対局日誌

ネット囲碁対局サイトでの、私の棋譜を記録していきます。
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名局と戦略(棋書評)

2007-09-10 01:15:55 | 棋書
名局と戦略」(日本棋院:石田芳夫著)

石田芳夫囲碁講座全3巻中、第1巻。
絶版。

もんちゃんの秋桜日記
私が初めて並べた打碁集
というようなコメントを書き込んだのだけれど、レビューに辺り一通り全部並べてみたところ、記憶に触れる棋譜がほとんどない(汗)。
書かれている時代エピソードは、ほとんど記憶していたが…。
全部は難しく、並べるのを挫折したのは覚えているが、古典の部は少しは並べたはず。
あるいは第2巻「必勝の置碁」と、混同しているのかも?
と思ったら、そうだった(汗)。

あまり評判は聞かないが、棋力さえつけばなかなか面白い本だと思っていた。

ただ再度並べてみて思ったのは、シリーズ全体を通してテーマがあいまいだということ。
打碁集なのか囲碁史書なのか手筋本なのか、初段向けなのか高段向けなのか?
その辺りがハッキリしない。
対局者もバラバラ。

また本の装丁や紙質が安っぽいのが、あまり人気がでない原因かもしれない。
そのためか古書店やブックオフで、比較的廉価で入手出来ることが多い。

ともあれ第1巻は1800年頃の元丈・知得時代から、1990年の治勲・光一時代までの名局、20局を収録。
うち7譜から12譜に分けて解説しているものが15局、付録として4譜分けで収録されているものが5局。
【付記】付録に更に時代を遡った、道策vs春知(2子局)が収録されていました。
構成は小堀啓爾氏。

この20局という分量が微妙で、初段前後には解説がまだ不足して難しいし、高段者には収録数が多分もの足りない。
また収録された棋譜も、名局ながらいわゆる「耳赤」「吐血」といった著名局ではない。
これが先の、「ハッキリしない」とした所以である。

ただ「争碁(著名局)に名局なし」とも言われるし、収録された棋譜はどれも「お手本」とするには確かなものばかり。
そういう面で個々人で所持するには多少不満もあるが、教室などの教本として利用するには適当か。
間に挟まれている時代エピソードも面白く、棋譜への興味をかきたてる。

また巻末の「あとがき」に、発売当時までに発表された主だったる全集が記載されており、その後の棋譜並べライフの一助になる。
その点も踏まえて、
棋譜並べライフのスタートを助ける本
として、長らく好印象をもっていたのかもしれない。