図の黒1を呉清源師が推奨しているという講評を読んで、驚いたという記事を以前書いた。
つまり黒1に白Aと受けられると、次に黒Bとカケた時、黒は三々へのフリカワリを失う。
だから黒1は「定石ハズレ」である。
手持ちのほとんどの定石書に、そう書かれていたから。
ただそれはそれとして、概念の変化ということで「ありえる手段に昇格した」と、その時は解釈していた。
本題はここから。
冒頭の図は現在、朝日新聞に連載している今季名人戦リーグ、三村vs彦坂戦から取材。
そこに
「黒1までは自然として…」
と書かれていたのを見て、
「スベリはそこまで市民権を得ているの!?」
と、再度驚いた次第。
白2の解説には、
「三々に受けると次に黒Bなどとカケられたりして、上辺を圧迫されるのを嫌ったのだろう」
とある。
ならば何故、黒1で黒Bと三村プロはカケなかったのか?
その辺の機微が私にはトンとわからない。
カケると出ギリの筋から、シチョウでも悪いのかと思ったが、そうでもないようだ。
それともカケた時に、コスミツケられる筋に変化されるのが、配石上嫌なのだろうか?
まぁ本局のハイライトは白2の奇手であり、これを紹介し、それを巡る攻防を描くのが主題である。
だからそこまでの進行はサラッと流すため、先のような文になったのかとも思うが…。
こんなところで行数を費やしたくないのはわかる。
だけど…。
「センセー、私もスベってヨカですか?」
しかし毎回毎回、同じところでウロウロしてますね(汗)。
といいつつ、本文にも
「コスミツケが嫌なのか」
と書いていますが、やはりこれを嫌ったスベリなんですか。
加藤先生が打ち出したことは聞いたことあるような気がしますが、加藤定石と命名されているとは知りませんでした。
…待てよ。
そうすると本譜の白2でAに受け、そこでBにカケられても対策が出来ている…ということなんですね?
その対策が分からないから、私はオロオロしているのか…(汗)。
タメになるお話をありがとうございました。
やたらコスッカラい打ち方がはやってるし。
(注)加藤定石…
図で黒B白E17黒J17(Bの一路上)白F18黒G17
白G18黒H18という定石。
名前の由来は故加藤名誉王座が打ち出したこと
から