当てはめて、正常な範囲まで回復させようとすると事故を起こしかねません
可動範囲はもともと個人差がありますし、人によっては先天的な骨の形態から可動域が生理的に少ないこともあるからです。
例えば、股関節の前捻角が大きい・小さいなどです。
前捻角が大きいと外旋が、小さいと内旋の可動域が少なくなります。
ですから、その人の中で可動域を比較する必要があります。
これが「相対的な可動範囲」で、「関節可動域」の「非対称性」をみます
相対的な可動範囲のほうが、その人にとっての問題点を明確に示しています。
臨床では、絶対的と相対的の可動範囲を天秤にかけながら、どの範囲まで回復するのがその人にとって望ましいかを判断していきます。
続いて 「可動域内の動きの質」です
可動域をみるなかで、同時に、動きの協調性や滑らかさも調べます。
臨床では、見た目に明らかな可動域の制限がなくても、協調性の異常によって症状を起こすことも少なくありません。
例えば前回も紹介した下の写真では、右肩に可動域制限がありますが、左肩は完全に挙上できています
このようなケースでは、ふつうは可動域制限のある右肩に訴える方が多いのですが、なかには右ではなく左肩に痛みを訴える方もいらっしゃいます。
挙上前の状態をみてみると、左肩が下がっていることによって、肩甲骨は下制し、下方回旋しています
すると、挙上時に肩甲上腕リズムによって起こるはずの、肩甲骨の挙上と上方回旋が制限されてしまいます。
(肩の挙上運動180°のうち、120°が肩甲上腕関節、60°が肩甲胸郭関節によって行われます)
これがそのまま可動域制限として現れることもあれば、肩甲上腕関節が肩甲胸郭関節の可動域を代償し、上の写真のように、全体としての動きは確保できていることもあります。
後者の場合、一見するときれいに腕が挙がっているようにみえるのですが、実は肩甲上腕関節は過剰可動によって負荷がかかり続け、やがて痛みが現れてしまうということになります。
あくまで例えのひとつですが、このように全体の動きは正常でも、その内訳やリズムがおかしい、つまり協調性の異常も体性機能障害として起こります。
( 前回のおわりに書いた、明らかな可動域制限の部位に症状を訴えるというようなシンプルなケースばかりではありませんというのは、この例えのようなことが起こるからです)
協調性の異常があると、自動運動も滑らかさがなくなり、ぎこちなさを認めやすいので、そこを注意して観察するようにします。
ちなみに、ここまでの 「非対称性・可動範囲・可動域内での動きの質」 をみるのが 『動作分析(または運動分析)』 と呼ばれるものです
運動療法では、この動作分析に基づいて、可動域そのものを改善したり、運動のリズムやパターンなどを修正するプログラムを組んでいくということになります。
さて、続いての「関節終端感覚(エンドフィール)」、ここからは手技療法を実施する上で重要になる評価です。
動作分析に少し関係する過去の記事は、以下をご参考になさってください。
「マネすることからはじめてみよう~評価について~ 1~4」
この 「関節可動域」 をみるときには、「可動範囲」 「可動域内の動きの質」 「関節終端感覚」 の3つのポイントがあると思います
まずは 「可動範囲」 、狭い意味での「関節可動域」ですね
これには、「絶対的」 と 「相対的」 の2つあります。
「絶対的な可動範囲」 とは、解剖学やリハビリテーションのテキストに載っている可動範囲です
肩の挙上なら180°、水平外転位からの外旋なら90°、内旋なら70°というような、教科書的な可動範囲のことです。
「絶対的な可動範囲」 は一応の基準にはなりますが、実際の臨床でむりやり当てはめて、正常な範囲まで回復させようとすると事故を起こしかねません
可動範囲はもともと個人差がありますし、人によっては先天的な骨の形態から可動域が生理的に少ないこともあるからです。
例えば、股関節の前捻角が大きい・小さいなどです。
前捻角が大きいと外旋が、小さいと内旋の可動域が少なくなります。
ですから、その人の中で可動域を比較する必要があります。
これが「相対的な可動範囲」で、「関節可動域」の「非対称性」をみます
相対的な可動範囲のほうが、その人にとっての問題点を明確に示しています。
臨床では、絶対的と相対的の可動範囲を天秤にかけながら、どの範囲まで回復するのがその人にとって望ましいかを判断していきます。
続いて 「可動域内の動きの質」です
可動域をみるなかで、同時に、動きの協調性や滑らかさも調べます。
臨床では、見た目に明らかな可動域の制限がなくても、協調性の異常によって症状を起こすことも少なくありません。
例えば前回も紹介した下の写真では、右肩に可動域制限がありますが、左肩は完全に挙上できています
このようなケースでは、ふつうは可動域制限のある右肩に訴える方が多いのですが、なかには右ではなく左肩に痛みを訴える方もいらっしゃいます。
挙上前の状態をみてみると、左肩が下がっていることによって、肩甲骨は下制し、下方回旋しています
すると、挙上時に肩甲上腕リズムによって起こるはずの、肩甲骨の挙上と上方回旋が制限されてしまいます。
(肩の挙上運動180°のうち、120°が肩甲上腕関節、60°が肩甲胸郭関節によって行われます)
これがそのまま可動域制限として現れることもあれば、肩甲上腕関節が肩甲胸郭関節の可動域を代償し、上の写真のように、全体としての動きは確保できていることもあります。
後者の場合、一見するときれいに腕が挙がっているようにみえるのですが、実は肩甲上腕関節は過剰可動によって負荷がかかり続け、やがて痛みが現れてしまうということになります。
あくまで例えのひとつですが、このように全体の動きは正常でも、その内訳やリズムがおかしい、つまり協調性の異常も体性機能障害として起こります。
( 前回のおわりに書いた、明らかな可動域制限の部位に症状を訴えるというようなシンプルなケースばかりではありませんというのは、この例えのようなことが起こるからです)
協調性の異常があると、自動運動も滑らかさがなくなり、ぎこちなさを認めやすいので、そこを注意して観察するようにします。
ちなみに、ここまでの 「非対称性・可動範囲・可動域内での動きの質」 をみるのが 『動作分析(または運動分析)』 と呼ばれるものです
運動療法では、この動作分析に基づいて、可動域そのものを改善したり、運動のリズムやパターンなどを修正するプログラムを組んでいくということになります。
さて、続いての「関節終端感覚(エンドフィール)」、ここからは手技療法を実施する上で重要になる評価です。
動作分析に少し関係する過去の記事は、以下をご参考になさってください。
「マネすることからはじめてみよう~評価について~ 1~4」
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